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インターバルとレペティションの違いって何?

更新日:2021年10月16日


 こんにちは、ウェルビーイング池上です。今回はインターバルとレペティションの違いは何かというテーマですが、その前に一点感謝の気持ちを伝えさせてください。今日1月16日は実はウェルビーイング株式会社の創立記念日です。2017年7月にブログを書き始めた時から、多くの方に支えられてここまでこれました。本当に感謝の気持ちで一杯です。本当にありがとうございます。これからもよろしくお願いいたします。


 さて、本題に戻りますと今回はインターバルとレペティションの違いについてですが、結論から申し上げますと、厳密な違いはありません。というよりは指導者やコーチによって違うというところです。一般的にはレペティションというのは疾走と疾走の間を完全休息でつなぐと言われますが、厳密に言えば、完全休息というのはあり得ない訳です。一本走れば一本分疲れるでしょう。


 ですが、一本走ったらしっかりと休むのがレペティション、ある程度回復しない状態でやるのがインターバルということになります。ですが、やはり厳密な区別はありません。例えばですが、200m20本を200mのジョギングでつなぐような練習があったとします。このような練習はある指導者はインターバルというでしょうし、ある指導者はレペティションだというでしょう。これが1000m5本を5分の完全休息(と言っても通常は軽く歩いたり、走ったりする)となると大体の指導者はレペティションだというでしょう。では、1マイル5本を3分間の完全休息であれば、インターバルなのかレペティションなのか?これはたとえ3分間の完全休息で挟んでいてもインターバルだという人が多いと思います。でも中にはレペティションだという人もいるかもしれません。インターバルかレペティションかという区別の仕方はそのくらい曖昧だということです。


 さらにはクルーズインターバルという練習もあります。クルーズインターバルは『ジャック・ダニエルズのランニングフォーミュラ』という本が日本で売れてから一般的な言葉になったように思います。ではクルーズインターバルとはどのような練習なのかということですが、クルーズインターバルは疾走区間に対するジョギングの比率が少ないのがクルーズインターバルです。


 『ジャック・ダニエルズのランニングフォーミュラ』の本の中にはどういう例が書いてあるかというと、例えば1マイルを1分間のつなぎでつなぐようなトレーニングです。極めて持久走に近いインターバルということができます。私も何度か3キロを2分つなぎとか2キロを1分つなぎという練習をやったことがあります。こういった練習の利点は、練習コースが取りやすいことです。なかなか速いペースの持久走に適したコースというのはないものです。どうしてもカーブが多かったり、部分的に死角になって出会い頭が怖いところがあったり、車が入ってきたり、折り返しが多くなったり、してしまいます。ですが、クルーズインターバルであれば、川沿いなどでコースが取りやすく直線で行ったり来たり出来るので、出会い頭の事故もありません。まあ直線を折り返してテンポランにしても良いのですが、練習効果が同じであれば、やはりクルーズインターバルの方が集中して取り組みやすいです。折り返すたびにリズムが変わるとどうしても、集中しきれませんし、それこそ場所によっては折り返した直後の事故が怖いです。


 さて、そんな色々な種類のインターバルがあるのですが、そもそもインターバルの目的とは何でしょうか?大きく分ければ2つあります。


 1つ目は、神経筋の向上です。人間の筋肉は一本一本の筋繊維の滑り込みによる収縮で動いています。この時一本一本の筋繊維を独立に収縮させることはできません。場所にもよるのですが、一本の運動神経に大体300本くらいの筋繊維がついていて、この運動神経に電気信号が流れるとこの筋繊維300本全てが収縮します。全か無かの法則に従っており、一本だけとか50本だけ収縮させるということはできません。この一本の運動神経に連なる300本の筋繊維の束のことを運動単位と言います。英語ではMotor Unitです。


 そして、筋肉の方にも感覚器官があります(ゴルジ体など)。この筋肉の方にある感覚器官がこの3次元空間の中で体がどう動いているかという情報を中枢神経の方に送ります。そして、また中枢神経の方から電気信号が流れて、筋肉が収縮します。そしてまた筋肉の方にある感覚器官が中枢神経の方に体の動きをフィードバックします。中枢神経と筋肉の方で、常にコミュニケーションをとりながら体を動かしています。スポーツができる人というのはこの脳と筋肉との間のコミュニケーションが円滑にいっている人のことです。


