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LLLTとリンパ浮腫の関係性

 今回はLLLTとリンパ浮腫の関係性について解説をさせて頂きます。


 リンパ浮腫というのはどういうものかということですが、早い話がむくみが取れない状態です。では、そもそもリンパやむくみというのはどのように起こるのでしょうか?


 そこから解説をさせて頂きたいと思います。


 先ずそもそもの基本的な考え方ですが、人間の体というのは様々な物質を循環させながら生命を維持しています。栄養素を運んだり、糖質や酸素などのエネルギーを生み出す材料を運んだり、老廃物を排出したりしています。そして、それらは体液によって運ばれます。


 人間の体の60%から70%は水分だと言われていますが、水ではなく水分であることに着目して下さい。たまに、水と書いてありますが、別に切っても真水は出てこないですよね?


 赤い血が出てきます。そして、血液も体液であり、水分です。だいたいどこを切っても血が出て来ることからもお分かり頂けるように、だいたい人間は血液で栄養素や老廃物を運んでいます。


 しかし、それ以外の体液もあります。例えば、細胞内液といって細胞の中にも液体があり、細胞外液や細胞間質液、組織液と呼ばれる細胞の外側の液体もあり、リンパ液と呼ばれる液体もあります。一番わかりやすい現象で言えば、パンプアップと呼ばれる現象をご存知の方も多いと思います。


 パンプアップというのは筋トレをした後に、一時的に筋肉がむくんで膨れ上がる現象です。中には女性とデートする前に、筋トレをしてパンプアップした状態でデートに行っていつもより筋肉を1割増しくらいに見せて男らしさを見せようとする男性もいるくらい一般的に知れ渡っている現象です。


 しかし、このパンプアップがどういったメカニズムで起こるのかを知っている人はそう多くはありません。筋トレをすると微細な炎症反応が起こり、傷ついた筋細胞を修復しようとして、免疫細胞が細胞内に流れ込みます。つまり、細胞外液が細胞内に流れ込みます。そうすると、筋細胞一つ一つが膨れます。


 一つ一つで見れば大したことはないかもしれませんが、それが積み重なって大きくなると筋肉全体が膨れ上がります。これがパンプアップです。パンプアップと筋肥大を混同している人がいるのですが、筋トレをしてその直後に体が適応するように人間の体は出来ていません。


 パンプアップはあくまでも微細な炎症反応なので、しばらく休めば元に戻ります。筋トレマニアはそんなことは百も承知なのですが、男というのは私も含めて女性とデートする前にはちょっとでも良く見せたいとそんな姑息な手段に出る生き物なのです。女性の方がお化粧するのと同じことです。


 またお酒を飲み過ぎたら次の日は顔がむくんだり、お腹がいつもよりもむくんでいることに気づく人も多いと思います。これも別に体脂肪が増えた訳ではありません。人間の体は一日でそんなに多くの体脂肪を蓄えることは出来ません。では、何かというとお酒によって生じた炎症反応によって、浮腫が生じているのです。浮腫というのはむくみの正式な名称のことです。


 お酒だけではなく、例えばポテトチップスやチョコレートなどの食品添加物を多量に含む食品や植物油で揚げた唐揚げやてんぷらなど体内で炎症反応を引き起こす食品を多量に食べた次の日にはそうなります。


 炎症反応が起きると、いつもよりも多くの免疫細胞が必要となるので、より多くの免疫細胞を流すためにより多くの体液が必要になります。より多くの体液が必要となった結果、そこが大きくなります。そのうちの、熱感、発赤、痛み、機能制限、著しい腫れを伴うものを通常は炎症反応と呼びます。


 しかし、これは厳密に言えば、急性期の炎症反応と呼ばれるもので、それ以外にも低度で慢性的な炎症反応、浮腫と呼ばれる現象が生じます。


 例えば、前者の急性期の炎症反応に関しては、どこかに激しくぶつけた直後なんかはその箇所だけがぼこんと明らかに腫れあがりますよね。この現象は誰しも経験があると思います。


 私は昔少年野球をやっていたのですが、一度相手の四番打者の打った強烈な打球がイレギュラーバウンド(不規則に跳ねて)で味方の三塁手の顔面に直撃したのを見たことがあるのですが、救急車で運ばれて帰ってきたときの顔を見てびっくりしました。本当に顔の形が変わっていました。よく、顔の形が変わるくらい殴られるという表現がありますが、本当に顔の形が変わった人を見たのは人生でその時だけです。


 急性期の炎症反応の場合は、そのくらい著しい変化が生じ、熱や激しい痛みを伴うのも特徴の一つです。


 ですが、長距離走におけるランニング障害に関しては、そこまではっきりと出ることは少ないです。たまに、見ただけで分かるくらいアキレス腱腫れあがっている人も見たことがありますが、普通はそこまでははっきりとは出ないです。


