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最近私が走り方改善の上で参考になった動画

1 日前
読了時間: 13分

 最近私が一番参考になる走り方の動画をユーチューブで見つけました。正直な話、走り方に関する動画はインスタグラムにもユーチューブにもありますが、次の二つの観点から九割は嘘です。


 先ず第一に、走り方を変えるだけで記録が大幅に向上するというような情報がたくさんあることです。走り方を変えて記録が向上するのはせいぜい5%です。


 そして、この5%は疲れず、故障せずたくさん練習出来るようになるということも含めての話です。基本的にはこちらの方が大切です。走り方を変えたからそれによって直接的にレースで速く走れるようになるというよりは、疲れず、故障せずに走れることで今までよりも良い練習と良い適応が出来るようになって、記録が伸びるという割合の方が多いのですが、多くの情報が走り方を変えるだけで、記録が大きく伸びるかのようにうたっております。


 第二にですが、前提条件が間違っているのでそうなるのは当たり前なのですが、地面に強く力を伝えることと、地面からの反力を大きくするための情報が多いです。


 もちろん、これは間違ってはいないのですが、一番重要なことは疲れないことと、接地の衝撃が少なくなることです。昨今は靴の進化によって接地の衝撃は随分と少なくなりました。


 体感で言えば、私が高校生や大学生の時に使っていた靴で芝生を走るのと、今の靴でアスファルトを走るのとで同じくらいの負担に感じられます。今はアスファルトで走っていても芝生を走るくらい足に優しいです。


 でも、だからと言って、接地の衝撃を和らげる技術が必要なくなったわけではありません。やはり、接地の衝撃を和らげ、また、なるべく筋出力を低くし、つまりは筋肉を使わないことが大切です。


 長距離走者、マラソン走者の為の情報というのはこれだけ多くの走り方解説がある中で、ほぼ無いと言っても過言ではないのですが、やっと素晴らしい教えに出会えました。これは素晴らしいです。


 では、その素晴らしい走り方を教えてくれた人はどんな人なのか、そしてどんな動画なのか?


 その素晴らしい教えを授けて下さった方、それは廣岡達郎さんです。廣岡達郎さんをご存知の方は「はっ?」と思われたか、あるいは別の廣岡達郎さんがいらっしゃると思われたかもしれませんが、そうではないです。


 あの元巨人軍の遊撃手の廣岡達郎さんです。廣岡さんは巨人軍の正遊撃手としてご活躍され、特に守備は日本一だという評価を来日する大リーガーから受けておられました。


 その後は広島カープのコーチになり、廣岡さんが対談された直後、広島カープは球団初の優勝、その後ヤクルトスワローズでコーチの後、監督を務めて監督時代にヤクルトスワローズが球団初優勝、その後は西武ライオンズで監督を務め、球団初の優勝を皮切りに三度のリーグ優勝と日本一、西武ライオンズは前身の西鉄ライオンズ時代を含めると初優勝という訳ではないものの、どこのチームにおいても弱小球団を抜本改革されたという点は共通していると言えます。


 その廣岡さん、正しいことは正しい、間違っていることは間違っていると押し通す姿勢が私は大好きで、私自身の経営者としての過去を振り返ってみると、私には廣岡さんほどの厳しさが持てなかったという反省があります。


 恐らく、周囲からは時代に合わない厳しい指導体制に問題があったという指摘が多くくるようには思いますが、私はやはり自身を振り返ってみて、部下に気を遣って正しいことは正しい、間違っていることは間違っていると初めから厳しく押し通さなかったことが悔やまれます。


 そのことで結果を出させてあげることが出来なかったので、かえって迷惑をかけてしまったと内心忸怩たる思いです。私の知る優れた指導者の方々は皆一様に外見上の厳しさと内面上の優しさの両方を兼ね備えておられます。


 廣岡さんはもちろんそれを持ち合わせておられる方ですから、どこにいってもチームを優勝に導き、そして、どこの球団でも最後は喧嘩別れで退団されています。


 そんな話は余談に過ぎないのですが、廣岡さんが動画の中で解説されている中で、どこが参考になるのかと申し上げますと、以下の点です。


 まず第一に、正しい立ち姿勢を説明されています。正しい立ち姿勢とは、つま先立ちして、そこから脱力してスッと優しく踵を降ろしたところが正しい立ち姿勢だということです。


