目次
1.炎症とは何か?
2.炎症のメカニズム
3.低度で慢性的な炎症
4.フリーラディカル
5.抗酸化
6.RICE療法
7.非ステロイド系抗炎症剤
8.ステロイド
9.自然の抗炎症剤
10.クルクミン
11.MSM(Methylsulfonylmethan)
1. 炎症とは何か
競技者にとって最大の敵ともいえる故障。市民ランナーの人達にとっても足が痛くて走れないという状態ではなかなか人生を楽しめないのではないでしょうか。様々な故障がありますが、痛みの原因となっているのは炎症です。また逆に炎症が故障を引き起こしていると言えるケースも多々あります。疲労骨折でさえも、折れている骨が痛いわけではなく、折れている骨の周囲の筋肉等の組織に炎症が起きて痛みを感じます。あまり薦められることではありませんが、疲労骨折している選手がマッサージや鍼治療によって損傷している骨の周囲の筋肉をほぐしながら練習を続けて骨が固まることがあるのはこのためです。
さて、今回は炎症のメカニズムについて説明していきたいと思います。
2.炎症のメカニズム
もし走っているときに肉離れを起こすとします。筋肉内での損傷個所に内出血を止めるための血小板や白血球、特にリンパ球、好中球、単球等の免疫細胞が多く送られます。そしてその免疫細胞が傷ついた細胞を掃除し、その残骸を流さなければいけません。そのため患部にはたくさんの血液が流れ込みます。血管や毛細血管が拡張され細胞内部には通常より多くの体液が流れ込み膨張します。そして、神経の末端部を刺激し、痛みを感じるのが炎症であり、この時痛みの他に、腫れ、発赤、発熱を伴います。これが典型的な炎症です。以上に述べたように炎症は治癒の必要な過程の一つです。免疫細胞がきれいに掃除してくれたあとで、再毛細血管化、新しいコラーゲンの成長、正常な細胞の生まれ変わりが始まります。
3.低度で慢性的な炎症
急性的で発熱、発赤、腫れを伴うような炎症が治癒過程の一つであるのに対し、発熱、発赤、腫れを伴わないような低度で慢性的となる炎症もあります。これは治癒過程には必要ではないだけではなく、この低度の炎症の所為で神経の末端部が圧迫され痛みを感じ脳はより多くの免疫細胞を送るように指示を指し、その結果細胞や血管の膨張が起き、神経の末端部が圧迫され痛みを感じるという負の連鎖に陥ってしまいます。行ってみれば、花粉をウイルスと勘違いしてくしゃみや鼻詰まりをもたらすようなアレルギー反応と同様で、本来ない方が良いものです。実はこの低度で慢性的な炎症はガン、アルツハイマー、心筋梗塞、脳卒中、動脈硬化の原因ともなるもので非常に厄介なものです。
そして実感としては、長距離選手の故障は肉離れやねんざのような急性的なものよりもこの程度で慢性的な炎症が大部分を占めるのではないでしょうか?「走れるけどこの3か月間ずっと膝が痛む」、「足底筋膜炎がもう一年間も治らなくて」、「体が温まると痛くないけど、走り始めと走り終わった後が痛いんだよなぁ」こんな人あなたのまわりにいませんか?あるいはあなたがそうかもしれません
皆さんはこんな疑問を持ったことがありませんか、「人間の細胞って2,3か月で全部入れ替わるって言われてるのに何で4か月とか半年とか故障してたり、走れるけど痛いっていう状態が続くんだろう?」
その理由は一言で言えば細胞が正常に生まれ変わっていないからです。細胞死にはアポトーシスとネクローシスという二つの種類のものがあります。アポトーシスの方はプログラム死とも呼ばれており、もともとDNA によってプラグラミングされていて、古くなった細胞が自動的に死に新しい細胞へと生まれ変わるものです。この時炎症は起こらず最後はリンパ球・食細胞が飲み込んで処理してくれます。
一方のネクローシスは傷ついたDNAによってもたらされる炎症を伴う細胞死です。アポトーシスは徐々にアポトーシス小体という小さな細胞に分かれていき最後はリンパ球や食細胞に食べられるのに対して、ネクローシスは自爆のように小さな破片へと破裂していきます。そしてその炎症が更に炎症を引き起こすという連鎖反応が起こります。
アポトーシスを引き起こすカギを握っているのはミトコンドリアDNAだと言われています。そう中学、高校の生物で習った呼吸によって(つまり酸素を用いて)エネルギーを生み出す細胞の中に存在するあの小さな器官のことです。このミトコンドリアDNAが正常に働いていればアポトーシスという正常な細胞死を引き起こすことが出来るのですが、DNAを傷つけネクローシスを引き起こす厄介者の存在があるのです。それがフリーラディカルです。そして故障に付随する炎症と戦っている人は、同様にそれによって余分に生じるフリーラディカルと戦わなければならないという連鎖に陥ります。他にもフリーラディカルは細胞の脂質やたんぱく質も傷つけ加齢を促進させる原因となったり、関節炎、動脈硬化、ガン、脳卒中、心筋梗塞の原因となります。
