練習時間を増やせない、練習の質も増やせない、環境も大きく変えられない、でもサブ3したい!あなたならどうする?
走り始めは走れば走るほど、体も絞れ、筋持久力も心肺機能も向上し、どんどん変化を感じることが出来るランニング、そんなランニングですが、レベルが上がれば上がるほど、更にタイムを縮めるのが難しくなるスポーツです。そして、ある程度のところまで行きつくと、そこから更にタイムを伸ばすのが難しくなってしまいます。あなたも「俺の限界はこの辺りなのかな」「自分には素質がないのかな」と思ったことはないでしょうか?あるいは「もう歳かな」と思ったり・・・
何かに行き詰った時には、環境を変えることでも状況を打開できることは、多々あります。自然の綺麗な街に引っ越したり、ランニングクラブに入ったり、ランニングクラブを変えてみたり、パーソナルコーチを雇ったり、色々なやり方があります。ケニアに行って本場で走るのも良いでしょう。でも、こういうのって結構非現実的ですよね?なんなら、出来るもんならもうやってるという方も多いでしょうし、場合によっては自分が所属しているランニングクラブや雇ったパーソナルコーチが合わないというケースもあると思います。
では、自分で出来ることとして練習を変えたいとなるのですが、だいたい練習を変えたときに、思いつくのが練習量を増やすか、練習の質を上げるかのどちらかになるのですが、これも出来るもんならもうやっているという話だと思います。というか、練習量を増やしたり、練習の質を上げれば上げるほど速くなるのであれば、それって伸び悩んでいないので、そもそも悩むこともない訳です。こういう状況の中で、更にタイムを伸ばしていくにはどうすれば良いのでしょうか?私自身もなかなか3000m8分25秒、5000m14分20秒の自己ベストが更新できずにいるので、今回はじゃあそれに対して、どういうアプローチをすれば良いのかということを思いつくままに書いてみたいと思います。
1. 今のアプローチの仕方をもうしばらく続けてみる
これは単純ではあるのですが、多くの人が見逃している点になります。長距離走・マラソンではすぐに結果が出るということはあり得ません。正しいアプローチをしたから今日、明日に結果が出るというものではないのです。そして、やはりレベルが上がれば上がるほど、そこから更にタイムを伸ばしていくのは難しいので、アプローチの仕方が正しかったとしても、単純にもう少し時間が必要という場合もあるのです。特に、新しいトレーニング刺激に身体を慣らしていく際には時間が必要なので、1週間や2週間で結果が出ないからといって焦らずに時には少し体にトレーニング刺激に対して適応する時間を与えながらも待つ必要があります。時にはワンサイクル(3か月から6か月)やって駄目でも同じような流れでもう1サイクル(3か月から6か月)やると上手くいくこともあります。
2. トレーニングの組み方を変える
早稲田大学競争部を今のような名門チームにし、前の東京オリンピックからは自身の指導する東急陸上部から9人もの選手を出場させ、その後も瀬古利彦さん、佐々木七恵さん、新宅雅也さん、中村孝生さんなどの名選手を育て続けた故中村清先生は次のように語っていました。
「どんなに優れた文学作品もあいうえおの組み合わせ。どんな名曲もせんじ詰めればドレミファソラシドの組み合わせ。しかしながら、この組み合わせのパターンには無限とも思える組み合わせがあり、それ一つで名作にもなれば、駄作にもなる。練習もせんじ詰めれば、距離とスピードの組み合わせでしかない」
曲でも本でも良いのですが、例え同じ5分間の曲、或いは1冊の本(10万字)でも名作と呼ばれるものもあれば、駄作もあります。その違いはどこにあるのかというと組み合わせの違いです。素材も分量も全く同じなのに、その組み合わせで全く違ったものになるのです。トレーニングも同じで同じ練習量、負荷の総量でも組み合わせによって名練習?にもなれば、駄練習?にもなります。そして、練習の組み合わせは確かにせんじ詰めれば、走る距離と走るペースになるのですが、実際の練習計画の立案に際しては、3つの要素を考える必要があり、1つ目の要素は負荷と適応、2つ目は質と量、3つ目に一般性と特異性です。順に簡単に説明させて頂きますと、1つ目は練習をやって体に刺激をかける量とそれに対して体が適応する量の調和を図る必要があるということです。適応するというのは、分かりやすく言えば、細胞が新しく生まれ変わった時に、自分がかけたトレーニング刺激に対してより順応しているということです。トレーニングの直後は疲れ切ってしまって、寧ろトレーニングをする前よりも体は弱くなっていますが、一晩寝て、またトレーニングしてというのを何度か繰り返していくと、いつしかトレーニング前よりも体の機能が向上しています。この一連の過程を適応というふうに呼びます。
