突然ですが、あなたは以下のような話を聞いたことがないでしょうか?
走ると脚が太くなる
炭水化物を食べると痩せる
16時間の断食をすると痩せられる
バターコーヒーで痩せられる
朝何も食べずに走るのは体に悪い
ウェイトトレーニングをすると男性のような体になってしまう
痩せるには摂取カロリーが消費カロリーを下回れば良い
ジョギングは体に悪い
こういった話がまことしやかに世の中に出回っているのですが、本当でしょうか?
最近私の周りで「痩せられない」「自分の体がデブで本当に嫌だ」「痩せるために摂取カロリーを減らしている」「ダイエットの為に朝何も食べずに走ったら倒れてしまった」などのお声が届いているので、本記事では私が正しいと考える完全無欠な体の作り方を解説させて頂きます。
そもそも完全無欠な体とは?
本題に入る前にそもそも完全無欠な体とはどのようなものか初めに定義しておきたいと思います。私の定義は非常に単純で「遺伝子本来の意味における最も健康的な体」のことです。
遺伝子本来の意味におけるもっとも健康的な体というのは、当然個人差があります。例えば、男女の差はとても大きいものであり、男性は女性のようにはくびれがないし、下半身やお尻や胸に脂肪がつきにくく、筋肉がつきやすいです。
そして、男性は筋肉がつきやすいと言っても、限度はあります。一部のメジャーリーガーやハリウッドスターのようにステロイド注射を使わないといけないようなムキムキの体やジムでのウェイトトレーニングでひたすら筋肉を大きくしたは良いものの動きにくかったり、故障しやすい体も遺伝子本来の意味におけるもっとも健康的な体とは言い難いです。
私は西部ライオンズや読売ジャイアンツでプレーされていた清原和博選手の大ファンでしたが、どうも肉体改造という名の徹底した筋肥大を行ってから、動きが緩慢になり、故障ばかりされていたように思います(ただし、当たった時の一発の大きさと相変わらずの勝負強さは魅力でした)。
人間本来のという意味で言えば、当然男性は重いものを持ち上げることも求められましたが、重いものを長時間持ち続けたり、長時間にわたって鍬を取って田畑を耕し続けたり、武具や鎧兜を着用しての長距離の行軍といったことの方が求められたはずであり、アーノルド・シュワルツェネッガーさんみたいな体格はちょっと平均値からは外れているかなとは思います。
それがダメだということではなく、あそこまでいくのであればかなり極端なトレーニングが必要であり、もしかするとステロイド注射も必要となるかもしれず、本記事の対象外であるということです。
そして、これは特に女性の方にお伝えしたいことでもあります。よく言いますよね。「痩せたい」とか「私デブ」とか。あとは筋トレをしてムキムキになるのが嫌とか。脚が太くなるのが嫌とか。
ですが、生物学上女性の方がある程度は脂肪の量が多くなるのは仕方のないことです。また、昔は女性も多少の肉体労働をすることはあったはずなので、多少の筋肉もあったはずです。
何が言いたいかと言うと、痩せたいと言っても痩せていれば痩せているほど魅力的だという考え方は捨てた方が良いのではないかということです。また、多少の筋肉もあった方が機能的であり、か弱ければか弱いほど女性らしいという訳でもないような気がします。
そんな訳で、ステロイド注射や極端なトレーニングを実施したハリウッドスターの方やメジャーリーガーを基準に良い体を作りたい方にとっては本記事は対象外ということを理解して下さい。
女性も男性もある程度平均的な遺伝子本来の意味におけるもっとも健康的な体を基準とさせて頂きます。
ただ、私は魅力的になることを否定している訳ではなく、基本的には生物学的に健康な体とは実際に機能が優れており、我々の感性にも魅力的であるとうつるように出来ていると考えています。
実際に、女性の方にとって一番人気な男性の体型は細マッチョ、つまり太ってもおらず(ちゃんと動ける)、筋肉がある程度ある(ちゃんと重いものを持てる)人であり、男性に人気な女性は標準体型の女性(太っておらず、つくべきところに脂肪がついている)です。ボンキュッボンはそれをもう少し極端にした体型と言えるでしょう。