 ただ、例えばシンスプリントの場合であれば、故障している方のふくらはぎが故障していない方の脚よりも一回り大きかったりします。これが浮腫やむくみです。


 私も4年間くらい続いた足底筋膜炎を持っていましたが、その時は故障個所が明らかに大きくなっていました。ただ、たんこぶみたいに触れただけで激しく痛むとかそんな感じではなく、触った程度では痛まないけれど、奥まで押すと痛みがあり、ぶよぶよした塊のような非常に気持ちの悪い感じでした。


 それがある間はずっと痛みが続いていました。自分でもそこで循環が滞っているのは分かっていましたが、マッサージをしたり、超音波を当てて何とか血流を良くしようとしてもなかなか良くなりませんでした。それがLLLTを照射すると、体液が流れていくのが自分でも分かりました。


 一発では治りませんでしたが、何度も何度も照射するうちにどんどんそのしこりが小さくなり、最終的に消えました。今でも触れば若干は残っていますし、疲れてくると痛む時もありますが、目視できるほどのものではなく、私は勝手にもう完全に消えたと思い込んでいます。


 話を体液の方に戻しますが、私達の体はそうやって液体を循環させながら色々な物質のやり取りをすることによって生命を維持しています。


 但し、その中で若干、炎症反応が起きたり、浮腫が生じたり、あとは単純に長時間座り続けたり、立ち仕事をしていたりすると、血液が足先にたまってなかなか心臓に帰ってこずに、むくむという症状が出たりします。


 因みにですが、走るのも割と長時間動き続けますが(立ち続けている)、意外と脚がむくむことはありませんし、寧ろ長時間の立ち仕事で脚がむくんだとか、長時間の座業で脚がむくんだというのが解消されることもあります。


 それは何故かということですが、筋肉のミルキングアクションと呼ばれる動作によるものです。筋肉が動く時、収縮と弛緩を繰り返しています。ミルキングアクションというのは日本語では搾乳動作と言いますが、この収縮と弛緩のくり返しが乳しぼりの際の手の動きの働きをして、血流を勢いよく流します。


 これによって血液循環が良くなって、長時間の立ち仕事で疲れていた脚が走っているうちにほぐれてくるという現象が生じるのです。野球の試合なんかでも実は一番しんどいのはずっと立ちっぱなしの審判であるというような話も聞いたことがあります。嘘か本当かは分かりませんが、ずっと立ちっぱなしよりも歩いた方が楽であることはなんとなく経験からご存知なのではないでしょうか?


 ここまで血液の話を中心にしてきましたが、リンパ液も同じようなものです。では、リンパ液は何を運搬しているのかということですが、主に免疫細胞です。白血球などの免疫細胞を運搬し、ウイルスや細菌などの異物を除去する働きをします。ですから、風邪をひいて病院にいくと先生にリンパ腺を触られて「リンパ腺が腫れてますねー」などと言われる訳です。


 リンパ液と血液は一応繋がっています。毛細血管から血漿という成分が細胞間質液(組織液)に流れ込み、それがリンパ管に流れ込んでリンパ液となります。血液のあの赤色は赤血球の中のヘモグロビンの色なのですが、毛細血管から染み出る液体にはヘモグロビンは含まれていないので、リンパ液の色は無色透明もしくは黄色っぽい色です。


 で、リンパ液は最終的にはもう一度血管に合流し、一応体内をくまなく前進しています。血液とリンパ液の大きな違いとして、血液は心臓のポンプによって全身を勢いよく流れるのに対し、リンパ液は心臓のようなポンプを持たないので、勢いよく全身を流れることが出来ないと言います。


 実際にそうなのですが、その知識だけだと片手落ちです。何故ならば、血液も心臓からは心臓のポンプ力によって勢いよく流れますが、それがいったん足先まで行くとその勢いは失われ、もう一度心臓に戻す際には非常にゆっくりと戻るか、もしくは先述のミルキングアクションによって戻るからです。つまり、歩いたり、走ったりすることでそれがまた心臓の方に帰っていきます。


 ふくらはぎは第二の心臓とも呼ばれる所以はここにあります。リンパ液もミルキングアクションによってまた上まで上がって血管に合流するので、基本的には長時間の立ち仕事などによるむくみは歩いたり、走ったりすることで解消されるのです。


 あるいは単純に寝転んで、足を高くあげることによっても心臓の方に帰ります。なので、私のコーチはよく足を高く上げて寝転んどくようにと言います。


 また積極的休養の基本的な考え方も同様です。一日中寝転がっているよりも軽く運動した方がミルキングアクションによって体液が回るので、疲労が抜けやすいというのが基本的な積極的休養の考え方です。私も積極的休養が好きです。


