走り始めてからたった2年間でサブ3を達成した56歳男性の話。如何にしてそれをなしえたか?
更新日:9月9日
*こちらの話は実話に基づくフィクションです。
今回のお話は京都市伏見区にお住いの56歳男性走田サブ三(そうださぶぞう)さんのお話です。走田さんは京都では有名な日本電産にお勤めの会社員の方で、家族構成は美人の奥様が一人、ご子息とご令嬢がそれぞれに1人ずついらっしゃいます。そのご子息とご令嬢がそれぞれ大学を卒業して、東京へと旅立ち、奥様との二人暮らしになりました。
子育てを終えた解放感と家族が急に減ってしまった寂しさから、走田さんは自分の為に時間を使うことにしました。何をしようかと考えたのですが、妻と一緒に鴨川を散歩するときにたまに見かけるランナーの集団を思い出し、自分も走りたいなと思うようになりました。
実は走田さんは大学まではずっと野球をされていたのです。走田さんが高校球児だった1980年代はまさにスポコンの時代で、水を飲んではいけないのはもちろんのこと、理不尽な上下関係や千本ノックを始め、様々な根性が試される試練がありました。
全てが理に適っていたとは思わないものの、結局そうやって培われた根性や理不尽なまでに先輩に気を使わないといけない風習は日本電産に入社してからも役立ちました。そんなこともあって、離職する同期もいる中、走田さんは着実に出世していかれました。
そういった人生経験も踏まえて、長距離走こそ根性や自己規律が求められるスポーツで、苦しいところにさえ耐えれば、走力は向上するので自分に向いていると感じました。そこで走田さんは目標を定めることにしました。
調べてみると56歳でサブ3をすると、年齢別ランキングで日本のトップ50くらいに入りそうであることが判明しました。甲子園の出場校が47校、ちょうど良い数字なので、走田さんはかつてなしえなかった甲子園出場の代わりにサブ3を目指すことにしました。せっかくやるなら、もう一度青春の炎を燃やしたい、そう思われたのです。
嫌でも監督、コーチに強制されて練習したり、先輩からの怒声を浴びせられながら目指した甲子園も悪くはなかった。でも、もう一度自由に自分の意志で上を目指してみたい、そんな気持ちがふつふつと沸き上がり、そのまま家の近くのスポーツデポに直行してランニングシューズを購入しました。
持ち前の根性と自己規律能力を活かし、毎日コンスタントに走り続け、みるみるうちに力がついていきました。雨の日も風の日も、暑い日も雪の日もひたすら鴨川を走り続けました。真冬の真っ暗な早朝は星をみながら、真夏は早朝の爽やかな風とすいているサイクリングロードをほぼほぼ独り占めする爽快感を味わいながら。
ただ、走り始めてすぐに問題点に直面しました。それは練習のやり方が分からないことです。
野球を始めた時は、地元の少年野球団に入団し、ウォーミングアップ、キャッチボール、ノック、トスバッティング、素振り、フリーバッティング、ケースバッティング、走塁練習、それが最も理に適っているかどうかは別にして、とりあえず基本的な事柄は全て教えてもらえたし、とりあえずこれをやっておけば良いというものがありました。
ただ、ランニングは良くも悪くもただ走っているだけ、練習方法もなにもありません。走っているだけです。走るしかない、ただただ単純なスポーツ、求められるのは根性と自己規律能力だとそう思っていました。
実際に、それで走れる距離はどんどん伸びていきました。マラソンを走り切ることは未だに壮大なゴールのように思えましたが、5キロ走り切ることは大したことではありませんでした。
確かに、企業戦士になって数十年、運動らしい運動はほとんどしていませんでしたが、学生時代は野球部の練習で5キロ程度のランニングは普通でした。その時の記憶もあり、5キロくらいまでは簡単に走ることが出来ました。
その後も少しずつ少しずつ走る距離を伸ばしていき、毎日10キロ走るところまで距離を伸ばしていきました。なかなか、これ以上距離を伸ばすことは出来ませんでしたが、毎日10キロ走っていれば、当日根性を使えばハーフマラソンを走り切ることは難しいことではありませんでした。
初めてのハーフマラソンのレース当日は走り切れるかどうか不安もありました。15キロを過ぎてからは地獄を味わいました。しかし、髪を茶色や金色に染めたゆとり世代の若者や女性も走っているのをみると自分に出来ない訳がないと思うことが出来、無事にゴールにたどり着くことが出来ました。
