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マラソンで結果が出る人と出ない人の二番目に大きな違い

 あなたはもう今年のフルマラソンは終了されましたか?


 良い結果で終わられましたでしょうか?


 それとも無念の涙をこらえておられますでしょうか?


 私は過去6年間で数百人の市民ランナーさんの練習計画を数か月から数年単位で分析させて頂いてきました。


 上手くいく人と上手くいかない人の一番の違いは何か?


 それは先日よりお伝えさせて頂いておりますピーキングです。


 では、二番目は何か?


 二番目は何かと言いますと疲労です。


 このように書きますと、「あ~、そうだよね~、レース当日に疲労が残っていると自分が持っている力を発揮できないもんね~」と思われる方が多いかもしれませんが、私が申し上げている疲労とはそれではありません。


 私が申し上げているのは練習をやっても、疲労から適切に回復をしなければ、トレーニング効果は得られない、つまり、やったことが文字通り無駄になるというお話をさせて頂いているのです。


 トレーニングをすると体は疲労する、この疲労から適切に回復することによって適応反応が生じて走力が向上する、これを超回復の原理と言います。


 そうすると、またこのように思われる方がいらっしゃるでしょう。


「あっ!知ってる知ってる!一度体に負荷をかけたら48時間から72時間の休息を挟むことによって、体力が向上するっていうあれでしょ?ちゃんと、高負荷な練習をしたら、2,3日はジョグで繋いでいるから大丈夫!」と。


 その考え方、間違っています。超回復とは一度負荷をかけたらそのあと48時間から72時間の休息を挟むことで生ずる現象ではありません。


正確には、ある実験においてレジスタンストレーニングをした後に48時間から72時間の休息を挟むことを繰り返すというプロトコルを繰り返すことによって、超回復の現象が確認されたということです。


 申し上げていることお分かり頂けますでしょうか?


 超回復の原理とは体に負荷を与えて、そこから適切に回復することによってその刺激に対して体が適応するという現象のことを指します。どんな種類のどんな負荷の強さの刺激を与えても、最終的に体が回復すれば、それできちんと適応反応は生じます。


 それは数日単位で生ずる現象かもしれないし、数週間単位で生ずる現象かもしれないし、場合によっては数か月単位で生ずる場合もあるでしょう。


 そして、あくまでもそのほんの一例としてレジスタンストレーニング(論文にレジスタンストレーニングと出てくる場合は大抵は筋トレ)を行い、その後48-72時間の休息を挟むというプロトコルで超回復という原理が確認されたということです。


 もうちょっと、市民ランナーさんにも分かりやすい例を出しましょう。


 今まで全く走っていなかった人が30分のジョギングを1回やって、そのあと48時間から72時間の休息を挟めば多少走力は向上しますよね?


 もうちょっと、一般的な書き方をすると、週の真ん中と週末に1回ずつ30分のジョギングをすれば、何もやっていない時よりは走力が向上しますよね?


 これで超回復の原理は確認できるのです。この練習内容で超回復の原理が確認できたからといって、週に2回の練習が絶対的に正しい訳ではないですよね?


 それと同じ話です。


 話を元に戻しますが、私が申し上げているのはレース当日に疲労を抱え込んでしまって結果が出せなかったというよりも、練習の負荷が高すぎるか、回復の質が低すぎるのかのどちらかで練習はやっているのにも関わらず、超回復が生じなかった、つまりトレーニング刺激に対して体が適応しなかったというのが理由の第二位です。


 ちなみに、この理由の第二位はピーキングともかなり密接な関連のある話です。何故ならば、ピーキングファネルを正しく設計することによって、トレーニングをしているにも関わらず、体が適切に回復しないというリスクを最小限に減らすことが出来るからです。


 ですから、やはりピーキングが第一の要因であることに変わりはないのですが、本日はピーキングと疲労という概念を一度分けて考えてみたいと思います。


疲労とは何か?

 疲労とは何か、これを考えたことはありますでしょうか?


 実はこれは考えれば考えるほど、難しい概念なんです。


 例えばですが、のどが渇いたというのは体の水分量が減少しているということです。


 お腹が空いたというのは体内の燃料が不足している状態です。


 水が不足していれば水を入れれば良い、燃料が不足していれば燃料を入れれば良い、じゃあ疲れていたら何をすれば良いのでしょうか?


 疲れているというのは何が不足しているのでしょうか?