 今でも覚えているのですが、小学生の頃、親から頭が良い人はスポーツもできると言われて驚きました。だってどう考えてもスポーツできる子と勉強できる子は別でしたから。ごく稀にスポーツも勉強もできる子がいて、そういう子はモテる訳です。でも、脳の機能からいえば、この脳(中枢神経)と筋肉のコミュニケーションが円滑な人がスポーツができる人なので、頭(脳)の良い子はスポーツができるというのはあながち間違いではありません。


 ですが、人間の体というのは特定の動きを反復することによってこの特定の神経回路が発達していくのです。小学生くらいであれば、野球が上手い子はサッカーも得意で、バスケも得意で、かけっこも速くてということになりますが、これはまだ種目の特異性が求められていないからです。大人になってそれを職業にするレベル、あるいはたとえ草野球とかマラソンサブ3くらいのレベルでも反復練習によって神経回路を特異的に発達させる必要が出てきます。


 要するに小学生くらいならサッカーやってる子は持久走も速いけど、大人になったら週末にフットサルやってるからといってマラソンでサブ3は無理だということです。では、ランニングにおいてこの神経回路を特異的に発達させるにはどうしたら良いのかということですが、この一つの方法がインターバルです。もちろん、インターバル以外のトレーニングでも走ることで神経回路は発達していくのですが、陸上競技というのはたとえ距離が長くてもその距離をできるだけ速く走ることを競う競技です。


 長距離というのは速く走るには速く楽に走れないと長い距離を速く走ることはできません。ハーフマラソンでも日本記録を出すには2:50/kのペースで走り続ける必要がありますから、ゆっくり長くでは決してないんです。では、この速く楽に走るにはどうすれば良いのか?それがインターバルで休息を挟みながら、速いペースでの疾走を繰り返すことです。この反復練習によって徐々に神経筋が発達していきます。この神経筋という言葉は筋肉と中枢神経のコミュニケーション能力のことだと思ってください。一流の長距離選手の中にはコミュ障の人もいるかもしれませんが、筋肉と脳とのコミュニケーション能力は抜群です。


 この目的を果たすには一般的にはショートインターバル、それもレペティション的な練習が有効だとされます。なぜなら、短い距離を休息を多く挟んで走れば、速いペースをリラックスして反復することができるからです。ただ、この場合でもレペティションとインターバルを厳密に分けることはナンセンスだと思います。なぜなら、400m20本を200mのジョギングでつなぐような練習(インターバル)と400m10本を400mジョギングでつなぐような練習(レペティション)の目的はほぼ同じだと言って良いからです。


 ちなみに中距離ランナーや長距離ランナーがレースの距離よりも長い距離のインターバルをすることはナンセンスだという人もいますが(例えば5000mの選手が400m20本)、私は必ずしもそうだとは思わないです。こういったトレーニングを神経筋を鍛えるのが目的と考えれば、反復練習が大切なのですから、反復回数は多くても良いでしょう。ただし、やっぱりやればやるほど良いとも思いません。全体の練習とのバランスやペース、本人がどのくらいリラックスして走れるかと関係してくると思います。でも、5000mのランナーが400m20本をすることは、試合では一振りで決めなきゃいけない野球選手が練習では1日に数百回、数千回とバットを振ることを考えれば、それほど変なことでもないでしょう。


 インターバルのもう一つの目的は呼吸循環器系への刺激です。これはクルーズインターバルを考えてもらえれば、より理解してもらえると思います。クルーズインターバルの負荷は速いペースの持久走に極めて近いです。例えば、私が今までにやった3キロ4本を2分つなぎで走るという練習は12キロのテンポランに極めて刺激の種類が近いです。このことからもお分りいただけるように、インターバル=スピードワークとは限りません。これは1200m8本を400mジョギングでつなぐようなインターバルでも同じです。このトレーニングはテンポランとは明らかに刺激の種類が違いますが、しかしながら神経筋よりも呼吸循環器系への刺激の方が大きいかもしれません。