ゴールの瞬間は感無量でした。ゴールのタイムは2時間ちょうど。走り出して良かったと心の底から思えました。
ところが、問題はそこからです。そこからはタイムを縮めることも出来なければ、歩かずに走れる距離を伸ばすことも出来ませんでした。かつて、雨の日も風の日も毎日毎日バットを振ったのと同様に、雨の日も風の日も毎日毎日走り続けました。しかしながら、一向にタイムが縮まりませんでした。
走れる距離を伸ばすことも出来ませんでした。
そんな時に、たまたま職場の上司で60歳を過ぎてからマラソンでサブ3をしている方がいらっしゃったので、その方に相談してみたのですが、その時に薦められたのが大阪マラソン日本人トップにもなったことがあるプロランナー池上秀志の無料講義動画「警告!これを見ずにサブ3を目指さないで!ランニング初心者が故障なくサブ3する方法」という約1時間の講義動画でした。
とりあえず、無料でも観られるからということで、帰ってから観てみたのですが、そこには目から鱗の内容が語られていました。先ず、そもそも走るという単純なスポーツはただただ毎日走っていれば良いと思っていたのですが、距離に変化をつける必要があり、また走るスピードも変える必要があることを解説されていました。
それまではただただ、生真面目に毎日走っていただけだったので、もったいないことをしたと思いました。とは言え、その時点ではまだ半信半疑でした。ただ、毎日毎日同じ距離を同じペースで走るよりは、楽しそうだとは思いました。そこで、動画で解説されている内容を早速実践してみました。
そうすると、2か月もすると、どんどん自分の体が変わっていくのが分かりました。今までよりも短い距離を速く走ることも、今までよりも長い距離をゆっくり走ることも出来るようになっていきました。
この時点で、走田さんはもっと詳しく学んでみたいと思いました。
正しい練習のやり方を学ぶだけで、こんなに速くなるならもっと速くなりたいと思い、池上選手の他の動画もないのかと職場の上司に聴いてみることにしたのですが、なんとも上司の口ぶりが重いです。
明らかに、教えたく無さそうでした。それでも、なんとか聞き出そうとすると「お金がかかるからちょっと言いにくいんだよな。あと、本音を言うと俺はこれで60歳過ぎてサブ3出来たから、出来れば秘密にしたいんだよな」ということでした。
それでも走田さんは今はまだハーフマラソン2時間程度だから上司を脅かす存在ではないし、お金も別にちょっとくらいかかっても良いから教えて欲しいとお願いしました。上司が口ごもるくらいだから、安くはないんだろうなと思いました。ライザップの50万円という金額が頭に浮かびました。ゴルフのレッスンプロなどもそのくらいはします。
そのくらいなら、仕方ないだろうとそう思いました。そして、上司の方が口を開かれました。
「一番おススメなのはウェルビーイングオンラインスクールで、これはトレーニング、リカバリー戦略、心と長距離走、マラソンが速くなるための知識を体系的かつ網羅的に39本合わせて約30時間の動画で解説している内容で10万円なんだよ。良かったら、詳細を送ろうか?」
「うーん、トレーニングとリカバリー戦略と心ですか・・・」
走田さんは内心では、いやいやリカバリー戦略なんて関係ないだろう。しかも、心って・・・根性は俺にはあるから必要ないよ。そう思われました。
「いやでも正直、トレーニングだけで良いかなーと思うんですよね」
「俺も初めはそう思ったんやけどさ、リカバリー戦略では睡眠とか食事について解説してるんやけど、実践してみて本当に変わったよ!体がすっきりする!あとさ、よくサプリメントの会社とかこれを飲んだら体がスッキリ!とかやってるやん?何を食べたらとか何を飲んだらとかじゃなくて、何を食べないかの方が重要なんだっていうのがよく分かったよ!」
「えー、そうなんですか!なんか、そういう追加で商品を売りつけてこないのは信頼できますねー」
「いやー、それがさ、池上選手も普段の食事と睡眠が重要だって言いながらプラスアルファでサプリメントを使ってるんだって。それで、俺も紹介されて買っちゃったよ。ハハハハ」
「えーなんか、それってずっと何か売りつけられるんじゃないですか」
「いやいや、動画で解説しているだけだから、無理に売りつけられるとかはないし、商品の紹介というよりは、栄養学の解説をしてくれて、それでこういう観点からこういうサプリメントを池上選手は取っているっていう、あくまでも栄養学の解説がメインだよ。池上選手もサプリメントはあくまでも栄養補助食品であって、主となるべきは普段の食事だっておっしゃっていたよ。あとは一人で出来るセルフケアとかね。ランナーの場合は、体の手入れも努力のうちなんだって」
