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ランニング障害はこういう時起こる

更新日:2021年3月25日


 今回はランニング障害がどのような時に起こるのかということについて解説したいと思います。ちなみにですが、長距離走は最も怪我の可能性が高いスポーツの一つです。スポーツ障害は大きく分けると、スポーツ内傷とスポーツ外傷の二つに分類されます。このうちで例えば、サッカーやバスケで接触があって打撲をした、骨折をした、捻挫をしたというのがスポーツ外傷です。外部からの衝撃によって怪我をするのが外傷です。そして、野球ひじ、テニス肘、ジャンパーズニ―などの接触によって起こるのではなく、ある動作を反復することによって生じる怪我のことを内傷と言います。


 長距離走・マラソンは怪我のほぼすべてが内傷です。ごく稀に長距離走・マラソンランナーも私生活の不注意から外傷を起こしたり、レース中の接触や障害を飛び越える際に怪我をすることもあるのですが、基本的には内傷です。そして、各スポーツごとの内傷と外傷を合わせた故障の確率は長距離走・マラソンはかなりトップに来ます。そのくらい、長距離走・マラソンは怪我の多い種目なのですが、どういうときにランニング障害は起こるのかということを考えてみると、その予防がしやすくなります。


 ちなみにここまで書いてみて大方の人がこう予想するのではないでしょうか?「ははあ、また理論家の池上がなんか小難しいことを書くために序章を書いてるぞ。大方走りのバランスが崩れているから故障するとでも書くのだろう」と。


 こう思われた方は残念ですが、私の考え方は真反対です。実は、最近はインターネットで色々な情報発信をすることが出来るようになったおかげで、知識が手に入りやすくなっているのですが、しばしば実践的な観点が抜け落ちているように感じます。ネット上では走りのバランスが崩れているから、ここの関節がこうなっているから、ここの筋肉がこうだからという細かい説明が加えられるのですが、私はもっと本質的な問題があると思います。


 ちなみにこれは私の5回の疲労骨折と競技生活のほとんどで何らかの痛みを抱えていた経験から書くのですが、実はどこを故障するかはあまり問題ではないような気がしています。問題は体のホメオスタシス機能を超える負荷を体にかけ続けた結果として、体のどこかに問題が生じるというだけのような気がします。要するに、全体の練習の負荷と現在の自分の基礎体力、リカバリー能力、睡眠習慣、栄養状態などの負荷の側面と、回復の側面を比較したときにある程度の期間にわたって負荷の側面が大きくなった結果として、生じるのが痛みであり、その痛みがその時々によって足底であったり、膝であったり、腰であったり、シンスプリントであったりするだけで、本質的には練習の負荷と体のホメオスタシス機能の強さの問題だと思います。


 ただ、いったん故障してしまうと何もせずに休んでいるだけでは治りが遅くなったり、もしくは完全に治癒の過程がストップしたりします。この現象を説明するのに、ちょうどよい話があります。これは私が小学校6年生くらいの時に読んだ名探偵コナンの「霧天狗伝説殺人事件」という話です。この話では、霧に身を隠して天狗が現れ若い女を連れ去るという伝説のある山奥の寺で、天井が高く梁の細い部屋で梁に坊さんが首をつられて死んでいるという話です。



 その部屋は梁までの高さが物凄くあり、とても人間が首をつるせる高さではありません。しかも、その部屋にはたった一夜で爆弾でも撃ち込まれたかのような穴が開いています。でも、爆弾が爆発したような音もしませんでした。唯一考えられるのは首を吊った坊さんがターザンのように梁をつたっていって首を吊ることだけです。事件は自殺かはたまた霧天狗の仕業かといった話です。



 ネタバレせざるを得ないので、それが嫌な方はここで読むのをやめてください。実はこの話は近くを流れる滝の水をこの天井がとても高い部屋に入れて、坊さんをいったん殺した後で、ボートに乗せて浮かび上がり、天井の梁にかける、そして外からその部屋に斧でひびを入れるとその一点に全ての圧力が集中するので、とてつもない力がかかり、その水圧でまるで爆弾でも爆発させたかのような大穴が部屋にあくというトリックです。そして、水は全て外に流れ出るので、まるで霧天狗が坊さんを担いで天井まで飛び上がったかのように見えるという訳です。


