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LLLTの謎

更新日:2022年2月26日

 LLLTは50キロ競歩東京オリンピック日本代表の丸尾知司さん、ロンドンオリンピック男子マラソン代表の藤原新さん、世界選手権男子マラソンオーストリア代表ヴァレンタイン・プファイル選手、リオデジャネイロオリンピックドイツマラソン代表ハーナ―姉妹も愛用し、今は亡きオレゴンプロジェクトも愛用していた日々のコンディショニングや故障からの早期回復を目的としたレーザー治療器で、筆者も愛用しているのですが、そんな筆者の経験として、一つの謎があります。一見不思議に感じられる、一般的に言われている使い方よりもよく効く使い方があるんです。今回はそんな使い方について書いてみたいと思います。


 そもそも私が何故使い始めたかと言うと、二十歳くらいから常にどこかに痛みを抱えながら、競技を続けていたので、普段から家で使える家庭用治療器を探していたからです。超音波、低周波、電気パルス、プロロジェル、遠赤外線など使えるものは何でも試してみたのですが、その結果、LLLTがベストだということに気づきました。そんなLLLTについて今回書いてみたい謎は、「痛いところに照射すれば効くとは限らない」ということです。


 LLLTは7種類くらい試しましたが、だいたい説明書に書いてあるのは「〇㎝くらい離して、〇分ほど、患部に照射してください」です。場合によっては、患部の少し上から当ててくださいと書いてあることもありますが、いずれにしても患部とその周囲という書き方に違いはありません。


 ところが、私の経験上、患部と全く違うところに当てた方がよく効くことが少なくありません。少し上とかそのようなレベルではなく、時には脚が痛いのに、上半身に当てた方がよく効くということもあります。そして、100%断言できるのは、患部だけに照射するよりも患部と上半身全体に当てた方が治りが早いということです。この理由は簡単に説明できます。先ず、より広範囲に照射することで、全身の炎症反応が抑えられます。長距離ランナーの故障のほとんどが全身のシステムとの関連により生じるものです。詳細は割愛しますが、必ずしも患部だけに問題がある訳ではなく、全体のトレーニングの負荷、日常生活の負荷、睡眠状況、食生活、精神状態などの総合で、構造的に最も負荷がかかりやすいところに痛みが出るパターンがほとんどです。


 分かりやすく言えば、何もスポーツしていないのに、体の一部に痛みが出る人って結構いますよね。腰痛とか肩の痛みとか膝の痛みとか、そういうものと本質的には変わらないと思っていただけると、分かりやすいです。こういった問題は別に野球肘やテニス肘と違い、同じ運動を繰り返している訳ではないにもかかわらず、日常生活の中で慢性的な炎症反応が生じて痛みが出ます。これは全身のシステムの中で生じるものなので、全身の炎症反応が収まると患部の痛みも和らぐか消えるかします。


 理由の二つ目は、炎症反応が全身のシステムの中で起こるのと同様、治癒過程も全身のシステムの中で動いています。例えばですが、ランニングによる痛みを抱えているときに発熱すると、もともと痛かった箇所の痛みが増したことってありませんか?この理由は全身の炎症反応が一時的に上がっているからというのと同時に、治癒過程も遅れているからです。LLLTをより広範囲に照射すると、細胞で生み出されるエネルギー量が増えるので、治癒過程が促進されます。


 以上の二つの理由により、患部とより広範囲の両方に照射した方が痛みが治るのが早くなるのは理論的にも説明できます。


 今回私が書いてみたいのは、それとは少し異なります。より広範囲に照射するというよりは、別のある一部に照射することで患部の痛みが減ることがしばしばあるということです。例えば今までのパターンで言うと、くるぶしの下と臀部に長く痛みを抱えていたのですが、膝の内側に照射すると両方の痛みが消えました。その時、膝の内側にLLLTを照射すると、患部の痛みが一時的に増したことを覚えています。


 別の例でいえば、足底に痛みが出ていたのですが、ふくらはぎに照射すると痛みが消えました。また別の例では、膝から下に神経痛のような、具体的にどこが痛いのかよく分からないような痛みを抱えていたことがあったのですが、その時は上半身に照射すると膝下の神経痛が消えました。


