前回の記事で、プラセボ効果について解説し、その時思考という形のないものが量子的飛躍によって物質である体に作用を及ぼすということを述べました。ではどうすれば、この量子的飛躍を起こすことが出来るのでしょうか?
瞑想
この量子的飛躍を起こす技術を練習する一つの方法が瞑想です。念のために書いておきますが、因果関係によって引き起こされる現象の系列の一回目を引き起こすのが量子的飛躍です。前回の記事で言えば、脳内でエンドルフィンやエンケファリンを生成させる心の働きが、その現象の系列の一番初めです。そしてそれ以降は物理法則に従って、次々に現象が生じていきます。従って物理法則に反して、瞑想によって何でも世界を思いのままにできる訳ではありません。
さて、本題に戻りますが、瞑想は欧米では単なるリラクゼーションという認識が多く、日本では宗教的儀式や禁欲的な何かという認識が広まっていますが、瞑想はもっと広範囲にわたるもので、スポーツ界でメンタルトレーニングと呼ばれるものも含みます。量子的飛躍を起こすことが出来るかどうかは「臨場感の強さ」にかかっていますが、この臨場感の高まりを訓練するのも瞑想です。
皆さんも、過去の思い出によって涙を流したり、嬉しくなったりしたことがあるでしょう。これが比較的容易になされ得るのは、全く経験したことがないことよりも一度経験したことの方が臨場感を簡単に出すことが出来るからです。また映画を観て泣いている人もいますが、これは全く一から想像するよりも映像、音声と言った媒体があった方が臨場感が高くなりやすいからです。この時、記憶、映像、音声といった助けを借りて脳内で量子的飛躍を起こし、涙という生理現象を引き起こしているのです。そして、訓練すればこういった助け無しで、量子的飛躍を起こすことが出来るようになります。
量子的飛躍を起こすことが出来るようになると、様々な場面で応用できます。例えば、練習で試合前の緊張感を思い描き高い集中力を発揮したり、反対に試合前に練習を思い描いて過緊張を防いだりすることが出来るでしょう。そこに友達がいなくても、友達に応援してもらうところが鮮明に思い描ければ、実際に応援してもらうのと同じ生理現象を引き起こすことが出来ます。私の場合は一人で練習することが多いので、ペースメーカーを思い描くことがありますが、上手く思い描けるときには架空のペースメーカーにリズムを合わせるだけでいいので、楽に走ることが出来ます。
瞑想テクニックとしては、1.より抽象的なものを、2.より高い臨場感を持って描けるのがより高いテクニックといえます。
より抽象的というのは、一度経験したことを思い描くよりも、類似した経験を思い描く方が抽象度が高くなりますし、他人が経験したものを、自分の経験として思い描く方が(例えば、オリンピックに出たことがない人がオリンピックに出ている自分を思い描く)方が抽象度が高くなります。
具体的な瞑想方法として、飽きずに続けられる音楽を用いた瞑想法があるので次回はそれを紹介します。
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