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一年がかりの有言実行

こんにちは!

 本日こちらのブログをお届けさせて頂いているのは、一年がかりのプロジェクトにようやく第一歩を踏み出せることが決定したからです。

 事の始まりは昨年の7月27日、突然一通のメッセージがケニアから届きました。

 送り主の名はジョイス・シル―、お兄様のジェームスさんとケニアのナクルという地域で、恵まれない様々な事情で孤児になったり、親はいるけれど貧困故に育てきれずにホームレスになってしまった子供たちに最低限の衣食住を提供する施設の運営者です。

 そして、寄付をして欲しいと言ってきました。

 寄付を募るというのは悪い方法ではありません。世界中には心ある人たちがたくさんいるのも事実です。

 ですが、寄付というのは現実的に考えて、継続することは難しいのです。

 何故ならば、寄付する方へのメリットがほとんどないからです。またそんな地球の反対側の子供たちにお金を届けたところで役に立っているという実感も湧きません。

 一回はお金を出しても継続的に出し続けるかというとそういう人はほとんどいません。

 では、寄付される方に問題はないのかというと寄付される方にも大いに問題があります。それは世界の法則とも言えるもので、保護されると弱くなるということです。

 世界は公平には出来ていません。決して平等ではありません。

 ですから、恵まれない子供たちへの一定程度のサポートは必要だと思います。

 しかし、一定程度サポートして、教育を与えて、そのあとはどうするのでしょうか?

 そもそも、貧困地域には職が豊富にある訳ではないのです。職がないから、貧困にあえぐ人々がいて、そういう人たちが子供を産んで、やっぱり子供を育てられなくて、子供が路上生活者になり、教育も受けていない路上生活者同士がまた子供を作って、その子供たちが路上生活者になる、このループが延々と続いている訳です。

 この連鎖を止めるにはどうすれば良いのでしょうか?

 この連鎖を止めるには現地に雇用を作るのが一番良い方法です。現地から商品を仕入れて、それを日本で販売し、その利益を還元するのが最も永続的に続けられる方法です。

 そうすれば、お金を出す方にもメリットがあり、現地にも雇用が生まれます。

 最終的には、自前の農場を持ち、茶畑を作り、肉体労働が好きなものは農家として働き、マーケティングやセールスに興味があるものは、マーケティングやセールスの部門で仕事をする、そして、学校では基礎的な教育に加えて、農業やマーケティング、セールスのカリキュラムも組み入れるのが私の最終的なヴィジョンです。

 当然、その為には多くの方の協力が必要です。

 何故、私がそのような想いに至ったかというと理由は二つあります。

 一つ目は、私自身もケニアに何度か脚を運び、現地の選手と同じトレーニングキャンプで現地の人と全く同じ生活もして、自分の目で見てきた経験なのですが、あの国の貧困層は日本とはレベルが違います。

 日本でも子供の7人に1人は貧困層といいますが、それは相対的貧困という概念のことです。相対的貧困というのは、他の子供たちがだいたい持っているものを手にできない貧困層のことです。

 これも実はどこに線引きするかは研究者によって変わる概念です。

 例えば、スマホを持っていない子供を貧困層に分類するのか否か、習い事に通えない子供たちを貧困層に分類するのか否か、私立の高校に通いたくても通えない子供を貧困層に分類するのか否か、厳密な線引きは難しいです。

 ですが、いずれにしても衣食住に困る絶対的な貧困とは違い、衣食住はあり、だいたいは学校くらいは通えている訳です。

 一方で、ケニアにはまだ学校に通えない子供たちがたくさんいるんです。それでも一昔前よりはかなり改善されていて、今の若いトップランナー達の大半は高校は卒業していると思います。

 ですが、私がプロランナーになったころは30歳以上の先輩方が大半でしたが、高校を卒業している人の割合は半分くらいでした。

 で、これは想像して頂きたいのですが、毎日夜は岩の下でズタ袋にもぐりこんで寝て、毎日ゴミ捨て場に通ってわずかな残飯をあさったり、市場で売れそうな服や物を探し当てては、市場で売ってわずかなお金に変えている子供たちに自力で将来を変える力があるでしょうか?

 人生では努力次第でなんとでもなると信じている人もいるのは知っていますし、私も基本的にはそう思っています。

 しかし、こういった子供たちに自力で将来を変える力はあるでしょうか?