 これ考えてみると分からないことなんです。少なくとも、人間の体を機械と同じように捉えている限りは。


 昔の科学者たちは人間の体を機械のように考えておりました。昔の科学者は乱暴なもので、何を食べても結局は燃料として使われるから何食べようが、「カロリー」という一つの概念で食べ物を評価できると、こういう具合に考えていたんです。


 それは同時に、人間の体というのはガソリンが減ればガソリンを継ぎ足せば良いというのと同じ考え方でもあるんです。


 そして、研究者たちはそれを確かめるべく、実験をしてみました。人間が食べた食べ物は体内でどうなるのか、追跡してみたんです。


 もしも、人間の体が機械と同じように出来ているのであれば、食べたものの大半が燃料として使われ、残りかすが糞尿として排出されるはずです。


 ところが、そうはならなかったのです。食べたものの多くが体内に残ったのです。一体何故か?


動的平衡

 疲労とは何か、疲労とは何かを理解する前に、生命現象、我々のこの五尺の体はどのようにして維持されているのかということを知らなければなりません。これが分かれば、自然と疲労とは何で、疲労から回復するのかということがお分かり頂けるようになります。


 先ず第一にですが、この世界にはエントロピー増大則というものがあります。エントロピー増大則というのは力を加えなければ全ての物質は複雑から単純へ、整合から不整合へと移行していくという現象です。


 例えばですが、我々の体は様々な無数の原子の集合体です。つまり、非常に複雑で整合性のある形をしているのです。力を加えなければ、これが単純へ、そして不整合へと移行していくのです。


 つまり、原子の集合体から原子一つ一つへと分解をされていく訳です。これを止めるためには体内で常に物質を合成しなければなりません。我々の体内では常に、物質が合成され、そしてこの五尺の体が維持されているのです。


 我々は一見常に同じ物質=肉体を維持しているように見えますが、実際には常に変わりながら、変化しながら一つの形というものを維持しているのです。常に、体内では物質が分解され、また合成し、ということを繰り返しているのです。


 そして、このことがある利便性を生みました。それが環境に対する適応です。物質は常に一定ではなくて、常に入れ替わっている訳です。であれば、その入れ替わる時に少しモデルチェンジをすることも可能な訳です。


 我々が使っている道具、例えばシューズというものはシューズそのものが持ち主に合わせて変化してくれることはありませんね?


 ところが、我々の肉体の方は使っているシューズに合わせて変化をすることが出来ます。


 よく、自分に合うシューズを探して、永遠に旅をしている人がいますが、最終的には一つのシューズを使い続けることでしか、自分に合うシューズは見つかりません。


 何故ならば、実はシューズが自分に合うのではなくて、自分の運動神経がそのシューズに合わせていくからです。自分に合うシューズを探して、あれやこれやと新しいシューズばかり試している人は、永遠に自分の運動神経が一つのシューズに対して調律されないので、本当に自分に合うシューズが見つからないのです。


 人間関係もランニングシューズも浮気性の人は永遠に心の平穏が得られないということです。


 話を元に戻しますが、人間の体内では物質が分解され、合成するまさにその時にちょっと自分が生きている環境に適した物質に作り替えておいてくれるのです。これが刺激に対して体が適応する反応の正体です。


 しかし、人間は強い負荷がかかると物質の合成を止めるのです。それは何故かと言いますと、物質の合成にはエネルギーが必要だからです。強い負荷がかかると、先ずはその強い負荷に対処しなければならないので、一時的に合成の方を止めるのです。


 つまり、トレーニング中には物質の合成が止まるということです。合成が止まる上に、負荷によって体内の物質の分解は促進されます。


 このように書くと、物凄く体に悪いことのように思われるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。


 先ず第一に、先述の通り、刺激を与えないと物質を合成する時に新しい能力を獲得する反応が生じません。基本的には現状維持で生きていける訳ですから(なぜなら、これまでそのようにして生きてきて、今日の自分があるから)、刺激を与えるからこそ望ましい体の変化が生ずる訳です。


 第二に、人間というのはどちらにしても物質を分解しながら合成することでこの五尺の体を維持しております。つまり、古い物質は早く分解してしまわないとそれはそれで困るんです。古い物質が分解されるからこそ、新しい物質を合成することが出来るのです。古い建物が建っている場合は先ずは一度それを解体してしまわないと新しい建物が建てられないのと同じ現象です。