 私が言いたいことはこういうことです。この天井が大きい部屋に水を入れると部屋が水槽に早変わりです。この水槽には通常は水圧が均整にかかっているので、なんともありません。ところが、どこかにひびが入るとこの均整が壊れて一点に力が集中します。この状況については名探偵眠りの小五郎に説明してもらいましょう。


「この部屋の容積は床が4畳半ぐらいで高さが10mぐらいだから、2.7m×2.7m×10mで72.9立方m!水の比重は1だから、部屋にたまった水の重量は72.9t!そんな水が入った部屋の底の小窓に、オノの刃を入れればどうなるかおわかりでしょう…亀裂が入ってもろくなった小窓は、およそ9.8×104Paもの圧力でふっ飛び、噴き出す水の勢いで壁はみるみる砕け散り、大穴があく!!」


 だそうです(笑)


 ここでは水の量がトレーニングの負荷です。そして、水槽があなたが受け入れられるトレーニングの負荷です。そして、水槽に入るひびはあなたが抱える違和感やアンバランスや様々な小さな不具合です。走り方に著しくアンバランスがあったり、局所的に強い張りがあれば、このひびがある状態です。そして、このひびには小さなひびもあれば、おおきなひびもあります。先ずこのひびがあるのかないのか、あるとしたらこのひびの大きさがどのくらいなのかということが故障するかどうかの一つの大きな要素になります。


 そして、二つ目の要素は水槽に入れる水の量です。要するにどれだけトレーニングの負荷をかけるかです。


 そして、三つ目の要素は水槽の大きさです。これはあなたの基礎体力であり、筋力であり、筋持久力であり、栄養状態であり、睡眠状態であり、トレーニング以外にかかるストレスなどによって決まります。同じ練習をしていても過去にしっかりと練習をしてきた人は故障のリスクが減ります。これは水槽の大きさが大きいからです。また同じ人間でも、しばらく練習量が減っていたり、受験や仕事でストレスのかかる状態が続いていると故障のリスクが高まります。これは一時的に水槽が小さくなっているからです。


 このように3つの要素がある訳ですが、私自身は二つ目と三つ目の要素が大きいと思います。走りのバランスがどうとか、走り方がどうとかというのは実はそこまで大きな要素ではないと思います。それは何故かと言えば、やはり故障するのは全身が疲れているタイミングが一番多いからです。私自身これまで色々な種類の故障をしてきました。腰から下は一通り故障をしてきたのですが、走りのバランスが崩れているから故障したと思ったことはほとんどありません。


 勿論、私の走りは完ぺきではありません。治すところはあります。でも逆の言い方をすれば治すところは常にあるので、あんまりそういうこと言いだすときりがないのかなと思います。一つ上げるとすれば、力みが強いと故障のリスクは上がります。地面を強くけるイメージではなく、地面に触れるもしくは地面をなでるような走りでスピードが出せる時は、故障もしにくいです。疲れずにスピードが出せるので、試合に出ても良い記録が期待できます。


 そして、故障する時だけではなく、治る過程においても局所だけにLLLTを当てるよりも、全身にLLLTを当てた方が圧倒的に故障の治りが速いのです。LLLTというのは600nm-1000nmのレーザー治療なのですが、細胞の中にあるミトコンドリアの状態を良くすることで様々な恩恵を体に与える治療器具です。故障の治癒過程としては、LLLTによって、ネクローシスと呼ばれる炎症反応を引き起こす細胞死を抑制したり、ネクローシスによるDNAの損傷を防いだり、また痛覚神経にも作用することで、痛みを感じにくくすることによっても炎症反応を抑え、負の連鎖を断ち切ることが出来ます。

 ところが、炎症反応の抑制や治癒を妨げているネクローシスの連鎖、DNAの損傷を抑制するだけなら、患部に当てていれば良い話です。ところが、全身に照射した方が治りが速いのです。そして、全身に照射するメリットですが、LLLTの照射はミトコンドリアの機能を改善します。そして、ミトコンドリアとは有酸素エネルギーを生み出す器官です。ミトコンドリアの機能が改善されることで、細胞レベルで生み出されるエネルギーの量が増すので、治癒過程が増すと考えられます。