2つ目は、質と量です。これはそのまま走る量と走るペースの話です。
3つ目は、一般性と特異性です。これは基礎と実戦、或いは鍛える練習とレースに向けて仕上げていく練習と言い換えることが出来ます。この二つもどちらも重要ですが、両立は出来ないので、調和を図る必要があります。
4つ目に、ピーキングです。ピーキングは私の言葉で言うと、時間です。時間を基に組み合わせを考える必要があるということです。これは、私がいつも分かりやすく例を出すのは、今ご結婚されている方、もしくはお付き合いされている方はお相手の方と出会ってから現在の関係性を築くまでの過程を思い返してみてください。まだ、お付き合いしたことがないという方は勝手に想像(妄想?)してみて下さい。
よほどのことがない限りは、出会ってから結婚(付き合う)までには意識するとしないとにかかわらず小さなステップを踏んでいるはずです。知り合って、ちょっと挨拶したり視線を交わしたりするようになり、話すようになり、連絡先を交換して、一緒にご飯でも食べに行って、更に仲を深めて、手をつないでと、まあ若干順番が前後したり、いくつかのステップを省略したり、或いは何か特別な二人だけのステップがあったりと多少の違いはあると思うのですが、要するにこういうことです。この一連の過程を全部順番逆にして上手くいきますか?という話です。出会って、いきなり結婚を申し込んで上手くいくでしょうか?稀に上手くいくかもしれませんが、通常は上手くいきません。何故なら、よく知らない人と結婚するのは非常にリスキーだからです。理想的な相手かもしれないし、殺人鬼かもしれないし、やくざかもしれないし、ヘビースモーカーかもしれいないし、大金持ちかもしれないし、実はめちゃめちゃ知識の多い人かもしれない、このような状況の中で決断を下すのは、博打に近いものがあるので、ほぼ上手くいきません。
ここで、考えて頂きたいのはこういうことです。結婚という人生において数回しか(もしくは1回)しか下さないほどの重要な決断においても、そのプロセスをひっくり返したら、絶対に上手くいかないということです。同様に、日本記録を出すような重要な結果を残した選手も、その練習の順番をひっくり返したら、決して上手くいかなかったでしょう。ピーキングとは推論を働かせながら、時間という概念をもって練習計画を立てる、非常に人間らしい営みです。競走馬にはおそらく無理でしょう。
3. リカバリー戦略を変えてみる
人間の体には一つの特徴があります。それは、ホメオスタシス機能が活発に働いていればいるほど、トレーニング刺激に適応しやすく、逆にホメオスタシス機能が働いていなければいないほど、トレーニング刺激に対して不適応を引き起こしやすいというものです。ホメオスタシス機能というのは生命体としての正常な状態を維持しようとする働きのことです。卑近な例で言えば、エネルギーが枯渇してきたらお腹がすく、起きている時間が長くなると眠くなるというのがその最たる例です。人間はある状態を維持するためにエネルギーが減ってきたら、それを補おうとするし、集中力が落ちてきたり、発揮できる筋力が低下してきたりすると眠たくなります。日本語では恒常性維持機能と書くのですが、恒と常はどちらもつねと読める漢字で、その次に性質の性が来ています。要するに、普通の状態のことです。ですから、恒常性維持機能とは普通の状態を維持する機能です。ところが、トレーニングというのは、体にとって普通ではない刺激をかけることです。ということは、そこから回復して普通の状態に戻す必要があります。この働きこそが恒常性維持機能です。
