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執筆者の写真池上秀志

足の速さは才能じゃない!走りの革命理論

こんにちは、池上です!


 皆様ご存知の通り、現在私もコーチとして活動するとともに、自分自身が速くならんと勉強中の身であります。そんな中で、最近「脚の速さは才能じゃない!どうも、走りの学校校長和田賢一です」のフレーズでおなじみの和田賢一さんの著書『走り革命理論』という書籍を拝読しました。


率直な感想として教え方がめちゃくちゃ上手いです。

 素人でも足が速くなるにはどうしたら良いのか、そもそも速くならないのは何故なのかということが非常に分かりやすく書かれていました。

 こちらの書籍は短距離が速くなるにはどうすれば良いのかということをテーマに書いてあるのですが、一般に脚の速さは才能だと思われているのには以下のような理由があると書いてありました。

 皆さんも考えて頂きたいのですが、これをお読みの中で自転車に乗れない方って何人くらいいらっしゃいますか。

 あるいはまったく泳げない方って何人くらいいらっしゃいますか。

 車の免許を持っていない私ですら、自転車は乗れますし、泳ぎが大っ嫌いで、人生で唯一練習をずる休みしたのが、親に勝手に申し込まれたスイミングスクールという私ですら一応泳げます。クロールは出来ませんが、平泳ぎでペース問わないなら1時間くらい泳ぎ続けられます。

 では、次に考えて頂きたいのですが、あなたは初めから自転車に乗れましたか。

 あるいは初めから泳げましたか。

 普通は無理だと思います。

 何度もこけたり、何度もおぼれそうになったりしながら少しずつ習得していったのではないでしょうか。

 では、走りの方はどうでしょうか。

 初めは上手く走れずに何度も転んだ経験のある人っていますか。

 あるいは初めは真っすぐに進めずに、色々な方向に走ってしまった人っていますか。

 よほどのことがない限りそんな人はいません。走るという行為は良かれ悪しかれ出来てしまうんです。出来てしまうから、失敗と成功の違いが分かりづらいんです。

 その結果として、走れるのに遅い、だから自分は才能がないとそう思ってしまうが、ただ走れるのと速く走る技術があることの間には雲泥の差があり、この速く走る技術を学ぶ機会がある人はほとんどいない、でも学んで繰り返し練習すれば必ず速く走れるようになるというのが和田校長の意見です。


 では、和田校長は速く走るための技術をどのように教えるかというと、先ずは要素ごとに分解します。


 走るということ自体は誰でも出来ます。だから、走ることは単純な競技だと言われます。


 でも速く走るのは非常に高度な技術を要し、そんな単純な競技ではありません。ですから、ただ単に走っているだけで身につくようなものではなく、先ずは要素ごとに分解することが大切です。


 要は、必要な運動神経を一つずつ作っていくんです。


例えば、脚の入れ替え動作だけを身につけるなら、先ずは脚の入れ替え動作だけを練習するんです。脚の入れ替えというのは、前にある脚が接地する前に入れ替わりで、後ろの脚が前に引き上げられる動作のことです。前の足が地面についてから後ろの足が前に来るようでは遅いのです。空中で入れ替わらないといけません。


 これはあくまでも一つの動作でしかありません。


 同様に他の動作も一つずつ身につけていきます。


 走る以前の運動神経を作っていくんです。


 同じ動きを出来るまで何度も何度も反復します。


 そして、最後に一つの走るという動作を作っていきます。


 要は、速く走るための要素を分解して、それをもう一度最後に一つにまとめるんです。


 私が人生でこれと全く同じ経験したのは、ランニング以外で言えば英語を習得するときがそうでした。


 私はどれだけ勉強しても、リスニングをやっても英語が全く聞き取れませんでした。中学3年、高校3年、大学2年勉強しても簡単な英会話すら出来ません。幼稚園児程度も話せません。


 一体どうしたもんかと思った時にやったのは、先ずは一つずつの発音を身につけることです。


 SならSだけ100回は発音しました。ThならThだけを100回は発音しました。TならT、DならDの音だけをそれぞれ100回は発音しました。それから単語にしてまた発音練習をします。