LLLT




 これは私の経験に学術的な知識を繋ぎ合わせた一つの意見ですが、いずれにしても大きくは外れていないと思います。また、慢性的な故障を抱えているときは、食事やサプリメントを工夫することで痛みが30%ほど軽減します。逆に加熱した料理(特に植物油で加熱した料理)や精製された砂糖などを摂取すると痛みが強くなります。でもこれって、痛みがあるから自覚できるけれど、本当は痛みがなくても体の回復を遅らせているはずです。また、アルコールと睡眠不足は顕著に体に影響を与えます。私は比較的アルコールには強い方ですが、それでも飲まないに越したことはないと思っています。


 とは言え、走り終わった後のビールがおいしくて走ってる方からビールを取り上げようとは一切思わないのでご安心ください。むしろ心理学的には走り終わった後のビールごときで頑張れるならこれほど安い投資はありません。どんどん飲んでください。このように、細かい部分はケースバイケースなのですが、先ず水槽の大きさがあって、次に水槽に入れる水の量がある、そしてどこかにひびが入っているという3つの要素によって決まると思います。そして、私の経験上大きいのは水槽の大きさと水槽に入れる水の量です。


 では、ひびの方はどうでも良いのかというと勿論、そんなことはありません。ご自身で著しく走りにアンバランスがあると思われる方は、何らかの対処が必要ですし、体感補強も効果的です。また、マッサージガン、フォームローラー、マッサージオイルを使っての体の手入れも大切です。そして、最も重要なことはいったん壊れてしまった水槽は、水槽の大きさを大きくしたり、水槽に入れる水の量を減らしても走れるようにはなりません。水槽が壊れたら、先ずは壊れたところをしっかりと治すことが重要です。


水槽に入れる水の量を減らせば良いの?

 よく言われるのが、「自分の限界を知ることも大切」「無理せずに練習することが大切」ということです。でも本当にそうでしょうか?私自身、オーバートレーニングや故障で結果が出せなかったことも多く、周囲から「学習能力がない」とか「あいつは馬鹿だ」と何度も言われてきました。自分でもある程度の自覚はありますし、実際自己評価としても自分のやってきたことに満足はしていません。


 でも、一つ言いたいことがあります。高校時代私と同程度の力の人の中で何人がハーフマラソンで63分09秒を出したでしょうか?30kmで1:31:53を出したのは?マラソンで2:13:41で大阪マラソン日本人トップに入ったのは?上にいった人もたくさんいるけど、私よりも高い能力を持ちながらも私よりも下のレベルにしか到達できないまま競技を辞めていった人も多いです。


 この辺は非常に難しい問題です。確かに私は「バカ」だと言われても仕方ないほどオーバートレーニングや故障で結果を残せない苦しみを味わってきました。自分でも「バカ」だなと思います。


 ただ、難しいのはだからと言って常にほどほどに練習してれば良いかというとそうでもないということです。やはり、ほどほどにしかやらない人の多くが、ほどほどの結果しか残せないままに競技人生を終えていきました。私の競技結果も人に誇れるものではないのですが、一つ言えることはほどほどにやってればそれで良いかというとそうでもないということです。


 要するに、ランニング障害が起こるほとんどのケースが水槽に水を入れすぎだからといって、ただただ水槽に入れる水の量を減らせば良いってもんではないということです。実際今私は、仕事に重点を置いて練習しているのでそこまで練習していません。私は私なりに自分のヴィジョンに向かって計画的に前に進んでいるので、これで問題ないのですが、やはりこれでは走力は維持できません。段階を追って、状態を上げてはいますが、とても自分のやりたいレースができるような練習は出来ていません。


 ある意味では、水槽に対して入れる水の量が少ないので、痛いところもなく、競技者としては負荷をそこまでかけていないので、ほぼすべてが思い通りに行きます。そういう意味では、面白いです。でも、それはレベルが低いからこそ全てが思い通りに行くのです。ゲームでいえば、難易度が低くてほぼ確実にクリアできる状況です。これはこれで面白くないです。パワプロでも、勝つのは楽しいけれど、勝率が9割になったり、30対0とかなるともう面白くないでしょう。