フリーラディカルはウイルスやバクテリア等の細菌を殺すために白血球によっても作られ、また呼吸のたびに作られるものでもあります。しかしながら、人体は酸素をエネルギーにする進化の過程の中で、スーパーオキシドディスムターゼ、カタラーゼ、グルタチオンペロキシターゼのような抗酸化酵素によって無害なものに変えるという適応を遂げてきました。
でも・・・賢明な皆さんのご推察通り話はそう単純には行かないから低度で慢性的な炎症が続く訳ですよね。
4.フリーラディカル
人間の体は炭素、酸素、水素、窒素、カルシウム等の元素の組み合わせによってできています。これら元素は中心に原子核があり、その周辺に霧状に電子が広がっているのですが、ここでは分かりやすいように原子核の周りに電子の輪があるところを想像してください。そしてそれぞれ分子は電子をいくつ持っていれば化学的に安定するというのが決まっています。スイヘリーベボクノフネと聞いたことがあるのではないでしょうか。この場合、一番目に来るスイは水素のことですが、つまり水素は原子核の周りに電子が一つあると化学的に安定するのです。
先ほどから化学的に安定するという言い方をしているのは実際には体内では安定した物質はあまり存在せず、電子を受け取ったり(還元反応)、電子を渡したり(酸化反応)という現象が繰り広げられているのです。
さて、ようやく本題に入りますが原子核を周回する電子の数に不足が生じ不安定になった物質のことで、フリーラディカルは安定を得るために他の(たいていは隣の)分子を攻撃し、電子を強奪する。そして電子を奪われた不安定な分子はまた他の分子を攻撃し・・・という酸化反応の連鎖反応が起きてしまいます。そしてフリーラディカルの作用で最も恐ろしいのがDNAの酸化損傷です。
しかし前回の記事で述べたように、人体は進化の過程の中でフリーラディカルを無害化する酵素を身につけてきました。それでもフリーラディカルを処理しきれないのは以下のような精神的、身体的ストレスの所為です。
・不適切な飲食週間
・大気汚染
・紫外線
・不健康な石鹸、シャンプー、染髪料、化粧品の使用
・農薬
・水銀
・身体的、精神的ストレス
・放射線
・タバコ
・アルコール
・薬
身体的ストレスに関して言えば、持久系競技者はとくに酸素を用いて多くのエネルギーを生み出すので、フリーラディカルを生成しやすくなっています(適度な運動は別です)。では我々には為す術がないのでしょうか。いいえ、そんなことはありません。
5.抗酸化
抗酸化物質は、現在存在するフリーラディカルを中和するとともに更なるフリーラディカルからの損傷を防いでくれます。代表的な抗酸化物質は以下のものです。
抗酸化ビタミンとその仲間:ビタミンA、C、E、コエンザイムQ10
抗酸化フィトケミカル
・カロチノイド:ニンジン、トマト、キャベツ、マンゴー、パプリカ、ホウレンソウ
その他の抗酸化分子:尿酸、ビリルビン
そして体内に元々備わっている抗酸化酵素(スーパーオキシドディスムターゼ、カタラーゼ、グルタチオンペロキシターゼ)はマンガン、銅、セレン、亜鉛といったミネラルと共に最適に働きます。特にセレンは重要で土壌に含まれるセレンの含有率が高い地域ではガンの発症率が有意に低かったという報告もあります。セレンの含有率が高い食品は魚、鶏肉、ブラジルナッツ、にんにく、全粒粉製品です。
ORAC(Oxidative Radical Absorbance Capacity)
フリーラディカルの除去能力の指標となるORACというものがありますが、ORAC値の高い食品は以下のようになっています。(出典:『Warum Papaya kühlt und Zucker heiß macht』 Michaela Döll著 100グラム当たりのORAC
果物
クコの実 10000から30000
アサイベリー 5500以上
ザクロ 5000以上
レーズン 2800
ブルーベリー 2400
イチゴ 1550
オレンジ 750
チェリー 680
野菜
キャベツ 1700
ニンニク 1600
ブロッコリー 900
レッドビート 900
玉ねぎ 450
とうもろこし 400
上記以外のもので言えば、ブラックチョコレート、ダークココア、すもも、西洋梨、ナッツ、リンゴ、朝鮮アザミ、赤ワインも高い抗酸化物質を含みます。抗酸化物質には故障の治癒の促進・予防以外にもアンチエイジングの効果もあります。
抗炎症
ここからは具体的にどのような抗炎症方法があるのか具体的に皆さんに紹介していきたいと思います。
6.RICE療法
RICE療法またはRICE処置と呼ばれるこの手法は、Rest=安静、Ice=冷やす、Compression=圧迫、Elavation=挙上の4つの頭文字を意味します。急性の炎症が起きた時にはまずはこの4つによって患部に急激に血液が集まるのを抑えてください。炎症は治癒過程の一つと言っても、痛み等の負の側面も大きいので急激な炎症は抑える必要があります。