ちなみに、男が「ぽっちゃりの人が好き」といった時、女性との間に認識の齟齬が生じやすいようですが、男の言う「ぽっちゃり」とは大抵の場合、標準的な女性の体形にやや脂肪=女性らしさを足した人か男性の体を標準としてそこに女性らしさ=脂肪を足した状態なので、女性からすると割と普通というか標準型に近い体型であることがほとんどです。
男女ともに言えることですが、健康を維持するには多少の脂肪も筋肉も両方必要です。更に、血液循環が良かったり、細胞レベルでエネルーを生み出す能力(ミトコンドリアのエネルギー産生能力)も若さや美容、疲れにくさに関係があることなので、基本的には外見的に魅力的な人は遺伝子レベルで健康な人が多いです。
ただ、当たり前ですが、人間は理性が発達しすぎて、好みがかなり様々であることは予めご理解下さい。女性から見た男性もあまりにもムキムキだと気持ちが悪いという人も少なくないですが、やっぱり男たるものムキムキが好きだという人もいます。
男性から見た女性も普通はあまりにも筋肉がなく、脂肪だけあってたるんたるんで太っていたら魅力がないと感じる人が多いですが、中には出来れば体重100キロは超えていて欲しいと言う人もいますし、また脂肪や筋肉があまりにも少ないとやはり女性らしさを感じない人が多いですが、そういうガリガリの人が好きな人もいます。
これらは別にどれが正しくてどれが間違っているということはありません。
ただ、単純な理屈として、原始時代や農耕社会に戻った時に、最も生活に適応しやすいのが遺伝子的に健康的な体だと言え、現代社会においては遺伝子本来の意味におけるもっとも健康的な体を持っていなくても不便なく暮らせるようになっただけであって、遺伝子本来の意味におけるもっとも健康的な体が失われた訳ではありません。
また座業従事者における仕事の生産性や知能指数も肉体と完全に分けることは出来ず、やはり、身体的に優れている人の方が疲れにくいので集中力も高く、生産性も高くなりやすいです。
詳しくは口述しますが、神経ニューロンやホルモンも運動と関係があるからです。
また、継続的にトレーニングできる人は自己規律能力に優れているので、そういった観点からも仕事や勉強ははかどりやすいはずです。
完全無欠な体の要素
完全無欠な体とは実際に表面的にはどのようなものなのかということですが、以下の条件があると思います。
・ある程度の筋肉があり、無駄な脂肪がそぎ落とされている
・疲れにくい→毛細血管が発達しており、細胞の中にあるミトコンドリアのエネルギー産生能力が高い
・肌がきれいなど見た目が若い→古い細胞や傷ついた細胞が早めに死に、新しい細胞が生れる力も強い(ミトコンドリアのエネルギー産生能力が高い)
・肌がきれいなど見た目が若い→成長ホルモンや性ホルモンなどの必要なホルモンが分泌されている
・やる気に満ち溢れている→男性ホルモンの分泌量を確保する
完全無欠な体を作るための具体的なトレーニング
上記の項目をクリアするには持久系のトレーニングと筋トレを組み合わせることが大切です。このように書くと多分、このブログ記事の読者様の大半が実践されていることと思うのですが、もう少し具体的に書いてみましょう。
先ずは持久系のトレーニングは有酸素トレーニングと言われることも多いですが、同じものだと思ってください。持久系のトレーニングに関しては、完全無欠な体を作るという観点からは別にランニングじゃなくても構いません。水泳でも構わないし、ジムにあるエアロバイクやクロストレーナーでも構いません。
ただ、私はやはりランニングがおススメです。何故かと言うと、全身運動であるのと接地の衝撃があるからです。多分、普通に走っていて体幹が鍛えられるという感覚ってほとんどないと思うんですけど、走る時って結構体幹も一緒に鍛えられています。だからこそ、競技者はより高いレベルのパフォーマンスを発揮するために補強を行うんです。
でも、本来は走ることによって自転車やエアロバイクで鍛えられない筋肉も鍛えられるので、私はやっぱりランニングがおススメです。また、接地の衝撃があるので脚の筋肉も鍛えられやすいです。自分の体重によるダメージに耐え、そして自分の体重をまた前に運ぶというのは人間の動作の基本とも言えるもので、筋肉もつきやすいです。
