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5000mレース、10000mレースの翌日におススメの練習

こんにちは!


 本日は朝から26キロの中強度走(1キロ平均3分45秒ペース)をやってきた池上です。


 昨日は関西実業団選手権の5000mに出場してきて(結果とレースの振り返りはこちらから)、本日はその翌日ということになる訳ですが、本日は5キロレースや10キロレースの翌日におススメの練習を紹介させて頂きます。


 と言いつつも、冒頭ですでにネタバレしていると思いますが、おススメの練習とは20キロから30キロの中強度走です。場合によっては、もっと距離が短くて12キロや15キロでも良いと思いますが、一応目安として20キロから30キロと書かせて頂きます。


 この練習、私はレースの翌日だけではなく、インターバルの次の日にも結構使う練習ですが、この理由を今回は解説させて頂きます。


 先ずはこの練習、よくセット練習セット練習と言われるのですが、私は正直セット練習という意識はないです。そもそも論ですが、セット練習という練習の意図が私にはよくわからないので「どうしてここはセット練になっているのですか」という質問を受けても正直答えづらいところではあります。


 質問者様の意図がやや見えにくいです。


 ただ、あえて一般的傾向から推し量るに「セット練」という言葉を使う人のニュアンスとして「二日連続できつい負荷を体にかけて強化を図る」という意味合いでつかわれているケースが多いように私は感じます。


 「二日連続できつい負荷を体にかけて強化を図る」のがセット練習であるならば、別に私はセット練習という意図は持っていないです。


 では、どういった意図をもってこの練習をおススメしているのかというと


1疲れにくい体と故障しにくい体の維持


2蓄積した血中乳酸の除去


の二つです。順にみていきましょう。


 先ず1番目ですが、800mからフルマラソンまでの種目においてまずやるべきは疲れにくく、壊れにくい体を作ることです。この過程においては1練習の頻度と総走行距離を段階的に増やす、2中強度走の頻度を増やす、3中強度走においてストレスなく、負担なく走れる距離とペースを段階的に伸ばしていくの3つです。


 これによって得られるのが疲れにくい体と故障しにくい体です。そして、この疲れにくい体と故障しにくい体を作るためにはある程度長い距離を走ること、いわゆる距離走も有効な手段でありえます。


 どこまで総走行距離を増やせばよいのか、どこまで練習の頻度を増やせばよいのか、どこまで中強度の持久走の距離を伸ばせば良いのかは人によって異なります。そして、中強度走のペースに関しては、これは勝手に上がっていくべきものなので、あまり自分で意図して決めようとしない方が良いです。


 そして、自分でなんとなくここまで土台が出来たら良いかなというところまでいったら、あとはなるべくそれを維持したいのです。つまり、ありとあらゆる面において、土台とは土台であり、基礎であり、自分が心身ともにストレスなくこなせる練習の枠組みのことなのです。


 基本的にはこの土台、枠組み次第でその人の走力はほとんど決まります。


 そして、この土台を作ったらあとは各種目に応じた専門的な練習を入れていきます。フルマラソンならフルマラソンの5000mなら5000mの800mなら800mの専門的な練習を入れていきます。


 ですが、できれば枠組みとなる練習は維持したいのです。なぜならば、疲れにくく故障しにくい体を作ることが有利に働くからです。それ以上の練習は必要ありませんし、専門的な練習をやる段階においてこの枠組みとなる練習の量を著しく増やしたり、レベルを著しく上げるべきではありませんが、なんとなく維持はしたいのです。


 そして、維持するだけであれば心身ともに負担なくこなせるようになっていなければなりません。ですから、必ず土台作りが先で、後から専門練習なのです。この順番が逆になってしまったら絶対にうまくいきません。


 そして、疲れにくく故障しにくい体が出来ている人の方が絶対に、専門練習においても良い練習ができます。良い練習が出来るから試合でもより良い結果が出るのです。


 私自身の経験から言っても、1キロ3分45秒ペースに対する余裕度が上がったからと言って5000mのタイムが必ずしも上がるわけではないし、25キロ走に対する余裕度が上がったからと言って必ずしも5000mのタイムが上がるわけでもないです。


