突然ですが、あなたはシューズを大切にしたいと思っておられますか?
今回はシューズを大切にしたいという方の為の記事です。
昔から日本刀は切りはせねども武士の誇りとか、刀は侍の命なんて言う言葉があり、今でもプロ野球選手なんかは非常に道具を大切にする選手が多いです。例えば、名手と呼ばれるような人は丁寧にグリースやオイルを使って手入れをし、修理を繰り返しながら10年以上一つのグラブを使い続けたりもします。
しかしながら、悲しいかな世の中には消耗品と繰り返し使えるものの二つがあります。シューズは明らかに消耗品で、これだけ技術が発達してもどうしても1000キロ前後で買い替えないといけません。レース用のシューズは特に耐久性がなく、機能性に全振りしているのでせいぜい300キロ程度しかもちません。
それでも、丁寧に保管すれば、長持ちします。今回はシューズを長持ちさせる方法をお伝えさせて頂きます。
そもそもシューズが消耗するとはどういう状態か?
これは逆の方面から考えると分かりやすいのですが、そもそもシューズは何故買い替えなければいけないのでしょうか?
一番の理由は、その人の癖によってシューズの一部分が他の箇所に比べて擦り減ってしまい、真っすぐつくことも真っすぐ蹴ることも出来なくなってしまうからです。例えばですが、私の場合はアウトソールの踵の外側の部分が一番早く擦り減ります。シューズのインソールに関して言えば、母指球の部分が真っ先にへこんできます。
そうすると、古いシューズを履いていると、接地の際には外側に傾き、地面を蹴る時には内側に傾くことになります。真っすぐ地面につけないし、真っすぐ地面を蹴れないということは何センチかはストライドが短くなります。通常よりもねじれが大きくなるので、コンマ何秒か接地時間が長くなります。そして、通常よりもねじれが大きくなるということは故障のリスクが大きくなります。
古いシューズを履いていると適切な技術を体に覚えさせることも出来ないし、故障のリスクも高くなるというダブルパンチになるのです。これがシューズを買い替えなければならない一番の理由です。
次に二つ目の理由ですが、実は目に見えるような破損がなかったとしてもシューズのクッション性や反発がなくなってきてしまいます。最近はいわゆる厚底シューズが誕生して、反発、反発と言われますが、いわゆる厚底シューズではなくても、ランニングシューズはそれなりに反発があります。しなると言った方が適切かもしれません。
また、接地の衝撃を吸収するクッション性があります。これがランニングシューズの大きな特徴と言えると思います。他のスポーツをされている方はお分かり頂けると思いますが、ランニングシューズというのは非常に構造がぜい弱で野球のようにスライディングをした際に足を保護してくれるとか、サッカーやバスケットのように急ブレーキや急なターンに対応したりとかすることは出来ません。
その代わり、軽くて、軽い割にクッション性があって、前方方向への推進力を生み出しやすい構造になっています。ところが、長く履き続けているとクッション性がなくなり、前方方向への推進力も弱くなります。これを俗語でへたると言います。そろそろ買い時になってきたら、「靴がへたってきた」と言ったりします。
ちなみに、例外なくレースシューズはへたるのが早いです。もともとの反発が大きめだというのもありますが、やはりへたるのが速いです。せいぜい200キロくらいが一番良い時です。ヴェイパーフライだと100キロくらいでもうへたってきます。人によっては、若干へたった方が使いやすいという人もいて、それでもせいぜい150キロから200キロが上限でしょう。
ところが、大切に保管するとこのへたる時期を遅らせることが出来ます。
二足ローテーションだと長持ちするのは何故?
ここで更に質問ですが、シューズを二足ローテーションにすると長持ちするという話を聞いたことはないでしょうか?
