長距離走・マラソンが速くなるためのたった3つのポイント

最終更新: 4月29日

 こんにちは、ウェルビーイング池上です。今回は長距離・マラソンが速くなるためのたった3つのポイントについて解説させて下さい。今回は長距離走(主に5000m以上の距離)

やマラソンが速くなるためのたった3つのポイントについて書かせて頂きます。今から書く3つのポイント以外のことについて言及している人がいれば、それは全て間違いだと思っていただいて結構です。長距離走やマラソンが速くなるためには3つのポイントしかありません。


 本題に入るためにあなたに一つ考えて頂きたいことがあるのですが、逆に考えた時に長距離走やマラソンで最も辛いことはなんでしょうか?続きを読み進める前にこれについて考えてみて下さい。





 答えは出ましたか?私にとってこの答えはものすごく単純です。それは努力に見合った結果が出ない時です。努力していないのであれば、結果が出なくても当たり前です。世の中にはリスクのないリターンなんてありえません。起業のリスクは負いたくないけど、仕事で自己実現がしたいとか、フラれるのは嫌だけど女性にモテたいとか、有名にはなりたいけど、つきまとわれたくないとか、そんな相反する願いは絶対に叶いません。指導者だって「結果が出るなら努力します」という、計算高い奴よりも、「とにかくなんでもするから結果が出る方法を教えて下さい」というひたむきな選手にかけてみようとするでしょう。そこまでは良いんです。努力はしたくないけど、結果は出したいと私が思っているなら、「出直してこい」と言われても仕方ありません。でも、努力してるのにそれに見合った結果が出ないことがあるんです。これほど辛いことはありません。


 マラソンが甘い世界でないことくらいは分かっています。自分の当たり前の基準をどんどん上げて、努力のレベルも上げていかないと、自分のレベルもどんどん上がっていきません。これも分かってます。


 でも現実には努力すればするほど、結果が出なくなることがあるんです。休みの日も練習していたのに、あの時、遊んでたあいつに完膚なきまでに叩き潰されることもあります。あなたもそんな経験がないでしょうか?努力すればしただけ、結果が出ているというのであれば、あなたは私よりも長距離走・マラソンについてよく理解しているか、素質があるのでしょう。今すぐこのページを閉じていただいて構いません。


 でもほとんどの人は努力すればするほど泥沼にはまった経験があるのではないでしょうか?私自身は何度もあります。


 最も辛い思いをしたのは高校二年生の時です。高校入学して一年目に5000mで14分43秒、全国高校駅伝の4区で8.0875kmを24分19秒で区間12位とまずまずの滑り出しをした私でしたが、全国高校駅伝が終わってすぐにおかしくなりました。高校に入って一年目の私は夏場に、20km走に何度も取り組み、鳥取中央育英高校の300mトラックを一人で黙々と107周したこともあります。この日は朝練習と合わせて1日に50km近く走りました。今から思えば、15歳のやる練習じゃありません。狂気の沙汰でしかないです。これは誰かからやれと言われてやった訳ではありません。自分でやってみようと思ってやった練習です。これはまたブログに書いてみようと思いますが、由良育英高校(鳥取中央育英高校の前身)をインターハイ総合優勝三回、全国高校駅伝準優勝に導いた横山隆義先生や報徳学園高校を三連覇を含む6回の優勝に導いた鶴谷邦弘先生の話を聞いて、全身にエネルギーがみなぎり、自分でやってみようと思って勝手にやったことです。


9月に入ってからは、駅伝シーズンに向けて疲労を抜きながら、スピード練習に重点を置いていかないと駅伝メンバーには入れないことは15歳の私でも理解していました。そこで、9月から全国高校駅伝が終わるまでは私も大人しくしていました。それで、結果もそこそこ出ました。ここで私は勘違いしてしまいました。自分なりの成功パターンができたと思い込んでしまったのです。要するに、走りこむ時期に走りこんで、あとは疲労を抜きながらスピード練習に重点を置いていけば結果が出ると思い込んでしまったんです。


 9月から全国高校駅伝まで走り込めなかったことや、全国高校駅伝が終わってすぐに合宿に入ったこともあって、私はまたすぐに走り込みに取り組みました。都道府県対抗男子駅伝のメンバーに入っていたにもかかわらず、私は20kmを超える走り込みをバンバン入れました。当然、朝練習と合わせると1日に30kmを超えるのは普通でした。当時の私は16歳です。ここから私は完全に負のスパイラルに陥りました。故障と慢性的な疲労が抜けずに、都道府県対抗男子駅伝も走れず、次のシーズンのインターハイ路線も補欠、さすがに私も焦りました。当時好きだった女の子が長距離で大活躍していたこともあって余計に自分が惨めになりました。