 これはなかなか言葉では伝わらないので、動画を観て頂きたいのですが、前傾と言う言葉でも説明できないし、後傾という言葉でも説明出来ない、自然体の安定姿勢というものが作れています。


 この姿勢が走る時の基本です。極端に背筋をピンと伸ばそうとしても疲れるし、明らかな前傾は安定しないし、後傾だと前に走る上でブレーキがかかる、そのいずれでもなく、つま先立ちして、重心を巣に返してあげるようにストンと落とすと、そこに安定状態の取れるところがあるのです。


 次に、末端の使い方です。廣岡さんは野球選手ですから、投げ方について解説されているのですが、この時の手の使い方は足の使い方と同じです。廣岡さんは脱力状態から、投げる方向に対して、真っすぐ腕を伸ばし、投げ終わった後も自分の指先から氣が球を投げた方向に放射されているようなイメージを持ちなさいとご指導されております。


 また、投げ終わった後も自然な脱力状態を作りなさいと。


 脱力から入って、球を離す瞬間に手首を使いながら指先に力を込め、また脱力状態に戻っていくのです。理屈から言えば、球を離した後はもう関係ないのですが、人間の体というのは面白いもので、動作後のイメージを変えると動作そのものも変わるのです。


 余談ではありますが、私がよく営業の仕事をしたり、起業家の方に指導をするのは、営業をする時に、契約が締結した後に良き関係を築くことを目標として営業をしなさいということです。


 理屈の上から言えば、契約が締結した瞬間に売り上げは決まる訳ですから、リピーターさんが欲しいのでなければ、その後はどうでも良いのです。しかし、実際には契約を締結した後の顧客の満足度を高めること、良き信頼関係を築くこと、これを意識すると営業のやり方が変わるのです。


 身体動作も同じで、理屈の上から言えば、球を離した後に指先から投げた方向に氣が放射されようがされまいが関係ないし、そもそも氣なんてものは物理的には存在しません。


 しかし、それを意識すると何故か、投球動作そのものも変わるのです。


 走りも同じです。走りの場合もまずは脱力状態を作ることが大切です。足が空中にある間は地面に力を加えることはできないのですから、ここはなるべく弛緩するのが望ましいのです。


 そして、接地の瞬間、もう少し正確に言えば、接地の瞬間から緩やかに力が入り始め、母指球に体重が乗った瞬間に一番大きな力がかかります。これは爪先から接地しようが、踵から接地しようが関係ありません。


 どこから接地しようが最も力がかかる瞬間は母指球に体重が乗った時です。


 その後は、足が真っすぐと後ろに伸びてゆくのが望ましいのです。この時の要点はまっすぐ後ろであり、上でもなければ下でもないということです。真っすぐ前に速く走るために力を地面に加える訳ですが、この時に作用反作用の法則を利用して走っている訳です。


 ですから、真っすぐ前へと進む力を地面からもらいたければ、地面に力を伝える時に真っすぐ後ろ方向に力を加えるのが望ましいのです。


 短距離選手の場合は、走行速度が速いので、真後ろに力を加えようとしなくても、慣性の法則で勝手に脚が後ろに流れてくれるのと、短距離選手の場合は1秒間に5歩のピッチ、すなわち1分間に300歩のピッチを作らなければなりません。


 できなくても構いませんが、出来なければ短距離の世界で頂点に立つことは不可能です。短距離の世界で上に登り詰めたければ、出来ようができまいが出来るように努力するしかないのです。


 短距離選手の場合は、走行速度が速いので、勝手に脚が真後ろに伸びるのに、その上でさらに意識的に真後ろに足を伸ばすような意識を持つとピッチが遅くなります。これが俗に言う足が後ろに流れるという現象です。


 ですが、我々長距離選手は走行速度が遅い上に、ピッチも遅く、世界記録を作るような選手でも1分あたり180歩から200歩程度です。では、市民ランナーさんはどうかと言いますと、やっぱり市民ランナーさんも180歩から200歩です。


 つまり、無理をしてまでピッチを上げる必要はないのです。長距離走者の場合は、あくまでも足が真後ろに真っすぐ伸びてゆくような意識を持つことが大切です。で、脚が伸びきるところまで伸びればあとは勝手に膝関節が曲がります。膝関節が曲がったら次は膝を前に持ってくるのですが、ここからが次の要点になります。


