先日出版させて頂いた拙著『長距離走、マラソンの為の栄養学』の中で、一般に思われている以上に体内で炎症反応は生じており、炎症反応を起こさないことと炎症反応を抑える食生活こそが、練習からの回復を早め、集中力や意志力を高め、アンチエイジングに役立ち性生活を充実させるということを書かせて頂いたのですが、栄養を学問的に勉強するだけでは、片手落ちで人間である以上は実際に美味しいご飯を食べなければ長続きしない訳です。
そんな訳で、本日はおススメのカレーレシピを一つ紹介させて頂きます。
材料
水
グラスフェッドバター
玉ねぎ
ニンジン
ニンニク
全粒粉小麦粉
純カレー粉(GABAN)
ニンニクパウダー(GABAN)
ジンジャーパウダー(GABAN)
ターメリック(GABAN)
黒コショウ
ピンクソルト(岩塩、海塩などなど塩ならなんでも)
だしの素(ヤマキ)
GABANと書いてあるのはメーカー名です。ヤマキも同様です。
そもそも何故カレーなのかということですが、それは抗炎症作用や抗酸化作用を持つハーブ類、スパイス類をたくさん入れることが出来るからです。
私が知る限り、自然界に存在する最も強い抗炎症作用を持つのはターメリックです。ターメリックはウコンを粉末状にしたもので、ターメリックにふくまれているクルクミンの抗炎症作用の強さはイブプロフェン(非ステロイド系抗炎症剤)の5分の4程度と言われています。二日酔いの防止にウコンの力という商品も出ていますが、あれは有効成分のクルクミンが少なすぎて、効果はほとんどないかないでしょう。
それ以外にもニンニクやショウガにも抗酸化作用、抗炎症作用を持つポリフェノールが含まれており、純カレー粉にはその他さまざまな抗炎症作用、抗酸化作用を持つポリフェノールが含まれています。GABANの純カレー粉に含まれている原材料名は以下の通りです。
・ターメリック
・コリアンダー
・クミン
・フェネグリーク
・胡椒
・みかんの皮
・ジンジャー
・唐辛子
・カルダモン
・フェンネル
・シナモン
・オールスパイス
・クローブス
・ナツメグ
・ベイリーブス
・タイム
・オレガノ
・ガーリック
という訳で、純カレー粉にすでにターメリック、ジンジャー、ガーリックが入っているにも関わらず、更にそれぞれ単体で付け加えるという強気のカレーです。GABANのものには着色料や乳化剤、香料などの化学添加物が入っていないので、非常におススメです。
会社の近くに、Aプライスというスーパーがあり、そこで購入しました。Aプライスはプロの店という広告を出しているスーパーで正直私も初めは「はいはい、プロの店とか皆よく言うよねー」と思いながら入ったのですが、本当にプロの店でした。
どういうことかというと業者の方がよく利用するお店で、私もカレー粉やターメリックやショウガ粉末を買い占めてレジに行ったら「業者の方ですか」と聞かれてしまいました。
「いや、業者じゃないんですよー」
と言ったら、めっちゃひきつった作り笑顔で「お料理好きなんですね」と返してくれた良いお店です。
作り方
さて、作り方に進む前に各材料の分量が書いていないじゃないかと思われた方もいらっしゃると思います。申し訳ないのですが、私はいちいち分量など測りません。味見をしながら適当に味を調えるので、分量は私にも分かりません。ですので、適宜お好みに応じて味を変えて頂ければと思います。
先ずは下準備として玉ねぎを細かく切ります。みじん切りとまではいかないけれど、それに近いくらいの大きさでとにかく細かくなっていればそれで大丈夫です。にんにくも皮をむいて適宜細かくしてください。私はニンニクの一塊の皮をむいて半分くらいの大きさにします。ですので、形がはっきりと分かる大きさです。
次に、グラスフェッドバターを弱火で溶かします。油と各粉をしっかりと混ぜ合わせるので、グラスフェッドバターは多めに入れてください。私の感覚的に200gくらい投入している気がします。そして、先ずは玉ねぎとニンニクを炒めて軽く匂いがしてきたり、玉ねぎの色が変わってきたら、各粉を投入します。全ての粉を油と一緒に混ぜ合わせます。この時火は常に弱火にして下さい。
そうしないと、油が飛び散って粉としっかり混ざりません。