 ちなみにですが、私はインドア派で走る以外はほとんど外には出ないのですが、中には休みの日は街に出かけてカフェ巡りをしたり、ショッピングをしたり、ウィンドウショッピングをしたり、他のスポーツを楽しむ人もいます。


私はそういう人は走るのは完全休養にするよりも、そういった軽い運動が積極的休養や気分転換になって良いのではないかと思います。


 今東山高校の選手の練習をみていますが、デート含めて遊びに行くのは午後練習しかない日曜日の午前かお昼、もしくは完全休養の月曜日にして欲しいと言ってあります。その理由は今言った通りです。


 普段は二部練習なので、夏休みと言えどもその間に遊びに行くのはやめて欲しいと伝えてあります。そこは体を休めたり勉強をする時間に当てて、逆に完全休養の日に一日中家でゴロゴロしてても疲れが抜けづらかったりするので、気分転換も含めて遊びに行くなら遊びに行っても良いよと、日曜日は午後練習だけですが、軽めの練習なので、早朝練習の代わりに午前中や昼間に遊びに行って、軽く体を動かしてそこから午後練習に入るならそれで良いと思っています。


 遊び相手の予定とか家族の予定とかもあるでしょうし、日曜日はそういう風にしても良いよと言い渡してあります。まっ東山高校も男子校なので、多分洛南高校状態でデートに行くこともあまりないでしょうけど(笑)


 別に、軽く走ってほぐしたい人はそれでも構いません。


 また、先ほど血液を中心とした体液の流れによって栄養素の運搬や老廃物の除去をしているということを言いましたが、高強度なスピード練習の後に低強度なランニングを入れた方が回復が速まるのも同様の理由です。ミルキングアクションに加えて、血流(体内を循環する血液の量)が増えるので乳酸や水素イオンなどの老廃物が除去されやすくなり、疲労の回復が早まるのです。


 疲労の回復とは要するに、恒常性維持機能を高めることです。高強度なスピード練習によって通常以上に乳酸や水素イオンの蓄積量が増えているのが、低強度走や中強度走によって元に戻るのが早まるのです。


 では、リンパ浮腫は何故起こるのかということですが、大体は手術の後や大きなけがのあと、細菌が体内に入って感染症を起こした後などにリンパの循環に不具合が生じて起こるようです。


 血液とリンパ液が違うことは100も承知なのですが、私はあまりはっきりと分けて考える必要はないのではないかと思ったりします。


 医師の方も私のブログを読んで下さったりしているので、もしかしたらお叱りを受けるかもしれませんし、寧ろ間違っていたら是非お叱りを頂きたいのですが、しかし、実際に起きている現象を見ると、様々な理由によって炎症反応が生じるとそこにより多くの体液が流入する、そして、何らかの不具合によってそれが長期にわたって続くことがあるというそれだけのことであり、血液とリンパ液を区別して考える必要があるのかどうかがよく分かりません。


 また、急性期の炎症反応と低度で慢性的な炎症反応の違いも説明させて頂きましたが、急性期の炎症反応の後でそれが予後不良となり、低度で慢性的な炎症反応に変わることもあります。


 実は私も一度だけ経験があるのですが、蜂に刺されて、初めは大きくはれ上がり、激痛がありました。初めは本当に衝撃を与えるだけでひどく痛んだので、走ることも出来ませんでした。接地の衝撃で痛むんです。


 その後、1週間も経つとそのパンパンに腫れていた腫れも激痛も引いたのですが、結局それでも痛みもない、パンパンでもないけれど、その腫れが半年くらい続きました。いわゆる浮腫というやつだと思います。初期のパンパンに腫れあがっている状態ではなく、一応引いてるんですけど、目で見てはっきりわかるくらい膨れている状態が半年くらい続きました。


 痛みもなにもないので別に良かったんですけど、これも浮腫の一種です。


 手術も麻酔をかけるから本人は何ともないかもしれませんが、体にとっては物凄い負担だと思います。体を切り開いてそこに異物を色々入れたり、組織や腫瘍を切除したりするのですから。結局、その時の急性期の炎症反応の予後不良がリンパ浮腫と考えると分かりやすくないでしょうか。


 そんな私の解説はさておき、理論的にはLLLTが浮腫や腫れの改善や除去に効果的なので、リンパ浮腫に関しても効果的であるはずです。ですが、残念ながらその他の障害やケガ、傷と比べるとそれほど多くの研究結果や論文がある訳ではありません。本日はその限られた研究結果を紹介させて頂きたいと思います。


 先ず第一に、メネグッゾらの実験ですが、100匹のオスの実験用ラットに足底にカラギーナンという物質を注射してリンパ浮腫を起こさせます。そして、リンパ節に830nmのLLLTを照射したところ、有意に炎症反応の改善が見られたとのことです。


