こんにちは!
昨日から「 走り始めてからたった2年間でサブ3を達成した56歳男性の話。如何にしてそれをなしえたか?」という記事を無料でお届けさせて頂いているのですが、もうお読みになられましたか?
40歳以上の男性でマラソンが速くなりたい方で記事をまだお読みになられていない方は必ずこちらをクリックしてお読みください。
さて、本日はまたウェルビーイングオンラインスクールの受講生様よりご質問を頂いたので、その質問と回答を共有させて頂きたいのですが、その前に結果報告です。
現在京都では京都ユースと呼ばれる学年別の対抗戦が開催されています。私自身も14年前に出場した大会で非常に懐かしいのですが、この試合に私が現在指導している東山高校の2選手が800mに出場し、二人とも自己ベストを更新しました。
吉田君が2分18秒から2分15秒(私が指導してからは2分19秒から2分15秒)、山部君が2分13秒から2分8秒(私が指導してからは2分16秒から2分8秒)へと大幅に自己ベストを更新しました。
以前のメルマガにも書かせて頂いたのですが、私は私の指導に興味がない人は指導しません。
従って、東山高校の選手も同じ部活にいながら希望者だけが私の指導を受けているのですが、私が指導している選手がきちんと自己ベストを更新して、私も安心しています。
特に一番真面目な山部君が自己ベストを伸ばしてくれたのが嬉しかったです。やっぱり、年齢、性別、人種問わず真面目にやってる人が一番結果を出してほしいと私は思っています。
山部君に関しては、2分8,9秒ではいけると言っていたので、だいたい予想通りですが、吉田君に関しては、2分12秒ではいけると思っていたので、ちょっと残念ではありますが、前からスピード持久力が不足している点は指摘しており、今回のレースでも2周目に大きく失速しています。
そういった、実体験も踏まえて私の言っていることが理解出来れば、長期で見ればプラスに働くはずです。
中高生の中距離ランナーを指導していて、一番難しいのは持久力の重要性を理解させることです。
800mより長い距離の種目は疲れても良いから速く走るということ(最大筋力+走技術)よりも、疲れずに速く走れるようになる(生化学的なエネルギーシステム)の向上の方が重要なのに、なかなかそれが理解してもらえません。
今日自己ベストを更新した二人に関しても、圧倒的に持久力が不足していたから、それを加えただけです。何も特別なことはしていません。
今全日本マスターズの800mで優勝を目指されている松本一生さんからも先日「まさに還暦過ぎたこの3年で2′51→2′49→2′46→2′45とタイムが回復してきました😊
2′45は、58歳の時と同じタイムです。55歳の時は2′39なので65歳までにはそこまで戻す予定です😁」とのお声を頂きましたが、松本さんの場合もダブルワークという超多忙な中で30-40分の中強度の持久走、更に松本さんの場合はそれをクロカンで実施したりして、基礎持久に取り組まれたのが大きいと私は思います。
東山高校の生徒にもそこまでやらせたいのですが、今はまだ力がないので、段階を踏んで25分くらいの中強度走と45分の低強度から中強度走と60分くらいの低強度走と、それに調味料程度にスピード練習を組み合わせています。
要するに、10代から60代まで、800mからマラソンまでトレーニングの原理原則は変わらないということです。
さて、本日の本題はウェルビーイングオンラインスクールの受講生様より頂いた下記のご質問です。
「10月29日の金沢マラソンを距離走練習の総仕上げに、その5週後の防府読売マラソンを本番に位置付けています。
金沢マラソンの1週間前から当日までに欧州に出張が入りそうで(出張色々ある中、大変栄誉あるものなので業務面ではありがたいのですが)、金沢マラソンの参加は厳しそうです。
参加できたとしても時差ぼけのある中につき、厳しいものと考えています。 金沢マラソンをあてにしていたのがはずれたため、6週前・4週前~2週前に別途テストレースを組み立てたい中、よく聞くのは
3週前:30km走
2週前:20km走
で、これの片方をテストレースにするといいでしょうか。