 とはいえ、二年目の夏合宿を故障もなく乗り切れた私は、駅伝シーズンに向けて燃えていました。今から思えばこれがまた問題だったのですが、この二年目の夏合宿では誰よりも走り込みました。先生の前で走ると止められるから、休みの日もこっそりと一人で山の中の起伏のあるコースを走り込みました。「よし、去年と同じパターンで9月から練習を落としてスピード練習に重点を置いていけば走れる」私はこう思いました。


 ところが、9月に入って私が叩き出したタイムは5000mで16分32秒という今も燦然と輝く人生のワースト記録です。10月に入って気温が下がってきて、普通なら疲労が抜けて走れてくるところですが、10月に入っても15分32秒もかかっていました。今の私ならハンディで先に35km走ってても勝てます。レースが終わって顧問の中島先生のところに行くと目も合わせずに「疲労がボンボンボンか・・・」とポツリと言われただけだったことを覚えています。もはや先生もかける言葉がなかったのでしょう。家に帰って父親がつけたテレビから流れてくる坂本九さんの「上を向いて歩こう」がなんとも虚しく耳に響きました。


 インターハイ路線では補欠でしたが、私は京都ユース、そしてこの15分32秒もかかった京都ジュニアでも使って頂いていました。こういったレースでは一校2名から3名と出られる人数が非常に限られています。母校の洛南高校は強い選手がひしめき合い、レギュラー争いも非常に熾烈です。これだけをテーマにユーチューブで30分も喋ってるくらいなので、興味のある方は下記のURLからみてみてください。

https://youtu.be/N71XXuvZ_Dg


 こんな状況でも使って頂いているのに、結果が出せない私は消えてしまいたいくらい情けなく、先生にも、試合に出られなかった選手にも申し訳なかったです。まるで軽犯罪でも犯してしまったかのような罪悪感がありました。そして、更に1週間後のきたろうカップ駅伝でもCチームの1区でエントリーして頂いていました。


 幸いそこからの1週間で疲労が抜け始め、1区10キロを30分39秒で走り、滑り込みで京都府駅伝のメンバーに入り、4区でも区間賞を獲って、全区間区間賞での完全優勝の一員になることができました。我慢して使って頂いた先生には感謝の気持ちで今もいっぱいです。


 話を元に戻しますが、あなたもこんな辛い経験をしたことがないでしょうか?努力してないから結果が出ないのは仕方ありませんが、努力すればするほど、結果が出るわけでもない、それどころかかえって遅くなってしまうことが多々あります。



 これは日常生活でも同じことが言えます。全ての競技者が練習とともに日常生活の節制をしているでしょう。ただ、これも正しい知識がないと苦しいだけで、結果に繋がりません。ほんの一例を挙げれば、盲目的なカロリー制限がそれにあたるでしょう。正しい知識のない減量は苦しいだけで、決して結果には繋がりません。更に言えば、一般の方の減量とランナーが結果を出すための減量のやり方は少し違います。この辺りも正しい知識が求められます。


 さて、私が競技生活を通じて犯した失敗は、実は上記に挙げたのがほんの一例です。更にたくさんの失敗をしながら、徐々に成長してきたわけですが、ここでは私を含めて多くの人がしている一般的な過ちを列挙してみたいと思います。


1つ目の過ち=練習が少なすぎる

 やればやるほど結果が出るようなスポーツでもありませんが、やはり練習量が少なすぎても結果が出ません。少ない走行距離で結果を出すのが効率が良いみたいに思っている人も多いですが、それは間違いです。むしろ、かえって効率が悪いです。なぜかと言えば、少ない練習量で結果を出そうと思えば、インターバルやタイムトライアル系の練習をガンガンすることになりますが、普段あまり走っていないのにそんな高強度な練習をすれば疲れやすく、故障のリスクも高く、何よりもきついです。ある程度走っていた方が、疲労は残りにくくまた練習も積み重ねていけるので楽に速くなれるんです。帰省の時にちょっと実家の手伝いで農作業する若者は次の日全身筋肉痛ですが、毎日やってる爺さん、婆さんは平気でやります。それと同じことです。毎日やるとかえって楽ということもあるのです。

 また、ランニング以外でのトレーニングをたくさん入れて速くなろうとする人もいますが、ランニングのためのベストなトレーニングはランニングです。


2つ目の過ち=練習の負荷が高すぎる

 先述したように、練習が多すぎると故障のリスクだけでなく、オーバートレーニングのリスクも高くなります。オーバートレーニングというのは病気や貧血などの病的な症状がないにもかかわらず、練習すればするほど走力が落ちてしまうことです。練習をやりすぎるというのは必ずしも量が多すぎるとは限りません。質が高すぎるケースもこれに該当します。