 オマールらの研究では、乳がんの手術(特に乳房切除)によるリンパ浮腫とLLLTとの関係性を調査しました。全部で230人の患者を対象に8つの研究が実施されたのですが、その全ての研究チームが中度から強度の有用性があると結論づけました。


 中度から強度の有用性ということについて、もう少し詳しく解説をすると、科学とか研究とか実験というのは一般に思われているほど白黒はっきりつけられるものではありません。


 ある実験では明らかな治療効果が見られたけれど、ある実験ではどちらかと言えば改善が見られたけれど、そこまで明らかな効果は見られなかったとか、ある人は物凄く改善されたけれど、ある人はイマイチだったとか、色々あります。それらを総合的に判断して、有意に改善が見られたとか、有意な改善は見られなかったが、今後の更なる研究が期待されるとかの結論をつけていく訳です。


 だから、「科学的に証明された」とかYouTubeとかでもよく言ってますけど、結構あやふやなものであるというのは理解して下さい。あまり「科学的だから正しい」みたいには思わない方が良いです。


 別のスム―トらの研究においては9つの研究チームが同様に乳がんの後のリンパ浮腫によるLLLT治療の効果を調べたところ、やはり中度から強度の有用性が認められ、LLLT無しの治療よりもより多くのリンパ浮腫の改善と痛みの減少が確認されたとのことです。


 またダエ・ヒュン・ヤンらの実験ではねずみのしっぽに生じたリンパ浮腫にLLLTを用いてその効果を試しました。実験群(LLLTを照射する方)とコントロール群(LLLTを照射しない方)に分け、実験群には手術で人為的にリンパ浮腫を生じさせた後、12日間にわたって一日10分間のLLLT照射を実施しました。その結果、実験群で有意にしっぽの太さが細くなり(浮腫の除去)、炎症反応が低下し、リンパ管の新生が確認されたとのことです。


 私がはっきりと「リンパ浮腫とLLLTの関係性について」執筆されている論文を見つけることが出来たのは以上のみです。それ以外はリンパ浮腫とLLLTとの関係性について調べながらも、やっていることはサッカー選手の捻挫からの回復にLLLT照射を用いて実験したり、奥歯を引っこ抜いてそこにLLLTを照射して、腫れや浮腫や痛みの軽減を調べているものでした。


 このあたりからもお分かり頂けると思うのですが、リンパ液は主に免疫細胞を運搬している以上は、様々な炎症反応や痛み、浮腫、腫れに関連しているはずです。リンパ浮腫はむくみと表現されることが多いですが、起きている現象は浮腫、腫れ、炎症などの仲間というかその一部です。


 以上から、私はリンパ浮腫の治療に、LLLTの照射は有効なのだろうと考えますが、ここではオマールその他、スム―トその他の研究による結論を採用させて頂き、中度から強度の有用性が確認されるという結論を採用させて頂きます。


 LLLTはリンパ浮腫だけではなく、様々な故障からの回復、トレーニングからの疲労の回復を早めたり、抜け毛や鬱、睡眠障害などに効果があるという研究がたくさんあります。興味のある方には『詳説LLLT』という小冊子(PDFファイル)を無料でプレゼントさせて頂いておりますので、是非こちらをクリックして問い合わせページに入り、「詳説LLLT」と入力して送信して下さい。

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筆者紹介

​ウェルビーイング株式会社代表取締役

池上秀志

経歴

中学 京都府亀岡市立亀岡中学校

都道府県対抗男子駅伝6区区間賞 自己ベスト3km 8分51秒

 

高校 洛南高校

京都府駅伝3年連続区間賞 チームも優勝

全国高校駅伝3年連続出場 19位 11位 18位

 

大学 京都教育大学

京都インカレ10000m優勝

関西インカレ10000m優勝 ハーフマラソン優勝

西日本インカレ 5000m 2位 10000m 2位

京都選手権 10000m優勝

近畿選手権 10000m優勝

谷川真理ハーフマラソン優勝

グアムハーフマラソン優勝

上尾ハーフマラソン一般の部優勝

 

大学卒業後

実業団4社からの誘いを断り、ドイツ人コーチDieter Hogenの下でトレーニングを続ける。所属は1990年にCoach Hogen、イギリス人マネージャーのキム・マクドナルドらで立ち上げたKimbia Athletics。

 

大阪ロードレース優勝

ハイテクハーフマラソン二連覇

ももクロマニアハーフマラソン2位

グアムマラソン優勝

大阪マラソン2位

 

自己ベスト

ハーフマラソン 63分09秒

30km 1時間31分53秒

マラソン 2時間13分41秒

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