あと、できれば40km走も涼しくなってから一度はしておきたいと考えています。6週前か7週前あたりでしょうか。ご意見下さい」
これに対する私の回答は以下の通りです。
「3週間前30キロ走、2週間前20キロ走理論よく聞きますね(笑)
まず、基本的な考え方として、テストレースと距離走としてレースに出場することの違いを理解して下さい。テストレースというのは自分のその時の状態を正確に知るために行うものです。これはトレーニングという目的よりも(もちろん、トレーニング効果もありますが)、現状を正確に把握するという目的が強いものです。
ですから、テストレースとして出場する場合には条件が二つあります。
先ず第一に、全体の練習の流れを妨げないことです。つまり、著しく疲労が残らない距離に設定する必要があります。
この場合、5000m以下のレースであれば、インターバル一回分プラスアルファくらいの疲労感しか残らないので、容易に入れることが可能になります。
10000mになると、慎重を要します。ハーフマラソンになると、かなり疲労が残るので、入れても1回程度です。
そして、マラソンのテストレースはあり得ません。マラソン一本を全力で走れば、必ず全体の練習の流れを妨げます。マラソンは一発勝負です。
ただし、マラソンレースに出場する場合においても、自分の状態を正確に把握するために、テストレースに出場することはよくあることです。この場合、よく用いられる距離はハーフマラソンと10㎞です。
そして、テストレースとは一体何のために行うものでしょうか?
それは現状を正確に把握し、練習内容に修正を加えるためです。そうなってくると、ハーフマラソンに6-8週間前に出場して、その後やや練習に修正を加える、2-3週間前に10キロのレースに出場し、最後の2-3週間の調整練習に微調整を加えるというのがオーソドックスなパターンです。
2-3週間前に30キロや20キロを全力で走ると、確かに現状は正確に把握できます。しかし、それ自体のせいで疲労が残ってしまうので、逆にその後の状態がよく分からなくなってしまいます。
そして、距離走としてレースに出場するパターンですが、レースの4週間前前後に40-42キロをレースペースの90%前後で走ることは、心身ともにレースに向けて準備をするのに非常に理に適っています。
で、この時に、一人で走るのはきついし、レースに出れば給水もあるし、せっかくだからレースにエントリーしてそれを距離走にしようというのが、距離走としてレースに出場することであり、テストレースとは意味合いが全く異なります。
これらを総合的に考えて、最終どうなるかということですが、元々5週間前はちょっと早いなと思っていたので、ご自身で4週間前に40キロ走をされると良いと思います。
ちなみに、サブ3.5ペースの1キロ4分58秒ペースの90%は、298X0.1=29.8、4分58秒+29.8=5分28.8秒ペースとなります。これはあくまでも目安ですが、目安としてはこんなものです。
その後の練習に関しては、別に特別にこれをやれば良いというものはありません。疲労を抜きながら、特異的走力を落とさないようにする。
望ましくは若干の特異的能力をプラスで加えるというのが望ましいです。
で、今の○○さんの力であれば、30キロまでサブ3.5ペースで行ってもそれほど、疲労は残さないと思います。
ですから、3週間前に30キロマラソンレースペース走、2週間前に20キロマラソンレースペース走、1週間前に10キロマラソンレースペース走、4日前にマラソンレースペース走、それ以外の練習はそれほど距離は落とさず、頻度も変えず、低強度走を中心に組んでいくと良いと思います」
ということです。あなたのご参考にもなりますと幸いです。
素敵な日曜日の夜になりますように
ウェルビーイング株式会社代表取締役
池上秀志
追伸
もしも、あなたが40歳以上の男性でマラソンが速くなりたいと思われているのでしたら、絶対に役立つ内容となっておりますので、無料ブログの「走り始めてからたった2年間でサブ3を達成した56歳男性の話。如何にしてそれをなしえたか?」を必ずお読みください。
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