例えば、一か月に一足履きつぶすとすると二か月で二足です。ところが、初めから二足買って二足を交互に履き続けたら、二足で2カ月半とか3か月持つようになるんです。初めこの話を靴職人の三村仁司さんから聞いた時に、「どうしてですか?」と聞いたんです。三村さんは高橋尚子さんや瀬古利彦さん、最近で言えば松田瑞生さんら名選手のシューズと作り続けてこられた方です。
そしたら、「そらシューズも休ませたらな可哀そうやないか」としか教えてもらえませんでした。
仕方がないから、自分で考えた訳なんですが、どうも乾燥させると長持ちするということが分かりました。一回使ったら、シューズは汗で湿気を含みます。それをしっかりと乾かしてから使った方がシューズがへたらなくなるんです。ですから、使い終わったシューズをそのまま扉のついている下駄箱(靴箱?)に収納することはご法度です。
外に干しておくのが一番ですが、外に干せない場合もあると思います。そういう時は、室内でも構わないので、閉じられた空間に入れないことが重要です。幸いにも我が家のは下駄箱というよりは靴棚という感じの構造で、扉がないので助かっています。
ただ、それだけでも実はダメなんです。何故なら日本は年間を通して湿度が70%前後あるからです。冬場は暖房を入れたりして、逆に乾燥しているかもしれませんが、それでも40-50%はありますし、普通は暖房の風にシューズを直接当てるということもしないでしょう。第一、家族からの苦情が来てしまいます。
そんな時に、私がユーチューブで元プロ野球選手で三度の三冠王を獲得された落合博満さんの話をぼーっと聞いてたら、木製バットも湿気に弱いのでジュラルミンケースにシリカゲルという乾燥剤を入れて保管していたという話を聞きました。それを聞いて、それだ!とひらめきました。
早速私はアマゾンでジュラルミンのケースとシリカゲルを購入して、シューズをそこに入れました。この方法だと湿度は20%くらいまで下がるそうです。
結果はというとビンゴでした。先ず第一に、湿気を含んでいる状態とカラカラに乾燥させた状態では重さが10-20グラム変わります。たかが、10-20グラムと思われるかもしれませんが、シューズを購入するときどうですか?
このたかが10-20グラムを気にしてシューズを買っていませんか?
実際に15グラム変わると履いている感覚は変わります。
また、カラカラに乾燥させたシューズをはしなります。要は推進力が増します。また、クッション性もある程度は回復します。古くなったシューズもこの保管方法である程度は回復することが分かりました。
特に私が履いているソーティマジックというレースシューズは薄いのでしなりが物凄くよく分かります。もちろん、それでも消耗はするのですが、最後まで良い状態をキープできる感覚が物凄くあります。
また、副産物として移動の時などにジュラルミンケースに入れておくと、いわゆる型崩れを防ぐことが出来ます。シューズの機能性が落ちる一つの原因として、シューズの形が変わってしまうことがあります。保管方法が悪かったり、カバンの中に入れて、何かの重みで圧がかかったりすると靴の形状が変わることがあります。特に踵の部分はそうです。
サンダルと靴の違いを考えてもらうと分かりやすいと思うのですが、靴は踵の部分があるからこそ、フィットして脱げないのです。あそこが当たり過ぎても痛みが出るし、ゆるゆる過ぎても痛みが出るし、何よりも形がしっかりとしているからこそ、体重が前に乗りこんだ時に靴の後ろの部分が前についてきてくれるのです。
ですから、型崩れを起こさないように保管することも大切なのですが、そうは言ってもカバンの中に入れていると大切に保管しているようでも起こってしまいます。合宿のカバンに入れる時とか特にそうですね。そんな時にジュラルミンのケースに入れておけば、型崩れを起こさなくて済むので移動の際にも便利です。
密閉空間が作れて、そこに乾燥材が入れられれば多分なんでも良いのですが、下に私が使っているジュラルミンのケースと乾燥剤を貼らせて頂きます。どちらもアマゾンでご購入いただけます。
それでは素敵な夜になりますように
ウェルビーイング株式会社代表取締役
池上秀志
追伸
先日またスポンサーのバランス治療院様よりサッカニーのシューズを二足ご提供いただきました。バランス治療院の院長西村徳啓様は朝の3時台、4時台に起きて走ることもあるほど、ランニング好きで、今サブ3を目標に一生懸命練習に取り組まれております。
ランナーの気持ちをこれほど分かって下さる方も他にそうはいないので、東京近辺にお住まいのランナーさんは是非一度こちらをクリックして、ウェブサイトを確認してみて下さい。東西線沿いにお住まいの方は特にアクセス良いです。
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