 ただ、確実に言えることは目標とする5000mのレースペースでの練習量を無理なく増やすことが出来ますし、故障もしにくくなります。疲労の回復も速いので練習計画を立てる上でも計算が立ちやすくなります。


 計算が立つと、思い通りに練習が進む確率が高くなり、練習が予想可能なものになります。


 また、この枠組みをある程度固定することによって変数と定数が定まります。総走行距離、距離走の距離、練習頻度、中強度の持久走の距離や頻度やペースは、繰り返しになりますが、心身ともに負担なくこなせるところまでやっておかなければなりません。


 ここを定数にすることで、専門練習が変数になります。現在の私で言えば、目標とする5000mのレースペースのトレーニングやその前後のペース帯のトレーニング(目標とするハーフマラソンのレースペースのトレーニングや目標とする3000mー1500mのレースペースのトレーニング)のみが変数になります。


 このように定数と変数をある程度はっきりと分けてしまうことで、思うように練習がいかなくなった時の分析が容易になります。分析が容易になるということは微調整が容易になるということであり、再現性が高まるということであり、つまりは練習結果もレース結果も予想可能になるということです。


 私はこれまで選手としてもコーチとしても18年間陸上競技をやってきましたが、まあ奇跡の起こらないスポーツです。奇跡はまず起こらないです。奇跡を起こすよりもある程度予測可能にしてしまって、着実に自分が改善すべき点に集中した方が結果は出やすいです。


 余談ですが、ビジネスにおいても同じものを感じます。私のようにユーチューブやその他SNSを使ってビジネスをしているとよく年配の方から「今は良いかもしれんけど、これからもうまくやれるとは限らへんやん。これからどうすんの?将来のこともちゃんと考えてんの?」と言われますが、こういった意見が出てくるのはビジネスを予想可能な形にしていないからです。


 ビジネスにも単純な原理原則があり、変数と定数があります。売り上げが上下するのはだいたいはこの変数の部分で何かが起きているかもしくは定数が定数じゃなくなってしまっているわけです。新しいプラットフォームが出来たからとかロシアとウクライナが戦争しているからとか、コロナが流行ったからとかそんなことはあまり関係ありません。


 自分自身がやるべきことをきちんとやっていないがゆえに、定数であるはずのところが変数になってしまっているか、変数であるはずのところに修正を加えるべきであるかのどちらかなのです。ここさえ抑えておけば、売り上げも予測可能になります。


 もちろん、変数が無くなるわけではないので試行錯誤は求められますが、変数の数を絞ることによって、最適解もしくは適解にたどり着きやすくなります。


 逆に、自分がやるべき基礎的なことをやっていないが故に定数であるべきところが変数になると変数だらけになってしまって予測不能になります。不安定になります。外部的な要因の影響をもろに受けることになります。


 予測可能であるということはつまり安定なのです。安定とはつまり、着実に右肩上がりの成長が出来るということなのです。


 ビジネスにたとえた方が分かりやすい人と素直にランニングで考えた人が分かりやすい人と両方いらっしゃると思いますが、いずれにしても一度土台を作ってしまったら、そこの部分を定数にしてしまうことで、自分自身も難しく考える必要がなく、重要ないくつかの項目に集中することが出来、結果に対しても分析を加えるのが容易になるということを理解しておくと、長距離走、マラソンが簡単になります。


 では、何故タイミング的にレースの翌日やインターバルの翌日が良いのかというと、理由は二つありますが、そのうちの一つに乳酸の除去がしやすいからというものがあります。


 これはどの研究結果を採用するかにもよるし、出場するレースによっても多少は変わると思いますが、5000mや10000mのレースやそのレースペースくらいでのインターバルトレーニングなどをすると、血中に乳酸がたまり低強度から中強度の持久走をしないとそれを除去するのが遅くなると言われています。


 具体的には2,3日は蓄積するようです。


 乳酸とは無気的代謝によって生じる副産物です。車で言えば、排気ガスに相当します。


 そして、無気的代謝とは何かというと借金です。本来は有気的代謝でまかなうべきであるにも関わらず、自分の有気的代謝の能力に対してペースが速すぎると無気的代謝からエネルギーを借りてこないといけません。


 乳酸とは債券みたいなものです。借用書であったり、国債であったり、そういった類のもので、全額返すまでは残り続けるのです。


 では、乳酸を除去するにはどうすれば良いのでしょうか?