 第三に、廣岡さんのご指導が分かりやすいのは重心の移動です。廣岡さんはそれが野手であれ、投手であれ、重心が先に移動して、それから手がついてきて、球を投げるんだということをご説明されております。


 つまり、重心が先で、末端は後なのです。


 更に言えば、投手陣の指導の際にはまずは重心を高く持ち上げ、その重心を下におろしてくる時の力を使えともご指導されております。


 つまり、重心を高く持ち上げ、それを斜め下前方へと動かす力を使って、そのままその力を球に伝えろ、またこの時に、その重心移動の力を球、つまり末端に伝えるには脱力した状態で腕を円運動させろともおっしゃっています。


 実は長距離選手も全く同じです。重心を高く保ち、重心を前に移動させるとそれに末端がついてくる、つまり足が前に出てくるのです。この時の感覚はやはり、重心を斜め下に落とすようなイメージなのです。重心を斜め下に落とすようなイメージでも実際には、腰が落ちることはありません。


 人間というものは転倒しないように無意識のうちに、きちんと脚に力を入れるように出来ているのです。


 そして、この転倒すまいとする力がそのまま地面に加える力になり、あとは方向の調整として、真っすぐ前方に進む力を得たい訳ですから、足はまっすぐと後ろに流す意識を持つのが良いのです。


 このように、野球選手は手(指先)が力点であるのに対し、我々走者は力点は足、重心の移動方向は野球選手が横であるのに対し、我々はまっすぐ前、この違いがあるだけで、達人の教えはそのまま走りに応用できるのです。


 また、廣岡さんは上から投げようが、横から投げようが、下から投げようが、最後が変わるだけで後は全て一緒とおっしゃっておりますが、私も走りにおいて踵からつこうが、中足部からつこうが、つま先からつこうが、どうでも良いとお伝えしてきましたが、これも考え方は同じです。


 基本の体の使い方が分かっていればそれで良いのです。ただし、つま先接地の問題点としては、長距離選手はピッチが遅いので、間を作るのが難しいということです。


 踵からつけば、踵が地面について、それから母指球に体重が移動するまでの間がありますから、ここで自然と時間が稼げ、なおかつ自然な体重移動がやりやすいのに対し、つま先からついてしまうと、接地してから母指球に体重が乗るまでの時間稼ぎが難しいです。


 その為、ほとんどの人がブレーキをかける動作が入ります。つまり、弛緩(接地前から接地まで)→緊張(母指球に体重が乗る)→弛緩(離地後の足が体の後ろにある局面)というのが本来の流れであるのに対し、弛緩(接地前から接地まで)→緊張(接地から母指球に体重が乗るまで)→緊張(母指球に体重が乗った後適切な離地のタイミング迄の時間稼ぎ)→弛緩(離地後の足が体の後ろにある局面)という具合に、余分な緊張の動作が一つ増えるんです。


 離地のタイミングが合わないので、適切な離地のタイミングが来るまで無理やり動きを止める必要が出てくることが多いのです。


 ただし、そうならない人もいらっしゃいます。そうならない人はそれで良いのですが、そうならずに爪先接地が出来ている市民ランナーさんは今まで千人以上みてきてわずかに二人だけです。


 普通は難しいと考えるべきであるし、私自身も出来ません。ただ、出来る方はそれで良いので、この観点からも些細な違いはどちらでも良いということです。


 重要なことは、弛緩と緊張の切り替えが適切に行われているか、離地後に足が真っすぐに後ろに伸び、力を効率よく真っすぐ前方への推進力に変更出来ているか、重心が動き、それから末端が動くという関係性が作れており、タイミングが適切に連動しているか、これが走りの基本です。


 これを基本としながらも、走行速度が上がれば上がるほど爪先接地の割合が増え(短距離選手の理屈と同じ)、離地後踵は大きくお尻の方まで引き寄せられるようになる(足の運動速度が大きくなるので、離地後に働く慣性の力も大きくなり、その勢いで上まで跳ね上がる)という違いはありますが、これは意識してそうなるのではなく、勝手にそうなる、つまりは自然とそうなるのです。