 少なくとも初めは自力では無理だと私は思います。きっかけとしては誰かのサポートが必要なんです。これが誰かがやらなければならない一つ目の理由です。

 では、私がやってみようと思った理由の二つ目は何かというと、現在ケニア人選手を何人か抱えて、サポートしているのですが、ケニア人も意外と(と言ったら失礼かな?)ちゃんと教育したら、しっかりしてくるものなんです。

 これはケニアに行ったことがある人にしか分からないと思いますが、ケニア人はもうとにかくいい加減です。

 遅刻はするは、嘘はつくは、とにかく怠惰な人種です。政治家は腐敗し、警察官は堂々と不当に足止めし、賄賂を要求してくるような国です。

 この国は一生発展しない、そう言いたくもなります。

 ですが、私はかねてから本当にそうなのかなという気持ちも同時に持ち合わせていました。

 というのも、実はケニアという国自体はアフリカの中では比較的裕福な国で、一応経済は発展し続け、首都のナイロビなんかは目を見張る発展を遂げています。

 また、普段は怠惰で100%というほど時間を守れないケニア人たちですが、練習時間に遅れることはないんです。

 ある意味で、彼らの中に溢れているのは無力感です。

 「どうせやっても無駄なんだ」という気持ちです。

 では、何故走ることだけは一生懸命やるかというと、実際に何人もの選手がマラソンやロードレースで活躍し、大金を手にし、車を買い、大きな家に住んでいるのを目にしているからです。

 要はやれば出来ると思っているのであれば、ちゃんと変われるんじゃないかと思うのです。

 うちのライオンズの選手たちも貧困家庭を出た選手ばかりで、お金がなく、サポートしてくれないかと二年ほど前にマネージャーのタイタス氏から相談を受けたことからサポートを開始しました。

 初めは、私も口出ししなかったのですが、やっぱり放っておいたら様々な問題が生じて一時はほとんど崩壊していました。その段階になって私もこのままではいけないと思い、選手全員とワッツアップグループでグループチャットを作り(日本で言うところのライングループ)、直接教育に乗り出しました。

 教育というとおこがましいかもしれませんが、何故我々はこういった活動をしているのか、日本のランニングファンの人たちが何を求めているのか、今我々はどこに向かっているのか、将来的な理想の地はどこにあるのかといった一般的な事がら、トレーニングに関することなどを教えていきました。

 そうすると、ちゃんと仕事が出来るようになってきています。

 誰も教えないからやれないだけで、教える人がいたらちゃんと出来るようになるのではないかと私は楽観的に思っています。

 また、こんな話もあります。1930年から1945年の間にかけて、日本は八紘一宇の理念を掲げ、アジア各地で白人からの植民地支配から現地の人々を解放しようと様々な活動を展開しました。

 中には戦争犯罪者も多数出る結果になってしまいましたが、本当に現地の人々の為に尽力した人たちもたくさんいました。

 実際に、今でもミャンマー、インドネシア、オーストラリア、パプアニューギニアなどの地域に日本人が行くと「日本軍はいつ帰ってくるんだ。日本軍は撤退するときに「必ずまた帰ってくる」と約束してくれた。いつ帰ってくるんだ」と質問攻めにあうというようなこともあるそうです。

 その時に、「何故そんなに日本人を歓迎するんだ?」と聞いたら「白人のマスターたちは俺たちのことを汚いといって決して近寄らなかった。同じものも決して食べなかった。でも、日本人だけが、同じところで寝て、同じものを食べて、「俺たちは白人たちから君たちを解放するために来たんだ。一緒に頑張ろう」と言ってくれた。それが嬉しかった」とのことでした。

 実際に、日本軍が撤退するときに、日本の兵士をかくまった現地の人々はたくさんいました。そういう人たちの多くが戦後オランダ、イギリス、オーストラリアと言った国々の人たちに戦争犯罪者として処刑されています。


 日本人は日本人で、玉音放送後も日本軍が撤退した後に再び植民地支配しようと入ってきたオランダ、イギリス、フランス軍を相手に現地の兵隊たちと一緒に闘い、戦死した人もたくさんいます。


 その結果として、アジアの国々は次々と独立を果たしました。

 そうやって考えてみると、確かに私のように現地の人と完全に同じ生活をしていた外国人というのはそれほど多くなくて、現地の人たちと雨水ためてたらいで洗濯をしたり、一緒にウガリというトウモロコシの粉から作る主食を作ったり、スワヒリ語というケニアの公用語やカレンジン語という部族の言葉を覚えたりすると、喜んでくれたという経験はありました。