「へー、そうなんですねー」
走田さんはこの段階では野球部時代の、人よりも一回でも多くバットを振れという教えが体に身についており、体の手入れや体を回復させるのも努力のうちという考え方に初めて触れました。
正直なところ、一回でも人よりバットを振れと教えられた野球部時代は気の休まる暇がありませんでした。少しでも時間があればバットを振らないとと思うと、ゆっくりと休むことも出来ず、休むことに罪悪感を感じていました。
実は走り出してからも同じで、時間があれば1キロでも多くと思うと、休んでいても気持ちが休まらず、家でゆっくりとすることに罪悪感を感じていました。懐かしい気持ちもしていましたが、どこかに心の安定も求めていました。
ところが、池上選手の講義動画を観てから、1キロでも多く走ることが大切なのではなく、距離とペースに変化をつけながら、適切な練習を組むことの重要性を学び、1キロでも多く走らなければという気持ちは消え、休むことにも罪悪感を感じなくなりました。
その一方で、何かプラスアルファで出来る努力があれば、やりたいなとも思っていたので、食事や体の手入れで速くなれるなら、それも効率の良い努力だなと感じました。
「ただ・・・」
「どうした?」
「心はいらなくないですか?昭和のスポコンで育った我々にゆとり世代の若造に教えられることなんかなくないですか?」
「ハハハッ。心と言っても堅苦しい根性論なんかじゃないよ。池上選手の言葉によると、潜在意識とパフォーマンスの関係性が軍隊で研究され続けてきており、それが一般のサラリーマンやスポーツ選手までおりてきて、何十年間も研究されてきた潜在意識とパフォーマンスの関係性から、自分のパフォーマンスを最大化する潜在意識管理術が学べるんだ」
「なるほどー、それで最近営業成績も伸びておられるんですねー」
「まあな、ランニング以外にも役立つな」
「分かりました。じゃあ、帰ってから見てみたいので、講義のリンクとか送って頂けないですか?」
「ああ、いいよ。すぐに送るよ」
そんな訳で、走田さんは早速帰ってからウェルビーイングオンラインスクールの詳細を確認してみることにされました。内容は想像以上のものが詰まっており、以下の講義内容になっていました。
トレーニング編
1 今の自分を超えたい人のためのトレーニング概論
2 普遍的なトレーニング理論を学ぶ・純粋トレーニングの話
3 池上式線形アルゴリズム
4 理論から実践へ・実践トレーニング概論
5 マラソントレーニングの基礎中の基礎、有酸素能力の高め方
6 あなたの走りにキレを加えるスピードトレーニングのやり方
7 マラソンのレース結果を飛躍させるロングランのやり方
8 トレーニングスケジュールの組み方
9 マラソンの為の土台を固める補助的トレーニング編
10 故障中やシーズンオフ・アクティブリカバリーの為のクロストレーニング
11 5‐15㎞の為のトレーニング
12 ハーフマラソンの為のトレーニング
13 世界のトップランナー・コーチから学ぶマラソントレーニング
リカバリー編
1 リカバリーとは何か?ウェルビーイングの話
2 ウェルビーイングの要・抗酸化と抗炎症の話
3 ウェルビーイングの要・脂質の話
4 中長距離・マラソンランナーのための炭水化物の話
5 蛋白質の話
6 ウェルビーイングのためのポリフェノールの話
7 マラソンランナーの為の水分補給綱領
8 ウェルビーイングの為のサプリメントの話
9 寝ている間に差をつけろ!睡眠の科学前編
10 寝ている間に差をつけろ!睡眠の科学後編
11 いつでもどこでも出来るセルフマッサージのやり方
12 冷やすべき?温めるべき?温冷療法解説
13 ただのストレッチはもう古い・ヨガ・キネティックストレッチ編
マインドセット編
1 夢をかなえる人のための心理学概論
2 自然と湧き出すモチベーションの作り方
3 あなたの能力を決定するエフィカシーの話
4 夢をかなえる人のための目標設定の仕方
5 一段上の世界へとあなたを導くコンフォートゾーンの作り方
6 圧倒的な自信を作る臨場感の高め方 IxV=R
7 圧倒的な自信を作るアファメーション
8 圧倒的な自信を作るヴィジュアライゼーションテクニック
9 あなたの中に眠る創造力の引き出し方
10 夢を叶える自己責任の話
11 天才から学ぶ脳波管理術