 という訳で、水槽に入れる水の量をただ減らせば良いということではなく、水槽の大きさを大きくすることが重要です。そして、この水槽を大きくすることが長距離走・マラソンの楽しさでもあります。水槽を大きくすること自体も面白いですし、水槽を大きくするとやれる範囲が広がるので、幅が広がります。例えるなら、給料増やすみたいな感じです。給料を増やしていく過程そのものもRPGゲームで次々にクリアしていくような楽しみがあるし、給料増えたら増えたでやれることが増えるから面白いみたいな感じです。


 給料増えると言っても、何も週に一億円稼がなくても、漫画を大人買いしたり、学生のころには行けなかったお店に行ってみたり、学生時代にはとても手が出なかった服を買っておしゃれをしたり、あるいは一人で板チョコを一枚食べてみたり、そういう何気ない楽しさって誰しも味わったことあると思うんです。長距離走・マラソンもそれと同じで水槽が大きくなると楽しみは増えます。単純に出来なかった練習ができるようになるという喜びもありますし、今まではいっぱいいっぱいだったのに余裕をもってこなせるという楽しみも増えます。


 色々なところに話が飛びましたが、確かに水槽に入れる水の量が多いと怪我をしやすくなるのですが、だからといって水槽に入れる水の量を減らすという解決方法をとるのではなく、水槽を大きくすることを第一に考えるべきだということです。


 そして、水槽を大きくするには先ずは地道に練習量を増やしていくということが第一です。巷では、少ない練習量でタイムを伸ばすのが効率が良いみたいな空気もありますが、私は一切そう思いません。水槽が小さいのに強い負荷ばかりかけるのですから、精神的にも肉体的にもかかる負荷が大きくなってしまいます。例えば、サブ3やハーフマラソン80分切りをしたいなら、月に300kmくらい走った方がかえって体に余裕が出るのです。これはこの月300kmの練習で鍛えましょうということではなく、このくらいの練習量の中で負荷をかけた方が余裕が出ますよという話です。


 ただ実際には仕事との兼ね合いで200km台になる人がほとんどです。これはこれで良いと思います。あくまでも継続できるライフスタイルを確立することが第一です。


 では、逆に練習の量や負荷をどこまでも増やし続ければ良いのかというと、これも疑問です。練習は全体の負荷でとらえるべきものなので、総走行距離だけで語るのはナンセンスなのですが、話を分かりやすくするために総走行距離で考えてみましょう。実は私は過去にコンスタントに月間1000kmを超えるような練習をしていた時期がありました。最高で月間1200kmまで伸ばしました。その経験から言えば、ある程度増やしていくともう練習効果はそこまで見られなくなっていきます。リカバリーの質やオーバートレーニング、故障のリスクも考えると、私自身は増やし続けることにも疑問を覚えます。


 このように考えると、結局のところもっとも良い練習の組み合わせを考えることが大切になります。単位当たりのリスクに対するトレーニング効果を最大にする組み合わせです。これは株でポートフォリオを組むのに似ています。ハイリスクハイリターンのものも一部入れる、ローリスク、ローリターンのものも入れる、そして比較的ローリスク、ハイリターンのものも入れる、この組み合わせで全体的に最もローリスクハイリターンのポートフォリオを考えましょうということです。


 そして、次に水槽を大きくする秘訣は睡眠と栄養について考えることです。先述のLLLTや超音波、酸素カプセルなど人間は様々な文明に利器を考案してきました。それらを否定する気は一切ありません。寧ろ私は積極活用しています。でも、最終的には人間の体にとって最も大きな影響を及ぼすのは食べ物、飲み物、睡眠の質、睡眠の量です。これらについて正しい知識をつけて実践することが最も重要です。


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講義概要



マインドセット編


1 夢をかなえる人のための心理学概論


2 自然と湧き出すモチベーションの作り方


3 あなたの能力を決定するエフィカシーの話


4 夢をかなえる人のための目標設定の仕方


5 一段上の世界へとあなたを導くコンフォートゾーンの作り方


6 圧倒的な自信を作る臨場感の高め方 IxV=R


7 圧倒的な自信を作るアファメーション


8 圧倒的な自信を作るヴィジュアライゼーションテクニック


9 あなたの中に眠る創造力の引き出し方


10 夢を叶える自己責任の話