 やるなら、中途半端にやらずにちゃんとやれば、何とかなるのではないかと思います。

 とは言え、理念だけではなんともならないのも事実で、何をやるのにも必要なのはお金です。


 そして、お金を預かるからには生まれるのが責任です。

 実はここまで時間をかけなくても、早々にウェルビーイング永久名誉会員の道下さんら、数名の有志の方から「すぐにでも支援させて頂きたい」とは言って頂いていました。

 ですが、なにせ色々初めてのことなので、ちゃんと商品は届くのかとか、ジョイス・シル―氏の施設はちゃんとしたものであるのかとか、色々気になることはあります。

 そういった諸々を自分の目で確認する必要はあったので、実際に私の手元に紅茶が届くまで、お金を出してもらうのは待って頂いていたのです。

 そして、実は紅茶を売って得た利益もまだ先方には送っていません。


 何故ならば、一回目は自分の手で現金で渡したいと思ったからです。それが一番確実な方法です。そうすれば、施設の様子も見ることが出来ます。

 そんな訳で、6月17日、日本から30時間の移動を終えた後、そのまま直接ナイロビのジョモケニヤッタ国際空港から車で施設の方に移動して、その日はナクルに一泊して施設を視察してきます。


 その時に紅茶を売って得られた利益全額を手渡しし、今後のこともしっかりと話し合ってきたいと思います。

 長くなりましたが、本日ご連絡させて頂いたのは、出国前に最後の紅茶の受注を行いたいと思ったからです。

 その際に一つだけお願いがあります。

 実はこのケニアン紅茶ケリチョゴールド、非常に美味しく、お中元用に6箱、8箱、10箱と購入して親戚に配ってくださる方もいらっしゃいます。

 ですが、実は在庫が残り少なく、なるべく多くの方に味わって頂きたいので、今回の注文はおひとり様4箱までとさせて頂きます。

 何卒ご理解のほど宜しくお願い致します。

 また、送料の関係で3箱以上ご注文いただいた方には600円引きの価格でお送りさせて頂くことが可能です。

 決済の際にクーポンコードの欄に「送料割引」と入力し、適用ボタンをクリックして下さい。

 ケニアン紅茶ケリチョゴールドは無添加の最高級茶葉使用です。何百年も英国紳士のティータイムを提供してきた本場の味を是非ご賞味ください。

 詳細はこちらをクリックしてご覧ください。

ウェルビーイング株式会社代表取締役

池上秀志

追伸

 ケニアには練習の後あまーいミルクティーを皆で飲む習慣があります。ケリチョゴールドは濃い目の味なのでミルクティーにピッタリです。鍋に水200ml、ケリチョゴールド1包と黒砂糖をたっぷり入れて、火にかけて下さい。沸騰したら牛乳200mlを加えて吹きこぼれる直前に火を止めると完成です。

 数々のロードレース、メジャーマラソンで優勝してきたケニア人ランナー達の贅沢なひと時を是非日本でも味わってください。

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筆者紹介

​ウェルビーイング株式会社代表取締役

池上秀志

経歴

中学 京都府亀岡市立亀岡中学校

都道府県対抗男子駅伝6区区間賞 自己ベスト3km 8分51秒

 

高校 洛南高校

京都府駅伝3年連続区間賞 チームも優勝

全国高校駅伝3年連続出場 19位 11位 18位

 

大学 京都教育大学

京都インカレ10000m優勝

関西インカレ10000m優勝 ハーフマラソン優勝

西日本インカレ 5000m 2位 10000m 2位

京都選手権 10000m優勝

近畿選手権 10000m優勝

谷川真理ハーフマラソン優勝

グアムハーフマラソン優勝

上尾ハーフマラソン一般の部優勝

 

大学卒業後

実業団4社からの誘いを断り、ドイツ人コーチDieter Hogenの下でトレーニングを続ける。所属は1990年にCoach Hogen、イギリス人マネージャーのキム・マクドナルドらで立ち上げたKimbia Athletics。

 

大阪ロードレース優勝

ハイテクハーフマラソン二連覇

ももクロマニアハーフマラソン2位

グアムマラソン優勝

大阪マラソン2位

 

自己ベスト

ハーフマラソン 63分09秒

30km 1時間31分53秒

マラソン 2時間13分41秒

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