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インカレ10000m日本人トップの京大生が語るトレーニング理論

こんにちは、ウェルビーイング池上です。

 「平井健太郎という男がいる」という記事はもうご覧になられましたか?まだご覧になられていない方は下記のURLよりご覧ください。

 平井は報徳学園高校時代に11月3週目の近畿高校駅伝で準エースが多く集まる3区で区間2位という結果を残し、そのまま残り少ない期間を受験勉強に専念し、京都大学に合格、京都大学時代にも勉強と部活を両立し、全日本大学個人選手権5000m2位(14分00秒)、インカレ10000m2位(28分36秒)、全日本大学ハーフマラソン13位(62分30秒 当時関西学生記録)を残したレジェンド中のレジェンドです。

 平井と私は歳も同じで、報徳学園と洛南高校という日本二大昭和体質学校から国立大学(私は京都教育大学)に入学、大学入学後は一緒に練習したり、特別仲が良いわけでもない代わりに、つかず離れずの関係をもう10年くらい続けています。

 思い出すのは、「長距離走・マラソンが速くなるためのたった3つのポイント」にも出てきた京都産業大学の伊東輝雄先生から「勉強で勝てないんやから、陸上で勝て!」と言っていただいたことですが、残念ながら勉強も陸上も常に平井のワンランク下の結果しか残せてきませんでした。ちなみに平井も長距離走・マラソンが速くなるためのたった3つのポイントに関して奇しくも私とほぼ同じ意見を持っています。

 昨日は久しぶりに平井と色々と話しました。平井はもう走っていないのですが、今でも陸上の話をよくします。彼もやはり今もし、もう一度陸上に復帰するとしたら持久走と流しから始め、そしてまずは走る頻度を増やすと言っていました。理由は単純で、コスパ最強だからだそうです。いきなり、レベルの高い練習もできないし、質も量も一気に増やすと故障をしてしまいます。先ずは頻度を増やすことで、細胞レベルで記憶構造を変えていき、流しも入れて速く走るための腰高の走りも体に覚えさせる、頻繁に走ることで長く、速く走るための基礎が着実に出来ていくけど、一方で一回に長く速く走るわけではないので、故障やオーバートレーニングのリスクは非常に低い=コスパ最強だとのことでした。

 彼はこれを忘却曲線にも例えていました。トレーニング刺激に対して体が適応するというのは細胞レベルで記憶構造が変わることです。そう考えたときに勉強でも一度あることを学習し、その後時間の経過とともに忘れる量が多くなるが、忘れる前にもう一度学習すれば、徐々にそれが長期記憶として定着する、この時一度にまとめて勉強しても、次学習するまでに時間が空くと、どんどん忘れていくので長期記憶としては定着しない、これはトレーニングで言えばトレーニング刺激に対する適応が起こらないということになります。

 実際に忘却曲線がどのような経過をたどるかは私は知らないのですが、こまめに何度も学習することで定着するというのは経験的に知っていますし、トレーニングも初期の段階はとにかく頻繁に走ることで疲労をため込まずに体を作っていくことが出来るのも知っていたのですが、まさかこの二つを結びつけるとはさすがの着眼点です。

 そして、話はピーキングにも及びました。やはり平井も人間が本当の意味で最高の状態を作れるのは年に2回程度、そしてその最高の状態は2週間程度しか続かない、もしもっと頻繁に最高の走りが出来るという人がいたら、その人はまだ最高の状態がどのようなものか知らない人だと言っていました。

 ピーキングにはまず練習の量を増やす、質の高い練習を入れていく、レースに近い負荷をかけていく、そして最後に疲労を抜きながらも良い状態を維持し、肉体のフレッシュさとトレーニングの負荷の調和を図る、そうやって最後は頂上にアタックするのはせいぜい2週間程度だとのことでした。

 私もそうなのですが、平井も強かった時期も常に強かった訳ではありません。先ほどの結果を見てもお分かりいただけるように彼が自己ベストをマークしたのは全て全国大会です。実はこれって物凄く難しいんです。長距離選手の大半が自己ベストを日体大記録会やエコパの記録会(静岡県長距離記録会)で出している中、勝負の場でタイムを残すというのは凄いことなんです。でも彼はそれを狙ってやっていました。

 平井も走れていない時は普通に5000m15分台、10000m30分後半の選手になります。でも、彼はピーキングについて私が知る限り誰よりも(私よりもはるかに)理解している男です。狙ったレースにピタッと合わせて、普段の力を大きく上回るタイムを出します。

 実は平井は一年あったら、半分くらいは凡人です。失礼ですけど、練習見てても基礎トレーニングの時期は本当に別人です。でも、それはその基礎トレーニングの時期があるからこそ高い頂点が来るんです。私が市民ランナーの大半は自分の力を出し切れていないと考える理由の一つは年がら年中同じような練習をしており、平井の言葉を借りるなら「まだ最高の状態を知らないから」です。

 今まで私は本当に多くの一流選手、指導者とお話をさせていただく機会に恵まれました。実績では平井よりも上の方もたくさんいらっしゃいます。でも、その中で平井ほど自分が現役時代にやってきたことを体系的に理解し、そして人に説明出来る人はいません。だから、ものすごく勉強になるんです。ただのオリンピック選手では到底太刀打ちできない、そんな表現をついつい使いたくなるほどの知性、そしてそれを高いレベルで具現化したことへの感動を感じます。

 ピーキングについて勉強してみたいという方のために「狙ったレースで最高の結果を出すピーキングのコツ三選」という12分ほどのYouTube動画をご用意しています。

 こちらの動画をご覧いただき、更に学んでみたいという方のために「トレーニングプログラムビルダー」をご用意していますので、動画の説明欄よりご確認ください。

それでは12分間の無料動画をどうぞ!

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筆者紹介

​ウェルビーイング株式会社代表取締役

池上秀志

経歴

中学 京都府亀岡市立亀岡中学校

都道府県対抗男子駅伝6区区間賞 自己ベスト3km 8分51秒

 

高校 洛南高校

京都府駅伝3年連続区間賞 チームも優勝

全国高校駅伝3年連続出場 19位 11位 18位

 

大学 京都教育大学

京都インカレ10000m優勝

関西インカレ10000m優勝 ハーフマラソン優勝

西日本インカレ 5000m 2位 10000m 2位

京都選手権 10000m優勝

近畿選手権 10000m優勝

谷川真理ハーフマラソン優勝

グアムハーフマラソン優勝

上尾ハーフマラソン一般の部優勝

 

大学卒業後

実業団4社からの誘いを断り、ドイツ人コーチDieter Hogenの下でトレーニングを続ける。所属は1990年にCoach Hogen、イギリス人マネージャーのキム・マクドナルドらで立ち上げたKimbia Athletics。

 

大阪ロードレース優勝

ハイテクハーフマラソン二連覇

ももクロマニアハーフマラソン2位

グアムマラソン優勝

大阪マラソン2位

 

自己ベスト

ハーフマラソン 63分09秒

30km 1時間31分53秒

マラソン 2時間13分41秒

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