ここで、筋肉がつきやすいという話をしましたが、厳密に言えば、筋持久力がつきます。「走ると脚が太くなるから走らない」という方もいらっしゃいますが、別に走っても脚は太くならないです。何故なら、筋肥大するような強度の運動ではないからです。
ロードバイクをやったからといって、誰もが競輪選手のような太い太ももにならないのと同じで、筋肉を大きくしようと思うとある程度の強度が必要です。瞬発的な動きじゃなければ、筋肉は太くなりません。ですから、別にランニングをしても脚は太くなりません。
寧ろ脂肪が落ちるので細くなります。ただ、これもある程度の反論はあって「走っているのに脚が細くならない」という方もいらっしゃいます。
理由は二つあって、先ず第一にその人がすでに遺伝子本来における健康的な脚の太さに到達しているのであれば、おそらくそれ以上は細くはならないし、細くなるのがそもそも良いことなのか考えないといけません。
それから二つ目の理由も大きくて「走っているのに脚が細くならない」という人の大半は実業団選手ほどの練習量をこなしている訳ではないということです。これはその時の練習量だけではなく、練習期間も重要です。
例えば、私も高校生の時の方が脚が太く、すこしぼてっとしていました。今の方が全然脚は引き締まっています。だからと言って、高校時代よりもはるかに練習量が多い訳ではないですが(多いのは多い)、その練習量を高校卒業後も10年くらいずっと継続していることが大きいです。
何事もすぐに成果が出る訳ではないので、焦らずに取り組むことも大切です。
また、ランニングは全身運動だということを書きましたが、全身運動であるということはそれだけ全身で必要となるエネルギー量が多い=全身で必要なエネルギーの総量が多いということであり、この観点からもエアロバイクなどに比べて心肺機能に負荷をかけやすく、毛細血管の数を増やしたり、全身のミトコンドリアの数を増やしたり、機能を改善する効果も高いです。
ただ、負荷が高いことや接地の衝撃があることはそのままマイナス面にもつながり、段階を踏んで練習の負荷を上げていかないと続かなかったり、故障の原因になったりします。初期の段階では1,2キロしか走れないのも普通だと思います。
この練習量ではなかなか体が変わりませんが、初めは皆そんなものだと思ってください。私もそうでした。5キロ走るって言ったら、今でいう距離走(30キロ以上)と同じ感覚で、実際にダメージも今30キロ走を1キロ3分40秒ペースで走るよりも全然大きかったです。
初めは苦しくて体も変わらず、やっていても面白くないかもしれませんが、誰しも通る道だと思って辛抱強く続けることが大切です。1,2キロなら時間もほとんどかかりませんし、新しく運動習慣を始めるつもりで、運動習慣を作ることに重きを置いても良いでしょう。
出来れば、体をしっかりと変えるには30分以上の持久走やジョギングが欲しいです。中学生を選手としても指導者としてもみてきた経験から、20分でも全然効果的は効果的であると断言できます。
ただ、体が脂肪酸をエネルギーとして使うことを効果的に覚えるようになっていったり、ミトコンドリアの機能が改善される費用対効果が高まっていくのは30分以上なので、30分以上は欲しいかなと思います。
また、この際には強度も重要になります。よく消費カロリーが何キロだからということを皆さん気にされるのですが、消費カロリーは結構どうでも良いことです。あまり関係がありません。
重要なことは体に必要な刺激が入って、毛細血管密度が高まったり、ミトコンドリアの機能が高まったり、必要な刺激が体にかかることです。また、引き締まった体を作るという観点からも炭水化物をエネルギーとして使うことが大切なのです。
食べた炭水化物は肝臓と筋肉にグリコーゲンという形で貯蔵されています。人間というのは運動強度が高くなればなるほど、グリコーゲンをたくさんエネルギーとして使い、運動強度が低ければ低いほど脂肪をエネルギーとして使います。