玉ねぎが飴色になり、なんとなくしっかりと油と粉が混ざってきたら、水を1リットルほど入れます。1リットルと書いていますが、この分量は粉の量によって変わります。ただ、あとから水を足したり、粉を足したりして味見をすれば良いので、それほど細かく気にしなくても大丈夫です。
この状態で、玉ねぎとニンニクを煮込みながらニンジンを小さく切って投入します。お好みに応じて、ジャガイモなどその他の野菜も入れると美味しいです。
このままだととろみがつかず、スープカレーのようになってしまうので、小麦粉を入れるのですが、直接鍋に入れてしまうとどうしても小麦粉がだまになって残ってしまうので、ミキサーで水と小麦粉をよく攪拌してから入れてください。そうするとだまにならずにとろみがつきます。
ここまででも食べられなくはないのですが、このままだとどうしても薬味が強く皆様が知っているカレーの味にはなりません。そこで使うのが出汁の素です。残念ながら、ここで加工食品を投入してしまうことになるのですが、私が使っている業務用の出汁の素はヤマキ株式会社という会社で作られているもので、原材料は食塩(国内製造)、葡萄糖、鰹節粉末、鰹節エキス、昆布粉末、たん白加水分解物、酵母エキス、調味料(アミノ酸等)ということで、乳化剤や人口甘味料、増粘剤、PH調整剤などの過激な添加物は含まれておらず、及第点の出汁です。
シャロン・モアレムという博士の方がうまみを料理に加えると、食欲が抑えられることを知ってから、世界中を旅してまわり、うまみの入っている料理を探し回りました。うまみは辛味、酸味、甘み、苦味、塩味のいずれにも分類されないため、非常に抽象的で定義の難しい味です。
抽象的な表現にしかなりませんが、人間は栄養が豊富な食物を摂取するとうまみを感知するようです。そして、それは主にたんぱく質を多量に含む食品を食べた時に感知します。ですから、我々もおかずと言えば、あるいは主菜と言えば、たんぱく質を多く含む食品であることが多いです。
ところが、それだけでもないんです。例えば、スープにトマトを加えるとそれでうまみが増します。トマトには含まれるたんぱく質はそれほど多くありませんが、グルタミン酸の割合が多く、そのグルタミン酸がうまみを引き出すそうです。
また、単純にたんぱく質であれば、良い訳ではなく、ある種の変化を起こすことによってうまみが増すそうです。これが日本では味噌、しょうゆ、納豆などの発酵食品になっている訳です。
先述のシャロン・モアレム博士も日本に来て、麹味噌のたら、味噌、納豆、しょうゆなどを味わい、その味に魅了されていました。
菊乃井という料亭があるそうですが、そこの村田吉弘さんという経営者であり、シェフでもある方に出会い、そこで舌鼓をうったそうです。村田さんは三代目の経営者で、一時はフランス料理を学ぶために渡仏もされていたそうです。ところが、渡仏先でフランス料理を勉強しながら何か物足りないものを感じていたそうです。
そして、日本に帰りたいと思ったそうです。和食にあってフランス料理にないもの、それがうまみだったそうです。少なくとも、シャロン・モアレム博士の著書『The DNA Restart』にはそう書いてあります。
そして、シャロン・モアレム博士が村田さんに痩せるのに最も良い方法は何かと聞いたところ、「毎日2リットルの出汁スープを飲むこと」という答えが返ってきたそうです。そうすると、中枢神経が満足し、食欲が抑えられるそうです。
そんな話も覚えていたので、出汁の素で味を調えると美味しくなることに私は気づいた訳です。ちなみに、味噌でも行けます。味噌と出汁の素を入れないままだと、本当に薬味が強くて精進カレーという感じなのですが、味噌もしくは出汁の素を加えるだけで本当に美味しく、何杯でもおかわりしたくなるほど美味しいです。
それでいながら、中枢神経が早い段階で満足するので食べ過ぎを防ぐことも出来るという優れものです。
健康に良い食べ物=美味しくないという固定観念がまだまだ多く残っていますが、決してそんなことはありません。機会があればぜひ作ってみてください。グラスフェッドバターや各種粉は全てアマゾンでお買い求め頂けます。
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