7.非ステロイド系抗炎症剤
非ステロイド系の抗炎症剤には、ロキソプロフェン(商品名ロキソニン)、イブプロフェン(商品名イブクイック等)、ジクロフェナク、アセトアミノフェン、アセチルサリチル酸(アスピリン)等が有名です。これら非ステロイド系抗炎症剤は即効性があり、炎症を素早く抑えてくれるのですが、副作用も多くあります。最も起こりやすいのは消化器系への副作用で胃や腸の粘膜を傷つけ出血の原因となります。便が黒くなることがありますがこれは血が混じっているからです。2004年のアテネオリンピックでは金メダル候補筆頭の英国淑女ポーラ・ラドクリフ選手が途中棄権したのを覚えておられる方も多いかと思います。彼女は故障を抱えたままスタート地点に立ちましたが、棄権した直接の原因は抗炎症剤の副作用による腹痛でした。短期の服用の場合、副作用はあまり見られませんが、2週間以上の連続した服用、もしくは1か月に10日以上の長期の服用を続けると副作用も起こりやすくなります。消化器系以外への副作用に関しては以下のようなものがあります:血液性状の変化、抜け毛、じんましん、呼吸循環器系のショック、肝臓の損傷、疲労感。
8.ステロイド
ステロイドは非ステロイド系抗炎症剤よりも強力に作用しますが、副作用もまたより大きいと言われています。どの部位にどの種類のステロイドをどれだけ投与するかで変わりますが、強力な抗炎症作用を持つ一方で、筋肉、靱帯、腱などを傷つける可能性もあります。一般的に、筋肉は腱や靱帯と比べて副作用の影響を受けにくいとされています。
またこの副作用に関しては反論もあり、「ステロイド注射の後の靱帯や腱の損傷及び症状の再発はステロイド注射の影響ではなく、痛みが消えた結果、急に酷使するからである」とする意見もあります。筆者はどちらかが正しいというよりはどちらのケースもあると思いますし、また一度痛める箇所は構造的な欠陥を抱えていることが多くステロイド注射に関係なくそもそも再発の可能性が他の箇所に比べて高いと考えています。
ステロイドの副作用は他にも様々なものがあり、以下のようなものがあります:目の疾病、鬱、糖尿病、免疫低下、体重の増加、湿疹、筋肉の萎縮、骨粗鬆症、不眠、靱帯の弾力性の低下。また長期の使用で軟骨が減少するので関節炎の治療に使う際には治すために使ったステロイドで軟骨が損傷するというパラドックスに陥ってしまいます。
9.自然の抗炎症剤
自然の抗炎症剤の特徴は副作用が全く、若しくはほとんどないこと、効き始めるまでに時間がかかること(2-4週間)です。後は個人的な意見として、炎症を抑えるために作られた薬とは違い、そもそも自然界に存在しているものの中にある炎症を抑える効果を持つ食品というのは抗炎症のみではなく、体全体にとっても良いものだと思います。さて、それでは見ていきましょう。
10.クルクミン
自然界に存在する抗炎症剤のスターはクルクミンでしょう。その抗炎症作用は4分の5の量のイブプロフェンに相当すると言われています。ウコンの根に多く含まれており、カレーのスパイスとして使われるターメリックを知っている方もいるかと思います。このターメリックに含まれているのがクルクミンです。カレーを他の国の人達よりも多く摂取するインド人は(しかもスパイスの量が多い)、がんの発症率が低いというデータがあります。
またある研究では関節炎患者をクルクミンのみ摂取するグループとジクロフェナクのみを摂取するグループに分けたところ、クルクミンを摂取していた患者のグループの方がジクロフェナクを摂取していたグループよりも痛みが減少し、関節の動きも良くなっていたという結果が出ました。炎症の指標となる血中のCRP値(C reactive protein)を測るとクルクミンを摂取していたグループの方が低いという結果になりました。
クルクミンは現在体内に存在する炎症誘発物質(TNF-alpha、NF-kapaB)を下げてくれるだけでなく、発生するはずの炎症誘発物質を抑えてくれる効果もあります。またクルクミンの効果を最大限得るにはレスベラトロールと一緒に摂取することが望ましいです。レスベラトロールは赤ブドウに含まれるポリフェノールの一種で強い抗酸化作用を持っています。カプセル状のものも売られています。
二日酔いの軽減や防止に効くとして売られているウコンの力ですがクルクミンが30㎎しか含まれていないので効果がないと言ってよいでしょう。ターメリックの粉を料理に使うか、カプセルに入ったクルクミンを買うことをお薦めします。ウコンのクルクミン含有量は3%前後といったところです。10gのターメリックには約300㎎のクルクミンが含まれていると考えると市販のイブクイック3錠分くらいの効果はあるでしょう。黒コショウに含まれているピペリンという物質がクルクミンの吸収率を10倍以上に引き上げてくれるので黒コショウと一緒に摂取することもおすすめです。