 有効な手段は運動をして、たくさん酸素を取り入れることです。乳酸は有気的代謝の過程において分解されます。無気的代謝を使わないような軽い運動を長時間続けることで乳酸が除去されます。


 ちなみにですが、乳酸性閾値あるいは換気性閾値に到達する前からゆるやかに血中乳酸は上昇します。血中乳酸が上昇している時点で、現在たまっている乳酸を除去することは出来ません。そうすると、ペースの上限はおよそ中強度になるはずです。もちろん、低強度でも構いませんし、低強度から中強度でも構いません。


 そして、土台を維持するという観点からも中強度で長めの練習を入れるわけですが、このタイミングとしては、血中乳酸がたまるようなレースや高強度な練習の翌日、そしてできれば次の高強度な練習とは間隔をあけたいのです。高強度ではないとはいえ、長く走ると脚が重くなります。ですから、次の高強度練習に悪影響を与えたくないのです。


 このように考えると、高強度なインターバルや5000mなどのレース翌日が良いのです。


 また、アマチュアランナーの方の多くは週休二日制です。そうじゃない人もいると思いますが、週休二日制の人が多いです。そうすると、初日に高強度なインターバル、翌日に距離走というのがスケジュールに組み入れやすいのです。


 以上のような理由から、5キロレースや10キロレースの翌日の距離走はおすすめなのです。まあ、どうしても土曜日がレースであればの話にはなりますが。


 ちなみにですが、10キロよりも距離が長いレース、ハーフマラソンやフルマラソンの翌日の距離走は全くもっておすすめしません。


 なぜならば、ハーフマラソンやフルマラソンのレースにおいてはそこまで血中乳酸濃度は上昇しないし、距離も長いので脚筋がかなりのダメージを負うからです。


 一方で、10000m以下のレースにおいてはしっかりと血中乳酸濃度が上昇し、体全体にダメージは残るものの、距離が短くそこまで脚筋にダメージが残ることは少ないですし、残ったとしてもやっぱり短く速く走るときに使う筋肉とゆっくり長く走るときに使う筋肉はやや違います。


 あくまでも、自分の体の感覚も重視したうえでの話ではありますが、一般論として5キロレースや10キロレースの翌日の20-30キロ走はおススメです。


 二日前よりリリースさせて頂いた新講義動画「5000mのトレーニング研究」さっそく80名を超える方に受講していただき、本当に感謝しております。


 共に複利の力を使って、記録を着実かつ大幅に伸ばし続けましょう。


 お申し込みは本日が最後なので、本気で長距離走、マラソンが速くなりたい方はぜひこちらをクリックしてお申し込みください。

閲覧数:940回1件のコメント

1 Comment


14timki
14timki
Jun 02

5000mのトレーニング研究 講義動画が届いていません😅宜しくお願いします♥

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筆者紹介

​ウェルビーイング株式会社代表取締役

池上秀志

経歴

中学 京都府亀岡市立亀岡中学校

都道府県対抗男子駅伝6区区間賞 自己ベスト3km 8分51秒

 

高校 洛南高校

京都府駅伝3年連続区間賞 チームも優勝

全国高校駅伝3年連続出場 19位 11位 18位

 

大学 京都教育大学

京都インカレ10000m優勝

関西インカレ10000m優勝 ハーフマラソン優勝

西日本インカレ 5000m 2位 10000m 2位

京都選手権 10000m優勝

近畿選手権 10000m優勝

谷川真理ハーフマラソン優勝

グアムハーフマラソン優勝

上尾ハーフマラソン一般の部優勝

 

大学卒業後

実業団4社からの誘いを断り、ドイツ人コーチDieter Hogenの下でトレーニングを続ける。所属は1990年にCoach Hogen、イギリス人マネージャーのキム・マクドナルドらで立ち上げたKimbia Athletics。

 

大阪ロードレース優勝

ハイテクハーフマラソン二連覇

ももクロマニアハーフマラソン2位

グアムマラソン優勝

大阪マラソン2位

 

自己ベスト

ハーフマラソン 63分09秒

30km 1時間31分53秒

マラソン 2時間13分41秒

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