突然ですが、あなたはもしも足が痛くなったら、どうしますか?
多くの方は治療院に行くと思います。ですが、何らかの事情で、治療院に通えないような状態や薬局にすらいけない状態であったとしたら?
こういった状況が全て当てはまるようになるのが、合宿中です。
私はこれまで何度も何度も合宿を経験してきましたが、合宿というのはたいていは田舎で行われます。やはり、人里離れた田舎の方が走れる場所も多く、集中できる環境だからです。
また、実業団とは違い、プロランナーというのは体の手入れも自分で行ったり、自分で現地調達するのが基本です。そんなこともあり、ある程度脚が痛くなっても私自身は自分で何とか出来るようになってきています。
もちろん、腕の良い治療家さんの所にいけるのであれば、それに越したことはありません。私が今回書かせて頂きたいのは、いざという時に何をすれば故障で練習を継続できない可能性を低く出来るのかということです。
実は先日の鉢伏合宿中にずっと持っているアキレス腱痛が悪化してしまいました。ずっと持っているとは言っても、走り始めが痛い程度でそれ以外は特に不安も持っていないのですが、鉢伏合宿は登り坂での練習が多かったり、中学生との毎回のようにある全力流しのせいで悪化していました。
今回は私が実際にどのようにして、対処していったのかをお伝えさせて頂きたいと思います。
1アイスマッサージ
アイスマッサージという言葉をあなたは聞いたことがありますでしょうか?
言葉だけ聞くと難しく聞こえるかもしれませんが、やることは単純で氷を持って直接撫でるようにしながら筋肉や腱、靱帯を冷やすことです。通常アイシングと呼ばれるものは袋に入れたり、氷嚢に入れたりして、巻き巻きして止めておくのですが、アイスマッサージは手にもって直接筋肉や腱をなでるように溶かしていきます。
私自身は両方やりますが、走り終わった直後のアイスマッサージはアイシングよりもはるかに効果が高いように感じています。その理由が何なのかは分かりませんが、理論的には融解熱というのがあり、これが関係があるのではないかと思います。
融解熱というのは、その物質が解ける時に奪われる熱のことなのですが、氷の場合は0度から1度に上がるとき、最も多くの熱を奪います。つまり、筋肉や腱、靱帯の熱を奪ってくれるのです。
もちろん、袋に氷水を入れて、テープや包帯で止めておいても氷は解けるので、ちゃんと温度は下がります。ただ、直接肌に氷を当てるのが一番熱を奪うには手っ取り早いです。そして、アイスマッサージの場合は氷と接している軟部組織(筋肉、靱帯、腱)の面積も狭く、周辺の筋肉を含めて冷やし続けるという事もなく、また、通常は一か所5分程度しかしません。
短時間で効率よく冷やすのが良いのかもしれません。私の場合はタオルを床に引いてその上に足をのせ、タオル越しに氷を掴んで脚をなでるようにしています。だいたい宿泊施設には業務用の製氷機があり、立方体の氷がたくさん作られているはずですので、宿舎の方に聴けば調達可能なはずです。
もちろん、家庭用の冷蔵庫の氷でもなんら違いはありません。ご自宅でもやっていただけます。私自身は冷やすという事をメインの治療法とは考えていませんが、悪化を防ぐためにも練習直後の急性的な炎症は氷で冷やしておさえておくことが非常に重要だと考えています。この単純なことを怠ったが為に泣く羽目になることもあるため、おろそかにしてはいけません。
繰り返しになりますが、これはあくまでも急性的な炎症を持っている時の応急処置的なもので、普段から絶対にやっているものではありません。
2ライオンズLLLTの使用
炎症を抑えるのに最も良いのは何と言ってもLLLLTです。というよりは、この効果がゆえに私がLLLTを愛用しだしたと言っても過言ではありません。練習が終わった後には必ずアキレス腱からふくらはぎ全体が照射できるくらいの位置でLLLTを照射していました。
練習で多少悪化しても如実におさまるので、これで何とかなったと言っても過言ではありません。一時期はアキレス腱の痛みで朝起きるくらいでしたが、急いで照射しだして小康を保ってくれました。惜しむらくは荷物の関係で一台しか持っていけなかったことと、他の先生と同部屋で女性も出入りしていたため、全裸に近い格好で照射することが出来なかったことです。
LLLTで多くの方がやがて面倒くさくてやらなくなるけれど、絶対にやった方が良い基本中の基本はなるべく多くの箇所に照射した方が良いという事です。患部だけに照射するよりも上半身を含めてなるべく広い範囲に照射した方が治りが早いのですが、だんだん面倒くさくなって、やらなくなってしまいます。
私の場合は、たまになかなか全身に照射出来ない状態になると違いを如実に感じるようになります。
3セルフマッサージ
アキレス腱が痛くなる主な原因は下腿三頭筋の筋肉が凝り固まり引っ張られてしまうことです。ですから、自分でしっかりとマッサージをすることも重要です。今回の合宿には以前YouTubeで紹介させて頂いたSTジョーンズマッサージオイルを持って行きました。このマッサージオイルの主成分は西洋オトギリという抗炎症作用を持つ植物成分で、体に優しく炎症を抑えてくれます。もちろん、アキレス腱にも塗布しました。
そして、痛い方のふくらはぎだけではなく、両足のふくらはぎやハムストリングス、お尻など基本的な個所のマッサージは一通りしました。
4ブースタープロ3
筋肉の奥深くのコリをほぐすには人の手が一番です。ですが、表層部の筋膜を緩めることに関しては、やはりブースタープロ3には勝てません。振動数が全然違いますから。ただ、患部のアキレス腱に直接当てることは絶対にしませんでした。炎症反応が起きている個所に振動を加えると炎症が悪化してしまいます。
アキレス腱が痛くなるのは、下腿三頭筋の筋肉が凝っているからであることが多いので、トリガーポイントと思われる個所を重点的にアプローチしました。これは人から聞いた話ですが、故障の種類にもよりますが、トリガーポイントに30分くらい当てていればそれで治ることもあるそうです。30分も当てるのは面倒くさいのは間違いないですが、それで治ることもあるなら、やってみる価値はあるでしょう。
5上記を何度も反復する
結局体の手入れで何をやれば良いかは皆多かれ少なかれ知っています。ただ、それを続けるかどうかで差が出てきます。合宿中は中学生の相手から先生方の相手から、ウェルビーイングの仕事から、本当に忙しかったのですが、なるべく時間を作って一回5分でも良いから出来るだけ体の手入れに時間を使うようにしました。
体というのは、触って状態を確認するだけでも違うものです。是非、酷使した体は可愛がってあげるようにしてください。
ライオンズLLLT在庫残り一台となりました。先日ライオンズLLLTをご購入いただいたYabu様から「LLLT良いですね!毎日使っています。使用中や直後には効果は良く分からないのですが、翌日には確実に効果が出ており、以前よりも少し強度を上げて走れています」とのお声を頂いております。
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