そして、この恒常性維持機能には段階があり、物凄くよく機能している人もいれば、全然機能していない人もいます。そして、ホメオスタシス機能が機能するかどうかは、基本的には睡眠と栄養状態の二本柱で決まります。例えばですが、睡眠状態が続くと満腹中枢を刺激するホルモンの分泌が減り、なおかつ食欲を刺激するホルモンの分泌量が増えます。そうすると過食気味になり、いわゆる普通の状態を維持することが出来なくなります。もちろん、太っている全ての人がやせたいと思っている訳ではないことは分かっています。ただ、これはそういった感情面の話ではなく、生命体としては生存の確率を自ら落としていると言わざるを得ないので、そういう意味では正常な状態から逸脱していると言えるでしょう。
同様に、清涼飲料水や精製された砂糖を大量に含む食品を頻繁に摂取している人は血糖値の上下が激しく、疲れを感じやすくなります。また同様に食欲が必要以上に増し、しかも一種の中毒状態なのでまた清涼飲料水やお菓子が欲しくなります。この状況もやはり、生命体としては望ましい状態とは言えないので、ホメオスタシス機能が正常に働いていない状態です。
ところで、人類の歴史上、最も人間のホメオスタシス機能が働いていない場所はどこでしょうか?それは強制収容所です。与えられる食事や飲み物は乏しく、睡眠時間はそれほど長くないうえに、狭いところに閉じ込められて睡眠の質も低いです。地域によっては極寒で、地域によっては酷暑です。衛生状態は悪く、収容者達からの侮辱、暴行、レイプなどによって精神的なストレスは最高潮に達しています。更にこのような状況下で通常は過度な肉体労働を強いられます。要するに、トレーニング刺激が高いのです。このような環境下では人のホメオスタシス機能は正常に働かず、多くの人が命を落とします。強制収容所というと、第二次世界大戦中のドイツを思い浮かべる人も多いと思いますが、それは敗戦国だからこそ、非難の集中砲火を浴びただけであって、もっと多くの国にこのような強制収容所、もしくはそれに近しいものがあり、現在でも北朝鮮、中国などに存在しているとされています。
私から政治的な講釈を聴きたい人も多くはないでしょうから、話を元に戻すと、同じような肉体的な負荷であっても、それに対して適応するかどうかは食事、サプリメント、睡眠、マッサージ、セルフマッサージ、アクティブレスト、ヨガなどなどのリカバリー戦略によって変わるということです。言い換えれば、今と同じようなトレーニングをしていても、これらの要素を変えれば超えられなかった壁を越えられるようになるかもしれないということです。
4. 考え方を変える
考え方を変えるというのは、心理的なテクニックを使うと考えてもらっても良いと思います。人間には、みな等しく心があります。そして、この心によって結果は良くもなれば、悪くもなります。では、心が先か体が先かということですが、私の意見は心が先だということです。何故なら、不調の時には制御不能で、体の状態が良くなった時にだけ、勇猛果敢な心なんて必要ないからです。体調が良くなれば、要するに走れていれば心の状態も良くなるから、体が先という人もいますが、これってこういうことなんですよ。
私は15年間の競技生活の中で、その国を代表するような選手から、それに準ずる選手から多くの選手を見てきました。上を見てもたくさんいるし、下を見てもたくさんの選手がいました。私自身も全国大会で区間賞をとったり、日本ランクでは最高で42番くらいまでは行きました。そうやって見てきても、大迫さんクラスになるとさすがに別格感はありますが、それ以外ではトップの選手も下の選手もそれほど大きな差はなく、頂点から底辺まできれいにびっしりと隙間なくピラミッドが形成されているんです。
そんな中で、自分の成績が良い時は偉そうにものを言って、「お前たちは心が弱いからダメなんだ」と言いながら、自分の成績がダメになると借りてきた猫みたいになるのがいます。中にはあるモスクワの世界選手権で日の丸を背負った選手なんか、状態が良い時は故障してる選手にも「気持ちが弱いだけ」とか言ってたくせに、自分が故障続きで走れなくなると神社にお参りに行ってましたからね。弱者の気持ちが分かるようになったと言えば、聞こえは良いですが、あなたはそんな選手になりたいですか?