だからゆっくり走った方が脂肪が燃えやすいと言ったりもするのですが、これは嘘です。確かに、その時(運動時)は脂肪をエネルギーとして使う割合が増えます。ですが、重要なことはそこではなく、脂肪が燃えやすい体に変えることです。そして、脂肪が燃えやすい体に変えるには継続的にグリコーゲンをたくさん使うことです。
グリコーゲンをたくさん日常的に使うからこそ、体はこのままではヤバいからもっと脂肪酸をエネルギーとして使うことを覚えようということで脂肪が燃えやすい体に変わっていくのです。
強度が高い方がグリコーゲンをたくさん使うのであれば、瞬発的な運動をやった方が良いのではないかと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、瞬発的な運動は強度が高すぎてそもそも量があまり増やせません。
ですから、必要となるエネルギーの総量がそこまで高くなりません。
例えばですが、強度が高くなればなるほどグリコーゲンを利用する比率は上がりますが、1キロ走るのに必要なカロリー数はおよそ自分の体重分です。体重60キロの人が1キロ走ると60キロカロリーを消費します。
100m10本をダッシュすると1キロ走ることになりますが、これだとグリコーゲンを仮に100%エネルギーとして使うとしても60キロカロリー分のグリコーゲンしか消費しません。そして、100%グリコーゲンをエネルギーとして使うことはあり得ません。
一方で、20キロ走って仮にそのうちのエネルギーの約半分をグリコーゲンからまかなうとしましょう。そうすると、20×60=1200キロカロリーが総消費量であり、そのうちの半分ですから600キロカロリー分がグリコーゲンです。100m走10本の10倍のグリコーゲンを消費します。
ですから、グリコーゲンをたくさん使うには時間と強度の両方が大切なのです。
ちなみにですが、競技者のなかで故障をしてその間にちょっと体がたるんでしまったという人もよく言うのは「だらだらジョギングの量だけ増やすよりもインターバルが出来るようになってからの方が体重が戻るのが早い」ということです。
これも時間と強度の両方が重要である実例でしょう。
そして、グリコーゲンをたくさん使うと炭水化物の吸収能力が上がります。これは失われたグリコーゲンを補充する為です。
このように書くと太るのではないかと思われるかもしれませんが、そうではありません。炭水化物をたくさん食べて消化吸収されない分=グリコーゲンとして貯蔵されなかった分が脂肪として貯蔵されます。
ですから、グリコーゲンを全然使っていないのに、炭水化物をたくさん食べると太るのです。人間というのは使わない機能はどんどん衰えていくので、グリコーゲンを全然使わない人はグリコーゲンの再合成能力もトレーニングしている人よりも低いと私は考えています。
実際に、ずっとトレーニングしていると脂肪が燃えやすく、グリコーゲンの再合成能力が高まるためか昔ほどお腹が減らなくなっています。
話を元に戻すとグリコーゲンを使うと炭水化物の消化吸収能力が上がるので、炭水化物を食べても太らない(太りにくい)という太っている人が聞いたら泣いて喜ぶ体が手に入るのです。
そして、運動後しばらくはずっとその時間が続きます。最もその状態が活発になっているのは運動後30分以内であり、その後も2-3時間は活発なままです。そして、そのあと6時間くらいはゆるやかにその状態が続きます。
ですから、朝一で持久系の運動をすると、一日中その状態が続くので、食べた炭水化物が脂肪として貯蔵されにくい状態かつ脂肪が燃えやすい状態が続いているのです。朝一でグリコーゲンを使っているので、体は節約のために脂肪をエネルギーとして使うことを覚えていきます。
この状態をなるべく運動なしで作ろうとしたのが、デイブ・アスプレーという方が提唱されたBullet Proof Diet(完全無欠な食事療法)であり、16時間の間欠断食です。16時間何も食べずに、8時間の間に食べるというサイクルを繰り返すことによって運動なしでも似たような状態を作ることが出来、脂肪酸をエネルギーとして使うことを体が覚えていきます。
