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日本最速社長が実演、ピーキングの効果と重要性

更新日:2021年6月25日


 今回は昨日行った3000mのタイムトライアルの報告をさせて頂きたいのですが、その前にさんはもう消えた天才平井健太郎との対談3時間はもうご覧になられましたか?まだご覧になられていないようでしたら、下記のURLよりご覧ください。

 さて、毎日新しくメルマガ登録をしてくださる方が、いてくださるので改めて経緯を説明させて頂きますと、平井健太郎も対談の中で「本当の最高の状態は年に2.5回くらいしか作れない」ということを語っているのですが、私も全く同感で、このことは「マラソンは何故年に二回がベストなのか?」というブログ記事の中にも書いていますし、何よりもトレーニングプログラムビルダーの中でも詳細に解説しています。トレーニングプログラムビルダーのコンセプトは

・自分で自分をプロレベルのコーチングをする

・ピーキングと組み合わせの妙を使って今と同じ練習の負荷で最高の結果を出す

というものです。分かりやすい例で言えば、恋愛がそうです。今ご結婚されている方は、初めての出会いから、結婚までの道のりを思い出してください。お付き合いされている方は付き合うまでの道のりを想像してみてください。まだ、異性と付き合ったことがない方は、何となく想像してみてください。

 さて、結婚した方に質問です。今までお相手の方と仲を深めるにはコスト(時間、労力、お金)がかかっていますよね?「いや、俺は(私は)コストだなんて思っていない」と思われるかもしれませんが、ここでいうコストとは精神的なモノではなく、理論上の実質的コストのことです。

 では、もう一つ質問です。全く同じコストなんだけど、その順番を100%ひっくり返したらどうなりますか?要するに、こういうことです。通常、付き合うまでの過程は初対面→会話をしたり、同じ仕事をしたり、すれ違ったり、接触頻度が増えて親しみが増す→連絡先交換→ご飯に行く→ご飯に行ったり、映画を観に行ったり、カラオケに行ったり、いわゆるデート→手をつなぐ→告白→付き合う→キス→体の関係を持つ→同棲等更にお互いのことを知る→プロポーズ→結婚とだいたいこういう順序だと思います。もちろん、順番は多少前後することもありますが、だいたいこんな感じでしょう。

 質問はこういうことです。この順番を完全に逆にして、初対面でプロポーズをしたらどうなりますか?もしかしたら、OKかもしれませんが、確率は一気に下がりますよね?たとえ、あなたに同じだけのコストをかける気持ちがあったとしても、確率は一気に下がります。しかるべき手順を踏んで最後にアタックしないと、最高の結果は得られないのです。

 陸上も同じです。そして、長距離走の場合は大体半年に一回ピークを作ると最高の状態が作れるのです。これは「何故」と理論で答えられるものではありません。多くの先人たちが色々試した結果そうであるとしか言いようがありません。ところが、残念ながら市民ランナーの方の9割が「平均的な自分」でプロポーズをしています。それはそれでありかもしれませんが、どうせ一生に残る思い出にするなら、夜景の綺麗なイタリアンレストランでプロポーズをするか、それともありふれた日常の通勤電車の中でプロポーズをするのか、どちらが良いですか?という話です。残念ながら、先述の通り9割のランナーの方が通勤電車の中でプロポーズをしているので、そうではなくて、あなたに夜景の綺麗なイタリアンレストランをお見せしましょうというのがピーキングであり、トレーニングプログラムビルダーです。

 組み合わせというのも、恋愛に例えるならこういうことです。トーストに手作りサラダ、果物の盛り合わせにコーヒーというメニューと夜景の綺麗なお店の高級イタリアンのコース料理、朝の出勤前の時間と次の日の仕事が休みの土曜日の夜、この4つの要素があった時に、どのように組み合わせるのがベストでしょうか?

 出勤前に恋人のために(あるいは配偶者の為に)ささっとトーストに手作り野菜サラダに、果物の盛り合わせにコーヒーを用意してあげたら、例え全部は食べなくても喜ばれると思います。一方で、朝の出勤前の忙しい時間に夜景の綺麗なお店の高級イタリアンのコース料理を食べに行こうと言っても(営業してるとして)、「朝からそんな時間あるかい」と怒られてしまうでしょう。逆もしかりで、せっかくの週末の夜にトーストに野菜サラダに果物の盛り合わせにコーヒーだと少し寂しいです。もちろん、夫婦ともなれば、たまにはそういうのも素敵かもしれませんが、社会人になって2回目のデートがそれだとかなりのリスクを負うことにはなります。この辺りも組み合わせによる違いです。

 ただ、ここでもいつどこで食べてもトーストや野菜サラダ、果物、コーヒー、高級イタリアンのコース料理のコストに違いがある訳ではありません。いついかなる場合でも、コストは同じです。コストは同じなんだけど、そこから得られるリターンは全く違ったものになります。

 トレーニングも全く同じです。かけるコストが同じでも組み合わせで結果は大きく変わります。この辺りが努力すれば、結果が出るとは限らないスポーツであることの大きな理由です。通勤電車でプロポーズをしたり、朝から高級なイタリアンのコースを用意しても上手くいく確率は少なくなるのと同じなのですが、ランニングにおいては同様のことをやってしまう人が実に多いのです。

