鈴木智仁という男がいる

 今回は防衛大学校、大学生兼国家公務員ランナーで神奈川県選手権3000msc優勝

を目指す鈴木智仁さんのお話です。


 私が彼と初めて出会ったのでは2020年の1月東京で中長距離トレーニングのイロハ

というセミナーを開催した時のことでした。その一ヶ月ほど前の年末には電話で少しお

話をさせて頂いていました。私の彼に対する印象は生真面目さの裏側にある触ると

音を立てて壊れそうなガラスのような繊細さです。いや、逆の表現をした方が良いでし

ょうか。触ると音を立てて壊れそうな繊細さの裏側にある強い意志でしょうか。彼と初

めて出会った時に彷彿としたのは小野田寛郎さんの「覚悟を決めずに生きられるの

は羨ましいことだ。しかし、死を見つめないことで生まで薄くなっていないだろうか」と

いう言葉でした。あくまでも私の印象ですが、初めて鈴木さんに私がお会いした時に

感じたのは満たされた幸せではありませんでした。しかし、そこには捨て身の強さを感

じました。


 そんな彼は2020年の1月からウェルビーイングオンラインスクールの受講生となりま

した。東京のセミナーに来てくださる直前の話です。鈴木さんの通う防衛大学校は将

来の幹部自衛官を育てる学校です。


詳しく知りたい方はこちらの動画をご覧ください。



1日の日程は画像の通りです。




ご覧いただけるとわかると思いますが、鈴木さんが練習時間として確保されている時

間は17:15〜18:30です。その他は、朝と授業のない日に走るそうなのですが、防衛大

学校は一般教養、専門科目に加え防衛学という日本唯一の科目もあり、さらに訓練も

あるため、卒業必要単位数が日本で1番多いので練習時間もかなり限られてきます。

 

そんな時間のない中で練習に取り組んでいる鈴木さんですが、一昨年から私のブロ

グで勉強するようになったそうで、去年の1月からウェルビーイングオンラインスクーク

を受講し、コロナ禍でも地道に練習に励み、かなりの基礎力がつき、週間60〜70km

だったのが週間120〜130km余裕を持って走れるようになりました。ポイント練習も1

月300m×16(3:00/kmペース) 繋ぎ300mjogがやっとだったのが9月には

1000m×5(3:05/kmペース) 繋ぎ400mjogになり、20km走も4:50/kmだったのが

3:50/kmで1人で走れています。


鈴木さん自身も↓のような学びを得たと言っています。



 しかし、残念ながら10月途中で貧血になり、11、12月は練習量が1/3になってしまっ

たことも影響し、一応出てみた12月の3000mの試合では10:25と悔しいシーズンとな

ってしまいました。

10月までの練習から推測するに5000m15分前半はかたく、目標としていた14分台

も出てもおかしくはない調子だったので、体調管理が鈴木さんの今年のポイントだと

思っています。ただ、やってきたこと自体は嘘をつきませんし、力はついていることは

間違いありません。長距離走を考える上で常に鍛えることとレースで結果を出すこと

のバランスが問われます。この二つは基本的には両立し得ないのですが、とりあえず

力をつければあとはピーキングがうまくいけば、出る時に出るでしょう。


 鈴木さんの公式記録のベストは1500m4:27、3000m9:25、5000m16:23、3000sc10:28ですが、鈴木さんは今年の6月に1分以上の自己ベスト9:10台で神奈川選手権3000sc優勝を目標としています。3000scは3000mの持ちタイム+30秒が目安と言われているので3000m8:40台の力が必要です。


 つまり目標達成のためには3000m10:25から半年の間に3000mのタイムを1分戻し

、さらに1分近くベストを更新する実力をつけなければなりません。他の人から見たら

奇跡と言われるかもしれません。


 しかし、鈴木さんが目標達成しても、それは必然だと私は思います。そして鈴木さん

も目標達成できると確信しています。なぜなら確信を持って練習できるような練習計

画をウェルビーイングオンラインスクールから立てることができ、先述したように鈴木

さん自身がやるべきことをコツコツと継続しているからです。


 一度は貧血で全く走れなくなり心が折れ、体重も2ヶ月で5kg増えた鈴木さんでした

が、また一からウェルビーイングオンラインスクールを見直し気持ちを立て直し今年の

6月に向けて練習を1月から始めました。私はこんな鈴木さんが羨ましくて仕方があり

ません。なぜなら鈴木さんには400m52秒というスピードがあるからです。私が大学に

入って関西インカレで5000m,10000m,ハーフマラソンでの3冠という目標を立てた時

、5000mだけは3番にしかなれませんでした。ラストの200mを30秒くらいであがりまし

たが、先頭は28秒、2番手が29秒で上がり、私は蹴落とされました。思い描いていた

通りの展開でした。スピードがないとロングスパートをかけざるを得ません。ロングス

パートをかけた上でラスト200mまで後ろにつかれたら、引き立て役になるのが運命で

す。


 でも鈴木さんは400m52秒のスピードを生かして、縦横無尽の展開ができます。今

年は昨年よりも余裕を持ちながら安定してコツコツと基礎持久に取り組むようにアドバ

イスしましたが、3000m8分半くらいの基礎時久をつけることは400m52秒で走るより

も簡単です。なぜなら、中学生でも速い子は3000m8分半くらいでは走るからです。

去年の一番状態が良かった時のことを考えると、3000m8分台の力はあるでしょう。