この際に、Bullet Proof Dietではバターコーヒー(ギーコーヒー)を使いますが、これは脂肪をたっぷりと摂取することで炭水化物を入れずに空腹を満たし、16時間の間欠断食を無理なく続けるためであり、バターコーヒーさえ飲んでいれば、痩せられる訳ではありません。
ですが、せっかく走られている方にとってはそんなことをするよりも朝一で走った方が速いです。16時間の間欠断食だけではグリコーゲンも消費していませんしね。
また、朝一で走った方が良い理由としては血糖値が低くなっているからです。だいたい晩御飯を食べてから8時間以上は経っていると思うのですが、この状態だと血糖値が低いです。血糖値が低い状態で走るとやはり体は脂肪酸をエネルギーとして使うことを優先的に覚えやすいです。
朝一でもグリコーゲン自体は貯蔵されているので、本来ならエネルギーはあるのですが、体にとって重要なことは血糖値が下がり続けているのか否かです。今でこそ先進諸国に生きていれば簡単に食べ物が手に入りますが、原始時代であれば、もしかすると2,3日食べ物にありつけないかもしれません。
その時の名残があるので、長時間にわたって血糖値が減り続けている場合は体が省エネモードに入るのです。
ところが朝一何も食べずに走ると体に悪いとかそれで気を失ったという人さえいます。これは一体どういうことでしょうか?
先ず第一に、朝何も食べずに走ることが体に悪いということはないです。そもそも朝ごはんを食べてそれがすぐにエネルギーに変わる訳ではなく、寧ろ前の日の晩御飯に食べたもの方がエネルギーになっているので、血糖値は低いですがエネルギーは全然ある状態なんですね。
それでも気を失ったのには、おそらくその日の朝ごはんを食べていなかったからというよりは、ある程度の期間にわたって食べる量を減らし、運動を続けた結果だと思います。あるいは動物性食品の摂取量を減らしたことによる貧血の可能性もあるでしょう。
また、低血圧の人は朝起きてすぐに運動が辛いという方もいらっしゃるのはいらっしゃいます。いずれにしても、原因は別にあるということです。
まあ「朝から走らされる(走るではなく走らされる)」という表現を使う部活生も多いくらいで確かに辛いのは辛いかもしれませんが、私は慣れればそんなでもないと思います。
質の高い練習を行う場合なんかは競技場が空いている夜の方が良いという方もいらっしゃるでしょうし、絶対に朝ランに変えろということではないですが、朝に持久系の練習を入れた方が脂肪は燃えやすいということです。
また最後にジョギングやランニングは体に悪いという意見についても反論しておきましょう。ジョギングやランニングが体に悪いという根拠は「酸化ストレス(フリーラディカル)が大量に発生してそれが細胞を傷つけ、老化を促進するから」というものです。Daigoさんなんかもそうおっしゃっているのですが、実はこれは間違いです。
酸化ストレスが生じるのは事実です。ですが、生きていれば酸化ストレスは生じます。これはジョギングやランニングに限らず、肉体的、精神的なありとあらゆるストレスが酸化ストレスの原因となります。
喫煙、飲酒、紫外線、農薬、水銀、薬、夫婦喧嘩、上司のパワハラ、言うことを聞かない部下、全てが酸化ストレスの原因です。
で、確かに長距離走というのは負担の多いスポーツだと思います。その代わりに完全無欠な体を作るにあたっては費用対効果が良いですし、また酸化ストレスに関してはプラスマイナスで考えるべきでもあります。
人間の体には抗酸化酵素というのがあり、言ってみれば防御システムです。野球でもサッカーでもバスケでもそうですが、点を取られた以上に取れば勝つことが出来る訳です。酸化ストレスに関してもそうで、受けたストレス以上に防御システムが強くなればプラスマイナスで考えるとプラスです。
そして、この抗酸化酵素の働きの強さを決める一つの要素が、ミトコンドリアなんですね。長距離走、マラソンをするとミトコンドリアの機能や数が増加するので、抗酸化酵素の働きも強くなります。
それ以外に栄養と睡眠も重要ですが、ミトコンドリアの機能と数も重要なのです。ちなみに、私はもうすぐ30歳ですが、割と見た目若い方だと思います。違うでしょうか?