 これまでLLLTに関する様々な論文や書籍を読んできましたが、そのような事例を見たことはありません。ただ、思うのは鍼治療やマッサージで痛みを消す時には、患部以外の箇所にアプローチすることで、患部の痛みを消すということは常識中の常識です。


 ではなぜこのようなことが起こるのかと言うと、私たちの筋肉や靱帯、腱などの軟部組織は解剖学の本に書かれているようには、明確に分かれておらず、全て繋がっているからです。例えばですが、私の場合よく起こるのはどこかの筋肉が固くなって、関節の動きが悪くなるパターンです。人間の体と言うのは、我々が意識している以上に細かく動き、上手く衝撃を逃がすように作られています。裸足で走っている人の足の動きを見てもらうと分かりますが、前後だけではなく、左右にも動き、回旋運動もあり、しかもそれが脚から上半身まで連動しています。その一連の動きの中で上手く力を逃がしているのですが、どこが動かなくなると、別の箇所にひずみが生じます。そのひずみによって過度な力が一か所にかかり痛みが生じます。この時、そもそも関節の動きを制限している筋肉のこわばりをとらないと痛みはとれません。


 ですから、マッサージや鍼灸治療では、痛みが生じている箇所とは違う箇所を治療することで患部の痛みもとるということがよくあります。おそらくLLLTにおいても同じことが起きているのだと思います。ということは、LLLTには単に炎症反応を抑えるだけではなく、筋肉をほぐす効果もあるのでしょうか?神経系に働きかけることで、緩むのでしょうか?そのあたりは正直私もよく分かりませんが、LLLTを使用している他の方からは、LLLTを当てると筋肉に弾力性が生まれるというお声をよく頂きます。


 ということは、筋肉が緩むということなのでしょう。患部に照射しているのに、なかなか良くならないという方は、先ずはより広範囲に照射することと患部に照射することの組み合わせを試してみてください。それでも良くならない場合は、患部以外のどこかに照射してみてください。どこに照射すると効くはケースバイケースなので、分かりませんが、全身満遍なくほぐしていって圧痛の強いところがだいたい怪しい箇所です。


LLLTには故障の治癒促進だけではなく、下記のような恩恵があります。


・疲労の回復が早くなる

・睡眠の質が上がる

・故障の治りが早くなる

・骨密度が増える

・関節炎の治癒促進

・認知機能の向上

・鬱の緩和

・ニキビの消失

・育毛効果

・男性ホルモンが増える

・鎮痛

・脂肪燃焼


LLLTについてもっと詳しく知りたい方には『詳説LLLT』という無料の小冊子をお送りさせて頂いています。下記のURLより問い合わせページに入り『詳説LLLT』と入力して送信してください。




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筆者紹介

​ウェルビーイング株式会社代表取締役

池上秀志

経歴

中学 京都府亀岡市立亀岡中学校

都道府県対抗男子駅伝6区区間賞 自己ベスト3km 8分51秒

 

高校 洛南高校

京都府駅伝3年連続区間賞 チームも優勝

全国高校駅伝3年連続出場 19位 11位 18位

 

大学 京都教育大学

京都インカレ10000m優勝

関西インカレ10000m優勝 ハーフマラソン優勝

西日本インカレ 5000m 2位 10000m 2位

京都選手権 10000m優勝

近畿選手権 10000m優勝

谷川真理ハーフマラソン優勝

グアムハーフマラソン優勝

上尾ハーフマラソン一般の部優勝

 

大学卒業後

実業団4社からの誘いを断り、ドイツ人コーチDieter Hogenの下でトレーニングを続ける。所属は1990年にCoach Hogen、イギリス人マネージャーのキム・マクドナルドらで立ち上げたKimbia Athletics。

 

大阪ロードレース優勝

ハイテクハーフマラソン二連覇

ももクロマニアハーフマラソン2位

グアムマラソン優勝

大阪マラソン2位

 

自己ベスト

ハーフマラソン 63分09秒

30km 1時間31分53秒

マラソン 2時間13分41秒

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