 古い物質が分解され、新しい物質が合成される、これが世間でいうところの新陳代謝が活発になるという現象なのです。


 ですから、負荷がかかって物質の合成作用が止まり、分解作用が促進されること自体は必ずしも悪いことではありません。ただし、物質の合成作用と分解作用の両者の間で調和が取れていなければならないのです。この調和が取れていないと物質を分解するだけ分解して、合成がなされないということになります。


 要するに、体を破壊するだけ破壊して、それを修復するということをしない訳です。


疲労の促進と疲労の遅延

 生きている限りは物質の合成作用が止まることはありません。もしも、それが止まればエントロピー増大則に抗えませんから死ぬことになります。ですから、生きている限りは物質の合成作用は止まらないのです。


 しかし、くり返しになりますが、分解速度と合成作用のどちらの方が速いのか、これが重要な点になります。


 おそらく、トレーニングをやればやるほど速くなると思っている人は、レースの結果が全てになってしまうでしょう。つまり、3時間半切りが目標で3時間40分でしか走れなかったら、あと10分分の練習が足らなかったという発想になるでしょう。


 しかし、現実にはそうとは限りません。単純に、10分分の物質の合成作用が足らなかった可能性もあるのです。


 そして、この時に一番重要なのは分解速度と合成作用の比率なのです。分解速度が少しでも上回れば、体はトレーニング刺激に対して適応しないどころか、故障や走力低下の原因になります。


 わずかでも分解速度が合成速度を上回れば、走力は低下していくのです。もちろん、短期的に見れば問題はないでしょう。しかし、時間の経過とともにその問題は大きくなっていきます。


 これはお金で考えると分かりやすいです。収入が手取りで30万円ある人であれば、月々の出費が15万円から20万円に増えてもなんの問題もありません。20万円から25万円に増えても何の問題もありません。25万円が30万円に増えてもまだ問題ありません。


 ところが、30万円が31万円になった瞬間に問題が生じます。それが、32万円、35万円、38万円と増えていくと指数関数的に問題が大きくなります。


 あるいは、1か月だけなら問題ないですが、2か月、3か月、4か月と時間が経過するにつれて問題が大きくなります。


 体もこれと同じ仕組みで動いています。ですから、多くの人の話を聞いていると非常に短期的な目線で問題を解決しようとしている人が多いのですが、だいたい問題は中長期的に生じています。ただし、本人はそれに気づいていないのです。


 では、物質の合成作用を促進するにはどうすれば良いのでしょうか?


 一番良いのは中強度中量を段階的に増やしていくことです。つまり、自分にとって問題のない総走行距離を増やすとともに、中強度の持久走の速度を段階的に上げていくことです。


 いわゆる基礎体力の向上です。これをすることによって、体内で生み出されるエネルギー量が増えます。体内で生み出されるエネルギー量が増えると、物質の合成作用が促進されます。これによって体の回復が速くなります。


 私の講義の受講生様が40歳を過ぎてから、あるいは50歳を過ぎてから、場合によっては60歳を過ぎてから、体の回復が20代の頃よりも速くなったとおっしゃっているのはこういうことです。


 特に、20代を持久系スポーツをせずに過ごした人はそうでしょう。当たり前の話です。


 次に、最も物質の合成作用を促進するのは睡眠です。質の高い睡眠をたくさんとること、これが一番です。文字通り、寝ることで走力は向上します。もちろん、仕事しながら走っているので睡眠時間の確保が難しいのは重々承知しております。私も難しいです。


 ただ、少なくとも睡眠の不足がないようには留意するのと、出来る時に30分程度の昼寝をすると良いです。また、寝られるときに長く寝ることも大切なことでしょう。古来より「寝る子は育つ」と言いますが、子供だけではなく大人もそうなのです。


 次に、重要なのが食事です。食事と言っても特別な何かが必要な訳ではありません。穀物を中心に必要な燃料源を蓄えることと、色とりどりの野菜や果物を摂取することが大切です。何故、色とりどりの野菜や果物が重要かと言いますと、野菜や果物の色素が物質の分解作用から体を守ってくれ、同時に合成作用を促進するからです。


 果物なんか高いですから、なかなか買えないかもしれませんが、栄養素から言えば、高級な肉よりも果物の方が栄養価は高いですから、是非こちらにお金を使われてください。


 それから、三型池上機の使用です。三型池上機は外から電磁気の力を体内に注入してくれます。これによって、体内で生み出されるエネルギー量が増し、物質の合成作用が促進されることになります。