さて、100gのターメリックに300㎎のクルクミンという数字ですが健康のために使う場合は別として、抗炎症剤として使うには少々物足りないと思います。しかし、ターメリックを使ったことがある方ならお分かりいただけると思いますが、100gのターメリックを摂取するのは多くの人にとっては味的な問題として難しいと思います。なのでやはり個人的にはカプセルフォームでの摂取、若しくは料理に使用するターメリックと併用するのがベストだと思います。
ここまで、クルクミンについて紹介しました。ここからはまた別の自然界に存在する抗炎症剤を紹介していきたいと思います。
11.MSM Methylsulfonylmethan
MSMはメチルスルフォニルメタンの省略です。名前の響きはとても化学物質のような感じがしますが、主な構成要素は硫黄で牛乳やトマト、果物等に若干含まれています(残念ながら少なすぎて抗炎症剤としては使えません)。硫黄の天然温泉につかって疲れを癒した方々もいらっしゃると思いますが、古くは3000年前のトロイア戦争でギリシャ軍の指揮官であるアガメムノンが兵士の疲れを癒すために用いました。モーツァルトやベートーベンも使っていたものです。そして今から約150年前にロシアの科学者アレクサンダー・セイツェトフ博士がMSMの母体であるDMSO(Dimethylsulfoxid)を合成することに成功し、現在ではパウダーやカプセルフォームのMSMを購入することが出来ます。
MSMは関節炎、腰痛、偏頭痛、筋肉痛、頭痛等多くの痛みに対して鎮痛消炎効果を発揮します。MSMは炎症を促進する酵素の働きを抑え、損傷が起きている箇所への白血球の流入を抑え、結果として炎症を抑えます。また以前の記事でも述べたように損傷している箇所には常にフリーラディカルが関与し、同時に付随的にさらに発生するのですがMSMはこのフリーラディカルの掃除屋さんとしても良く働きます。損傷した粒子や攻撃的な粒子を根絶してくれるわけです。
また内出血に対しても同様に効果的に働きかけ、治癒過程を促進してくれます。鎮痛効果に関して言えば、脊髄と脳へと送られる痛みのシグナルを抑制するということに基づいています。よく市販の湿布薬や非ステロイド系抗炎症剤の痛み止めに「本製品は痛みや腫れなどの症状を緩和するものであり痛みの原因に効くものではありません」という記述がありますが、治癒過程において腫れや痛みを緩和させることは重要なことなのです。
また極論すれば、競技者にとって「治る」という言葉の意味は「痛みなく走れるという状態」ともいえるでしょう。腫れや痛み等の症状を緩和することは実はものすごく重要なことであり、「痛み止めなんて痛みを感じなくさせるだけで意味ないでしょ」という人達は炎症が痛みを引き起こし、炎症によって引き起こされた痛みによって更なる炎症が生じるというメカニズムを見落としています。
MSMは腱炎、関節炎、腱鞘炎、靱帯の損傷、肉離れ等広範囲の故障に効くだけではなく、運動後の筋疲労を緩和する効果もあります。ある実験で被験者を10日間MSMを摂取するグループとプラセボ群に分け、14㎞走を実施した後30分後、2時間後、24時間後、48時間後に血液を採取し筋の損傷を調べた結果、MSMを摂取したグループではプラセボ群に比べて有意に筋肉の状態が良かったという結果が出ました。これはMSMのフリーラディカル除去能力に基づくものと思われます。
あまり知られていないMSMですがカプセルタイプ、パウダー、ジェル状のものがインターネットを通じて簡単に購入することが出来ます。経口摂取の場合、一日2gを上限に2回か3回に分けて摂取するとよいと思います。ぜひ、皆さん一度試してみてください。
参考文献
『ミトコンドリア革命』宇野克明著 東邦出版
『Warum Papaya kühlt und Zucker heiß macht』Prof. Dr. Michaela Döll著
『Die Entuzündung die heimliche Killer』 Prof. Dr. Michaela Döll著
『MSM Natürliche Hilfe bei Entzündungen und Schmerzen』 Prof. Dr. Michaela Döll著
参考記事
https://de.takethemagicstep.com/ernaehrung/ernahrung-freie-radikale/ Dieter Hogenと Janett Walter著
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