 過去のブログ記事では「なぜ遅いペースのインターバルで速くなるのか」という記事を書いているのですが、一言で言えばインターバルは呼吸循環器系への負荷だからです。レースペースよりもはるかに遅いペースでの持久走も積み重ねれば力がついていくのと同じです。インターバルもレースペースよりも遅いペースでも力がついていきます。また私はあまり聞いたことがありませんが、稀に中距離の選手が1マイル5本とかのトレーニングに取り組むのを聞いたり、見たりしたことがあります。今でも覚えているのですが、ケニアのイテンで私がトレーニングをしていた時、ベルギーのモハメド・ターリックという1500mの選手(自己ベスト3分36秒)が1分、2分、3分、4分、5分、4分、3分、2分、1分のピラミッドのファルトレクをしていました。記憶は定かではありませんが、つなぎは1分だったような気がします(もしくは4分と5分のセッションの後は2分であとは1分)。


1500mの選手からすれば、かなりの持久系ファルトレクです。ファルトレクというのは3分の疾走の後に1分ジョギングのように距離ではなく、時間で疾走とジョギングを繰り返すトレーニングです。通常は、クロスカントリーコース、公園、ロード、森の中などで行われます。インターバルと基本的にやっていることは同じですが、タイムは測りません。時計のアラームを設定して音がなったらスタート、音がなったらストップ、非常にシンプルです。


 この例からもインターバルは必ずしもスピードの養成ではなく呼吸循環器系への刺激として行われることが分かります。私は高校時代の恩師の言葉を今も覚えています。「1キロ3分5秒でええで。試合になったら、1キロ3分切っていけるから」とよく言われていました。これは何故なのかは分かりませんが、実際にそうです。1キロ10本を200mつなぎで3分5秒くらいでやっていれば、10000mは29分台でいけます。何故と言われても答えられません。そういうもんだとしか言いようがないのですが、あえて一つの答えを出すのであれば、呼吸循環器系に刺激がかかっているからです。レースペースよりもはるかに遅いペースの持久走も積み重ねれば力がついてきます。その延長線上にレースペースよりも遅いペースのインターバルもあります。


 ちなみですが、1000m5本を3分5秒でできるのに5000m14分台が出せない選手は、インターバルで充分にリラックスして走れていない、普段の持久走の量が少ない、普段の持久走の質が低い、のどれかに該当します。やっぱり練習はインターバルの1日だけ頑張るよりも積み重ねが重要です。中には自信がなくて、本番に力が出せない人もいるかもしれません。ですが、心の問題よりもまずは普段の練習から見直すことが大切だと思います。


 さて、今回はインターバルとレペティションの話でした。結論をもう一度書いておくと明確な線引きはできません。指導者によって用語の使い方がやや違うとしか書けないので、レペティションという言葉が出てきた時には、その指導者がどういう意味で言っているのかを文脈から判断していくしかありません。


 ただ、重要なのはそこではなく、どのような用語を使っていようともインターバル、レペティション、ファルトレクともに共通して、神経筋と呼吸循環器系への負荷という二つの要素があるということです。


 長距離走、マラソンについてもっと学びたい方はこちらをクリックして、「ランニングって結局素質の問題?」という無料ブログを必ずご覧ください。

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筆者紹介

​ウェルビーイング株式会社代表取締役

池上秀志

経歴

中学 京都府亀岡市立亀岡中学校

都道府県対抗男子駅伝6区区間賞 自己ベスト3km 8分51秒

 

高校 洛南高校

京都府駅伝3年連続区間賞 チームも優勝

全国高校駅伝3年連続出場 19位 11位 18位

 

大学 京都教育大学

京都インカレ10000m優勝

関西インカレ10000m優勝 ハーフマラソン優勝

西日本インカレ 5000m 2位 10000m 2位

京都選手権 10000m優勝

近畿選手権 10000m優勝

谷川真理ハーフマラソン優勝

グアムハーフマラソン優勝

上尾ハーフマラソン一般の部優勝

 

大学卒業後

実業団4社からの誘いを断り、ドイツ人コーチDieter Hogenの下でトレーニングを続ける。所属は1990年にCoach Hogen、イギリス人マネージャーのキム・マクドナルドらで立ち上げたKimbia Athletics。

 

大阪ロードレース優勝

ハイテクハーフマラソン二連覇

ももクロマニアハーフマラソン2位

グアムマラソン優勝

大阪マラソン2位

 

自己ベスト

ハーフマラソン 63分09秒

30km 1時間31分53秒

マラソン 2時間13分41秒

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