精神年齢と知能指数はもっと若くて18歳です。
完全無欠な体を作るための筋トレ
気づいたらかなり分量が多くなってしまったので簡単にまとめさせて頂きます。
完全無欠な体を作るための筋トレは大きく分けると二種類あり、一つは自重のトレーニング、もう一つはウェイトトレーニングです。
自重のトレーニングをやる目的としては、先ず第一に走るだけではなく積極的に体幹周りの筋肉やお尻周りの筋肉を鍛えることでより体が引き締まって見た目が美しくなったり、疲れにくい体が手に入ります。
姿勢を維持するだけでも筋肉は必要なんですね。ですから、そこの筋肉を鍛えておくと姿勢を維持する=生きているのが楽になるので、疲れにくくなります。
また、動かすことで血流も良くなり、多少はほぐれるという部分もあるので、パソコン疲れをほぐすためにも筋トレは良いと思います。
また、実は運動神経も良くなります。自重のトレーニングでは基本的に部位ごとに鍛えることで今この筋肉を動かしているという指令が脳に行きます。これによって、そこの箇所の運動神経が発達します。
もちろん、ランニングも全身運動なので、運動神経には指令がいっているのですが、動きが複雑すぎてかえって一つ一つの動きを脳が学習しないんですね。
人間の遺伝子に走るという情報がちゃんとあるので、球技に比べると簡単に思えるかもしれませんが、運動強度=ペースに合わせて心臓も肺も腕の動きも脚の動きも完璧に連動させるというのはとんでもないことです。
これをなるべく経済的に行うには先ずは個々の筋肉の神経回路を脳にインプットさせた方がより最適な解を脳が出してくれるのです。
自重のトレーニングには体を思い通りにコントロールすることが出来るようになるという意味合いが強いと理解して下さい。当然これは筋肉と神経回路の両面から言えることです。最低限の筋力がないとV字腹筋とかも出来ないじゃないですか。
体を思い通りに操るには神経回路と筋力の両方が必要です。
次にウェイトトレーニングです。ウェイトトレーニングには重りを使って筋肉をより効果的につけて見た目を美しくするという効果もありますが、それだけではありません。
ウェイトトレーニングを行うことによって成長ホルモンと男性ホルモンが分泌されやすくなるのです。成長ホルモンは成長期においては成長を促すホルモンですが、成人した後はアンチエイジング効果があります。
だから、芸能人の方で言えば、中山きんに君ってかなり見た目が若いですよね。筋トレをして若返ったという方は多いと思います。
ちなみに、長距離走だけではなく筋トレでも酸化ストレスは生じますが、実は適度な酸化ストレスは体に良くて、古くなったり、傷ついた細胞が早め早めに死んでくれるので、やっぱりアンチエイジングに良いんです。
運動をして肌質とか髪質が良くなったという方は多いですが、それは古い細胞が早めに死んで新しく生まれ変わるサイクルが速くなる=新陳代謝が活発になるからです。
では、具体的にはどのくらいの強度のウェイトトレーニングが良いのかということですが、だいたい8-12回持ち上げられるくらいの重さが良いとされています。20回とか30回とか持ち上げられる強度だと少し強度が低すぎるそうです。
一方で、2-3回しか持ち上げられる強度は何がダメかと言うと筋肥大してしまうんですね。筋肥大してしまうと長距離走をやる上では不利になります。それを分かった上でやるならやっても良いと思うのですが、筋肥大したくなければ8-12回持ち上げられる強度の方が良いです。
ちなみに、20-30回持ち上げられる強度の方が筋肥大すると書かれている本や文献もたまにありますが、私の経験上それは誤りです。やはり、重い重りの方が筋肥大はしやすいです。20-30回持ち上げられる強度では全然筋肥大はしないです。嘘だと思うのであれば、ご自身で両方試してみると良いと思います。
ただ、これも程度問題であって、普段全く鍛えていない人がウェイトトレーニングをすればそりゃ多少は筋肉がつく訳ですから、筋肥大はします。肥大というか全くなかったところに筋肉が出来ます。