 走行速度が速くなると爪先接地に自然となり、踵がお尻の方まで引き上げられ、動きが大きくなるのでお尻やハムストリングス、大腰筋などの大きな筋肉を使う割合が大きく見えるだけだって、決して爪先接地にしたら速くなるとか、大きな筋肉を使えば速くなるとか、お尻走りをすれば速くなるとか、踵をお尻の方まで引き上げれば速く走れるという訳ではないのです。


 ちなみに、短距離は全て上記の動きを意識的に習得する必要がありますが、それは短距離走者は最大の決定因子、あるいは制限因子が最大筋力と走技術であるのに対し、長距離選手は代謝系という決定因子及び制限因子の違いがあるからです。


 何を言われているかわからないという方は、とりあえず、長距離走者の走り方の基本は1.正しい姿勢で立てること、2.正しく脱力が出来ること、3.重心が先に動き、それに末端がついていくという関係性が正しく作れること、4.離地後の足の動きはまっすぐ後ろに伸びてゆくこと、この4つであることを覚えておいてください。


 ちなみにですが、アジア大会銅メダリストの富本美月さんの動き作りではまず正しく立つことから始まり、そのまま動作に移るのがもも上げとツーステップのもも上げであり、この両方の動きにおいて脱力と弛緩の関係性を学びます。


 ランジは重心と下半身の動きの連動を学ぶもの、スキップは脱力と弛緩のタイミング、正しい姿勢を維持すること、重心の移動と下半身の移動の連関を学ぶものであり、バウンディングは上記に加えて、離地後に真っすぐ足を後ろに伸ばすことを学ぶための動作です。


 では美月さんのおっしゃる「串刺しポイント」とは何か?


 あれは野球で言えば、自分が最も力が発揮できる点で球を離すことが大事になる訳ですが、走りで言えば、重心の移動に足の動きが連動する中で、どのタイミング、どの態勢、どの位置で足をつけば最も強い力が出せるか、そのポイントのことです。


 これに関しては、廣岡さんは球を投げる方についてはご指導されておりませんが、打撃の方ではやはり自分が一番力を加えられる点を探せとおっしゃっております。球とバットが衝突する点をミートポイントと言いますが、ミートポイントが遠すぎても近すぎても強い力は出せない、自分が一番大きな力を出せるミートポイントの位置を探せとご指導されております。


 串差しポイントも同じです。足を着くタイミングが早すぎても遅すぎても一番大きな力を地面に伝えることは能わざるので、自分が一番地面に力を伝えやすい重心と接地の位置関係、すなわちタイミングを探せと言うことです。


 いかがでしょうか?


 達人の教えには全て共通点があるということがお分かり頂けたでしょうか?


 廣岡さんの野球指導の動画を下記に貼らせて頂きますので、是非ご覧ください。全て観ると非常に長いので、廣岡さんが画面の中心に来ているところだけ観ると良いのではないかと思います。

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コメント


筆者紹介

​ウェルビーイング株式会社代表取締役

池上秀志

経歴

中学 京都府亀岡市立亀岡中学校

都道府県対抗男子駅伝6区区間賞 自己ベスト3km 8分51秒

 

高校 洛南高校

京都府駅伝3年連続区間賞 チームも優勝

全国高校駅伝3年連続出場 19位 11位 18位

 

大学 京都教育大学

京都インカレ10000m優勝

関西インカレ10000m優勝 ハーフマラソン優勝

西日本インカレ 5000m 2位 10000m 2位

京都選手権 10000m優勝

近畿選手権 10000m優勝

谷川真理ハーフマラソン優勝

グアムハーフマラソン優勝

上尾ハーフマラソン一般の部優勝

 

大学卒業後

実業団4社からの誘いを断り、ドイツ人コーチDieter Hogenの下でトレーニングを続ける。所属は1990年にCoach Hogen、イギリス人マネージャーのキム・マクドナルドらで立ち上げたKimbia Athletics。

 

大阪ロードレース優勝

ハイテクハーフマラソン二連覇

ももクロマニアハーフマラソン2位

グアムマラソン優勝

大阪マラソン2位

 

自己ベスト

ハーフマラソン 63分09秒

30km 1時間31分53秒

マラソン 2時間13分41秒

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