3つ目の過ち=練習の量が多すぎる

 これは練習の量だけが多くて、質が低すぎる練習です。リディアードの本を読んでいる人はこの過ちを犯しがちです。私もかつてはこの一人でした。


4つ目の過ち=練習の質が高すぎる

 これは練習量に対して、練習の質があまりにも高すぎる人がこれに該当します。スピード、スピードと言われますが、厳密に言えば記録が出ないのはスタミナ不足です。私はハーフマラソンならキロ3で押せますが、マラソンとなると2時間6分で走る力はまだないでしょう。それは持久力がないからです。5000mも同じです。1000mなら2分半くらいで行けますが、5000mで12分台が出せないのは厳密に言えば、持久力がないからです。


5つ目の過ち=基礎練習ばかりしている

 これも今から思えば高校時代の私の過ちです。高校駅伝は長くても10kmです。それなのに遅いペースでの走り込みばかりしていました。もちろん、流しなどはしていましたから、純粋な意味でのスピードが落ちるということはありません。ただ、流しやキロ4前後の走り込みなどの基礎練習だけではレースでは結果を出すのは難しいです。


6つ目の過ち=実戦的な練習ばっかりしている

 これも私はかつて経験したことがあります。大学一年目のハーフマラソンに向けて準備している時、『冬の喝采』という経済小説家の黒木亮さんの私小説を参考に練習計画を立てました。黒木さんの本名は金山で、瀬古利彦さんと箱根駅伝を走り、中村清先生の薫陶を受けています。私も当時の早稲田大学の練習を参考に一人で20キロのタイムトライアルをバンバンやりました。ところが、一人で20キロのタイムトライアルをしてもそんなに速いペースでは走れません。しかも、タイムトライアルをすると前後の練習をあける必要があるので、どうしても基礎的な練習ができません。スタミナ充分と思って挑んだ日本学生ハーフは10キロを30分12秒で通過した後、後半は31分48秒くらいかかりました。タイムトライアルと合わせて1キロ3分ペースのインターバルなど基礎的な練習と組み合わせていれば、もっと上手くいったでしょう。


 さて、ここにざっと6つの過ちを列挙しましたが、ほとんどの人がこのうちのどれかに該当します。私は関係ないと思っている人も、実はこの6つのどれかに該当しています。常に睡眠不足で集中力が落ちている人はそれが普通だと思い込んでいるのと同じで、ずっとそのやり方でやっている人は、効率が悪いのにそれが普通になってしまっているのです。



長距離走・マラソンが速くなるための3つのポイント

 ここで一番初めの論点、長距離走・マラソンが速くなるためのたった3つのポイントに戻りましょう。ここまでトレーニングについて書いてきました。これが1つ目のポイントです。そして、2つ目のポイントがリカバリー戦略です。リカバリー戦略というのは練習をしないという意味ではありません。練習以外の時間をどう使うかです。栄養と睡眠が二本柱になります。現役時代に三冠王を三回とり、監督としても8年間で4回のリーグ優勝に導いた落合博満さんも「(チームを強くするには)しっかりと寝て、食べることだと思います」と著書の中に書いておられます。

 かつて相撲界で大活躍した横綱の大鵬も強さの秘訣を聞かれて「しっかりと寝て、しっかりと食べて、しっかりと稽古をすること」と答えています。簡単なようで見落としているのが睡眠と食事です。一言で「しっかりと寝て、しっかりと食べる」といっても栄養と睡眠もやはり奥が深い分野です。これも正しい知識が必要です。練習やりすぎといっても、良い休養が取れれば、体が回復し、トレーニング刺激に対して適応するので、やりすぎじゃなくなるケースもあります。同じ練習をしていてもリカバリーの質によって、毒にもなれば、薬にもなります。リカバリー戦略が2つ目のポイントです。

 3つ目のポイントが、心です。人間のやることですから、心が非常に重要です。心というのは根性ややる気、情熱という意味ではありません。心の使い方の問題です。ほんの一例としては、自己イメージの中で、自分は太っていると思っている人は大抵ダイエットもうまくいきません。頭で痩せようと思っても潜在意識は太っている自分を維持しようとするからです。食欲などは潜在意識がコントロールしていますから、潜在意識をうまく味方につけないと、ダイエットも上手くいきません。これは陸上競技でも同じです。潜在意識を味方につけないと、やはり好結果を残すのは難しいです。


解決策

 これら3つのポイントを踏まえて、どのように問題を解決し、力をつけていくのかということですが、これは素直に人に聞くことだと思います。私自身もここに書ききれないほどの失敗をしてきました。その度に色々な人に話を聞き、さらに古今東西の本を読み込んで勉強してきました。ざっと数えただけでも50人以上のサブテンランナーに話を聞いてきました。日本人はもちろんのこと、ケニア人、ノルウェー人、オーストリア人、ドイツ人などなど色々な国の人から話を聞き、さらには洋書、和書問わず、100冊以上はマラソン関連の本を読みました。