自分の状態が悪くても、きちんとヴィジョンを定めて心の力も使って、状況を打破できるようでなければ、心の力なんて何の役にも立ちません。確かに、思うだけですべてが変わるわけではありません。だから私もここまで4つの要素を書いてきました。全て心で何とかなると思ったら大間違いです。竹やりでB29と闘うようなものですから。ただ、それでも心の力は大きく、順番としては心が先で体は後です。
さて、最後まで読んでくださったあなただけに、お知らせです。ここからは私が人生をかけて学んできたこと、経験してきたことをあなたの現状打破や目標達成のために体系化したオールインワンパッケージの売り込みを行いますので、本気の方だけこのまま続きをお読みください。
今回私があなたに紹介したいのは、ウェルビーイングオンラインスクールです。ウェルビーイングオンラインスクールは今回書いた4つの要素について、合計30時間の講義動画で解説をしているオンラインスクールです。講師は私だけではなく、市民ランナー時代に2時間36分の好タイムで大田原マラソン優勝、後に東京マラソン2時間26分で4位(日本人トップ)となる大久保絵里さん、インカレ10000m2位(日本人トップ)の京大生平井健太郎、インカレ3000mSC を当時の日本学生記録で優勝した中村真悠子さんがいらっしゃいます。講義の概要は以下の通りです。
講義概要
マインドセット編
1 夢をかなえる人のための心理学概論
2 自然と湧き出すモチベーションの作り方
3 あなたの能力を決定するエフィカシーの話
4 夢をかなえる人のための目標設定の仕方
5 一段上の世界へとあなたを導くコンフォートゾーンの作り方
6 圧倒的な自信を作る臨場感の高め方 IxV=R
7 圧倒的な自信を作るアファメーション
8 圧倒的な自信を作るヴィジュアライゼーションテクニック
9 あなたの中に眠る創造力の引き出し方
10 夢を叶える自己責任の話
11 天才から学ぶ脳波管理術
12 夢をかなえる人のための瞑想法
13 夢をかなえる人のための自我の話
トレーニング編
1 今の自分を超えたい人のためのトレーニング概論
2 普遍的なトレーニング理論を学ぶ・純粋トレーニングの話
3 池上式線形アルゴリズム
4 理論から実践へ・実践トレーニング概論
5 マラソントレーニングの基礎中の基礎、有酸素能力の高め方
6 あなたの走りにキレを加えるスピードトレーニングのやり方
7 マラソンのレース結果を飛躍させるロングランのやり方
8 トレーニングスケジュールの組み方
9 マラソンの為の土台を固める補助的トレーニング編
10 故障中やシーズンオフ・アクティブリカバリーの為のクロストレーニング
11 5‐15㎞の為のトレーニング
12 ハーフマラソンの為のトレーニング
13 世界のトップランナー・コーチから学ぶマラソントレーニング
リカバリー戦略編
1 リカバリーとは何か?ウェルビーイングの話
2 ウェルビーイングの要・抗酸化と抗炎症の話
3 ウェルビーイングの要・脂質の話
4 中長距離・マラソンランナーのための炭水化物の話
5 蛋白質の話
6 ウェルビーイングのためのポフィフェノールの話
7 マラソンランナーの為の水分補給綱領
8 ウェルビーイングの為のサプリメントの話
9 寝ている間に差をつけろ!睡眠の科学前編
10 寝ている間に差をつけろ!睡眠の科学後編
11 いつでもどこでも出来るセルフマッサージのやり方
12 冷やすべき?温めるべき?温冷療法解説
13 ただのストレッチはもう古い・ヨガ・キネティックストレッチ編
ボーナス動画
大久保絵里のエリート市民ランナー養成プログラム(9800円→無料)
インカレチャンピオンから学ぶ走り方の極意(9800円→無料)
日の丸を背負った京大生、消えた天才平井健太郎のトレーニング戦略(19800→無料)
ロンドンオリンピック代表の藤原新さんからも「理論から実践まで、本当によく勉強して分かりやすく解説してある。このレベルの講義は私が知る限り、日本ではここでしか学べない」と太鼓判を押して頂いています。
通常投資額は99800円ですが、1月のリニューアル後先着100名様限定でたった20000円の投資額で受講していただけるようにしています。残り2枠となっており、おそらくこの連休中に埋まりますので、お急ぎください。