 以上が三大疲労回復法ですが、これ以外にもセルフマッサージ、マッサージ、鍼灸治療、温浴、交代浴、酸素カプセル、などなど様々な回復方法がありますから、試せるものは試すと良いと思います。


 また、疲労の回復を妨げないということも非常に大切です。


 例えばですが、冷えると血流が悪くなります。血流が悪くなると栄養素が行き渡らず、また老廃物も流されず、つまりは物質の合成作用が抑制されるのです。私は特に冷え性ですから、巻き脚絆を日常生活ではしています。これで随分血流が良くなり、ひざ下の筋肉の状態が良いです。


 また、体に悪いもの(化学調味料、化学保存料、乳化剤、アルコール、煙草、薬、安物の肉類、ショートニング、マーガリン、水銀、農薬)の摂取を避けたり、睡眠直前のスマホやパソコンやテレビの使用を避けたりすることも非常に大切です。


 また、物質の合成作用をつかさどっているのが自律神経ですが、神経系統は人間の思考や精神の影響を非常に強く受けます。


 後ろ向きなこと、嫌なこと、辛いこと、恵まれていないこと、不平不満、愚痴に意識を向ければ向けるほど、体内の合成作用は抑制されます。


 一方で、楽しいこと、誇らしいこと、嬉しいこと、気持ち良いこと、わくわくすること、恵まれていることに意識を向ければ向けるほど体内の合成作用は促進されます。


 何も難しいことではありません。


「今日も生きている、有難い」


「今日も食べるものがある、有難い」


「今日も青空が綺麗だ、気持ちが良い」


「今日は雨だ、風情がある、美しい」


「今日は雪だ、いとおかし」


「今日は暑い、おかげで冷えたラムネがおいしい」


「今日も走れる、有難い」


「今日も目覚めた、有難い」


「今日もよく寝て元気いっぱいだ、有難い」


「今日も良い練習が出来た、嬉しい」


 静かに、しかししみじみとかみしめるように心の中で思う、それだけで良いのです。それだけで合成作用は促進されます。


 噓か真か、疑われる方はとにかく両極端を試されると良いでしょう。上記の正反対を心の中で思い続けてみてください。なんとなく体調が悪くなるどころか、長距離走、マラソン、人間関係、仕事、お金、ありとあらゆるところで不運に見舞われることになるでしょう。


 お互い天から授かったたった1つの人生、幸福に生きたいか、不幸に生きたいか、決めるのはあなたのご自由ですから、どうぞお好きな方を選ばれてください。


 ちなみに、一番お金がかからなくて手っ取り早いのはお笑いをみることでしょう。冗談抜きで、笑いは体の回復を促進させます。セルフマッサージが面倒くさい人でもユーチューブでお笑いを観るくらいは出来るでしょう。それだけでも、体の回復は速くなりますから、ご自身でご自身の思考や精神を上手く統御出来ない方は、とにかく気持ちが消極的な方に流れたら、お笑いを観てください。


 今回の記事があなたのお役に立てますと幸いです。


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筆者紹介

​ウェルビーイング株式会社代表取締役

池上秀志

経歴

中学 京都府亀岡市立亀岡中学校

都道府県対抗男子駅伝6区区間賞 自己ベスト3km 8分51秒

 

高校 洛南高校

京都府駅伝3年連続区間賞 チームも優勝

全国高校駅伝3年連続出場 19位 11位 18位

 

大学 京都教育大学

京都インカレ10000m優勝

関西インカレ10000m優勝 ハーフマラソン優勝

西日本インカレ 5000m 2位 10000m 2位

京都選手権 10000m優勝

近畿選手権 10000m優勝

谷川真理ハーフマラソン優勝

グアムハーフマラソン優勝

上尾ハーフマラソン一般の部優勝

 

大学卒業後

実業団4社からの誘いを断り、ドイツ人コーチDieter Hogenの下でトレーニングを続ける。所属は1990年にCoach Hogen、イギリス人マネージャーのキム・マクドナルドらで立ち上げたKimbia Athletics。

 

大阪ロードレース優勝

ハイテクハーフマラソン二連覇

ももクロマニアハーフマラソン2位

グアムマラソン優勝

大阪マラソン2位

 

自己ベスト

ハーフマラソン 63分09秒

30km 1時間31分53秒

マラソン 2時間13分41秒

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ウェルビーイング株式会社
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電話番号 080-6125-8417
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