 実際のところ、この辺りの実践的観点からの解説に関しては「トレーニングプログラムビルダー」の中で詳細かつ丁寧にやっているので、充分すぎるほど充分なのですが、人に言うだけではなくて、実演してみましょう。というのが、今回の3000mのタイムトライアルです。

 初めは6月20日に5000mの記録会に出る予定でしたが、記録会が中止になりました。そこで、初めは26日に3000mのタイムトライアルをやる予定だったのですが、アルバイトをお願いしたペースメーカーの方の都合で予定を変更し、昨日に実施しました。今年は3月の3000m8分56秒から順に、8分48秒、8分42秒、そして4月の5000mが15分22秒、5月の5000mが14分55秒、ここからいかに状態を上げられるかということで、昨日は8分30秒で走ると宣言していました。

 因みに今回のペースメーカーをアルバイトでお願いするという発想は平井君の対談の中のデリマネビジネスから着想を得ています(笑)

 結果は2分43秒、5分35秒(2分52秒)、8分25秒(2分50秒)という通過で8分25秒でした。無事に8分30秒を切れてかなりほっとしています。大前提としてお話しさせて頂きますと、3月の8分56秒から本質的に30秒も速くなることは絶対にありえませんし、練習内容を振り返ってもベースとなっているのは3月から4月の基礎的なトレーニングです。最後に状態を上げるためのトレーニングを5週間くらいして、急激に状態を上げていきました。関西実業団の5000mも今から思えば、良いアクセントになっています。あそこでレース感が一気に戻りました。

 そして、5月の終わりにはやはりペースメーカーをつけての3000mのタイムトライアルを実施し、ここで力を抜いて2分55秒で走る感覚を戻しました。またその日はスズキで安藤友香さんや清田真央さんを育てた里内正幸コーチ(現センコー陸上部)からありがたいお話を数時間にわたってお伺いして、そこからのヒントも得て状態を上げることが出来ました。

 そして、しつこいようですが、平井君の話からも多くを学び、やはりこれも上昇気流を作る大きな要因となりました。高いお金を払っただけの価値は充分にあります。ちなみにですが、何かを学ぶときにある程度支払う額とその吸収度の間には比例の関係があるそうです。こういった観点から言えば、やはり私が一番熱心に平井から学んだのでしょう。多くを得ることが出来ました。

 そして、ここからがまた重要なことですが、じゃあ、初めから良い状態を作れば良いと思われるかもしれませんが、それはまた違います。やるべき時にやるべき基礎トレーニングをしているから状態が上がってくるのです。例えばですが、この3000mの5日前に最後の刺激として2000m+1000mという練習をしています。この3000m+1000mの合計タイムが8分30秒であれば、タイムトライルで8分30秒が出せるだろうと思いました。これは簡単な算数の問題で誰にでもわかる問題です。

 でも、どうやったら2000m+1000mの合計タイムを8分30秒で出来るようになるのでしょうか?これは難しい問題です。当然ですが、3月や4月の私には出来ませんでした。5月の私でも無理でしょう。では、何故6月になって急にできるようになったのか?

 長距離走と言うのはそんな短期間で力がついたりしません。ただ、鍛える練習と状態を上げていく練習は違うということです。鍛えないと状態を上げても出せる力がありません。一方で、鍛えるだけ鍛えても状態を上げていくようなトレーニングをしないと、最良の結果は望めません。最良の結果を出すために数か月スパンでトレーニングを考えるのがピーキングです。ピーキングとはレース前の一週間前に何をやるかという小手先の話ではありません。

 そして、これだけ慎重にピークを作っても頂上にいられる時期はそう長くありません。だからこそ、ピークなのです。ピーキングが上手くいけば上手くいくほど、頂上にいるのは難しくなります。これもまた恋愛に例えるなら、「付き合ってから最も楽しかった1か月間」と「付き合ってから最も楽しかった1時間」を比較したら、必ず後者が勝つのと同じです。

さて、最後に今回の3000mタイムトライアルの模様を動画でお届けしますので、下記のURLより是非ご覧ください!

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筆者紹介

​ウェルビーイング株式会社代表取締役

池上秀志

経歴

中学 京都府亀岡市立亀岡中学校

都道府県対抗男子駅伝6区区間賞 自己ベスト3km 8分51秒

 

高校 洛南高校

京都府駅伝3年連続区間賞 チームも優勝

全国高校駅伝3年連続出場 19位 11位 18位

 

大学 京都教育大学

京都インカレ10000m優勝

関西インカレ10000m優勝 ハーフマラソン優勝

西日本インカレ 5000m 2位 10000m 2位

京都選手権 10000m優勝

近畿選手権 10000m優勝

谷川真理ハーフマラソン優勝

グアムハーフマラソン優勝

上尾ハーフマラソン一般の部優勝

 

大学卒業後

実業団4社からの誘いを断り、ドイツ人コーチDieter Hogenの下でトレーニングを続ける。所属は1990年にCoach Hogen、イギリス人マネージャーのキム・マクドナルドらで立ち上げたKimbia Athletics。

 

大阪ロードレース優勝

ハイテクハーフマラソン二連覇

ももクロマニアハーフマラソン2位

グアムマラソン優勝

大阪マラソン2位

 

自己ベスト

ハーフマラソン 63分09秒

30km 1時間31分53秒

マラソン 2時間13分41秒

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