腕立て伏せだけでも筋力はつくのと同じ理屈です。それでも、機能的で動きやすく、ある程度筋力がついて成長ホルモンや男性ホルモンも出てということになるとだいたい8-12回持ち上げられる重さがスイートスポットです。
また、女性の方は男性ホルモンが分泌されたら女性らしさが損なわれるのではないかと思われるかもしれませんが、そんなことはないです。いくら鍛えても女性は女性です。なかなか男性と同じくらいまで体脂肪が落ちなかったり、筋力がつかないのと同じで鍛えてもひげが生えたりはしないです。
男性ホルモンは闘争本能ややる気と大きな関係があるホルモンです。若い男性は色々なことに対して活力があふれているのはこの男性ホルモンのお陰でもあります。男性ホルモンで活力があふれていると書くと性欲を思い浮かべる方も多いと思いますが、性欲はそのうちのひとつでしかありません。
出世欲、競争心、物欲、創造欲、向上心、そういったものが旺盛なのが若い頃ではないでしょうか。これらは男性ホルモンの働きの一つです。
今は男女平等ということが言われていますし、法の下での男女平等はやはり大切だと思います。それでもやはり一般的に男性社会の方が競争が激しいものではないでしょうか。
やはり生物学的には男性の方が表立った競争心、闘争心、出世欲、向上心というものは旺盛なはずであり、その源は男性ホルモンです。
ですから、品行方正になると書けば聞こえは良いですが、なるべく筋トレで男性ホルモンの値を維持して、なるべくやる気みなぎって生き生きと生きる方が良いような気がします。
女性の方も筋トレをすることによって、今まで以上にやる気に満ち溢れたり、また綺麗な体を作る上でも筋肉があった方が脂肪は燃えやすいし、男性ホルモンが出た方が脂肪は燃えやすいです。
例えばですが、下の写真の女性、綺麗な体だと思いませんか?
でも、よく見ると結構しっかりと筋肉があるんですよ。筋肥大はほとんどしていないです。でも筋肉はしっかりとあります。下の女性も腹筋が盛り上がっています。
痩せる=体が小さくなる、太る=体が大きくなるという理解の仕方がちょっと多いような気がしますが、痩せる場合においてもある程度筋肉をつけた方が引き締まりやすいと思います。そして、その場合は筋肉分だけ体重は多少増えるでしょう。
しかし、体重が少ない=痩せるという単純な図式だけで考えるべきではないと思います。
ちなみに、女性らしさ=脂肪という書き方をしましたが、少なくとも脂肪がつきやすい、それもつくべきところにつきやすいのは女性ホルモンのなせる業です。中学、高校、それ以降と徐々に女性ホルモンの分泌量は増える訳ですから、脂肪がつきやすいのは避けては通れません。
無理なカロリー制限をすれば、女性ホルモンが正常に作られなくなるので、一時的にその成長を止めることは出来ます。それで結果を出す高校の指導者もいます。ですが、それはあくまでも一時的なものであり、長期にわたって上手くいくやり方ではありません。
自然の摂理に逆らわずに脂肪がついたら、その分クロカンやスピード練習で筋力をつけさせることの方が王道なのです。その過程で上記の筋トレを実施して、男性ホルモンの分泌量を増やさせることも一つのやり方となるでしょう。
さて、無料ブログにしては過去最高に近いくらい長くなってしまいましたが、自重トレーニングとウェイトトレーニングは何をやったら良いのか分からないという方の為に、インターハイチャンピオンも輩出した体幹トレーニングのスペシャリストSyokoさんと私がコラボして作成した「ブレない走りと綺麗な体を手に入れよう!ランナーの為の体幹補強DVD」をご用意しております。
自重トレーニングはSyokoさん、ウェイトトレーニングの方は私がプロ時代にボストンマラソン、ベルリンマラソンで三回ずつ優勝されている往年の名ランナーウタ・ピッピヒさんに教わったウェイトトレーニングをそのままお伝えさせて頂いております。
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