 そうするとあら不思議、音の聞こえ方が分かるようになるんです。ThinkとSinkの違いが分かるようになります。昔はそんなもん分かる訳ないと思っていたのに、いつの間にかThinkをSinkと発音している日本人がいると無意識のうちに笑ってしまうようになりました。


 だって「私は沈みます」っていきなり言われたら笑うでしょう。関西人的には反射的には「なんでやねん」と突っ込みたくなる訳です。屁理屈言うなと言われるかもしれませんが、それはThinkもSinkもシンクだと思っているからです。ThinkとSinkの音はカタカナのシンクとは全然違うのです。


それが体で分かるようになったのは、100回の発音練習の結果でした。


 次は文章ですが、ただの文章ではつまらないので、音楽1曲をひたすら100回聴きます。次に同じ曲を歌詞カードを観ながら100回聴きます。次に、同じ曲を100回歌います。そうすると、あら不思議また英語の聞こえ方が変わりました。


 こうやれば、外国に行かなくても英語を習得できるようになるんです。


 理屈は同じで先ずは英語が話せる要素を分解し、先ずは一つのことが出来るまで徹底的に反復し、最後にそれらを全て統一できるように反復するのです。


 よほど器用な方や素質のある方以外は、新しいことを身につける時は同時に一つのことしか出来ないんです。


 要するに、いきなり文章で言われても分からないので、文章を分解して行って一音節ずつ覚えていく訳です。


 実はこれ長距離も全く同じなんですよね。

 速く走るための要素を分解して、それから一つにまとめ上げていくしかないんです。


 その過程をすっ飛ばして速くなる人のことを素質があると言います。ちなみに、市民ランナーの方の中にも私よりも素質のある方は1%程度います。というか、別に私も含めて99%は素質がない、ごく普通の人です。


 普通の人は普通にやれば速くなるんです。和田校長の所に行く真面目な普通の人が速くなるのと同じです。上位1%はその過程を短くすることは出来ます。ですが、無視してやれば速くはなりません。


 ただ、短距離との違いはあります。


 短距離は疲れても良いからトップスピードを上げていくことが求められます。その為に必要な要素は大きく分けると走技術と最大筋力です。


 長距離の場合は、疲れないこと≒速く走ることに繋がるので、この点が短距離とは考え方が違います。なるべく疲れずに走ることと、なるべく速く走ることが近似しているので、求められるのは疲れないことと速く走ること、つまりスピードと持久力です。


 技術的なものもありますが、それよりも重要なのは、如何にスピードと持久=質と量を組み合わせるかです。


 それに加えて、基礎体力とレースで発揮する能力の両方が必要です。

 要は持久力と一言で言っても、疲れずにより負荷の高い練習を継続するための体力と出場するレースの距離を目標とするレースペースで走り切るだけの持久力の二種類があるということです。


 トレーニングにおいてはこれらに負荷と休養、つまり強度の高い練習と強度の低い練習を組み合わせながら、先ずは速く走るために必要な要素を分解し、それらをレースの日に合わせて一つにします。これがピーキングです。


 ピーキングとは小手先のテクニックではなく、長距離走の本質です。

 その一方で、やっぱり問題になるのは、人間の体にとってはマラソン(42.195キロ)を走ることはそんなに大したことではないということです。ある意味では更に大きな問題は初期の段階においてはマラソンを走り切ること自体は大変なことであることです。


 マラソンを走り切ることはそんなに大したことではありません。でも、初めて完走するまでは誰でも苦労します。私もそうです。


 そして、初完走した時、それが一つの成功体験になってしまいます。そのこと自体は悪いことではありません。


 ただ、完走するだけなら、とにかく走ることが習慣にさえなっていれば出来てしまうので、とにかく外に出て走っていれば速くなるという根性論に陥りがちです。


 ですが、ただ外に出て走っているだけでは遅かれ早かれ頭打ちになり、それ以上は速くなりません。だから、自分には才能がないと思い込みます。


 要は、やることやっているのに速くならないのは才能がないからだと思い込む訳です。


 ある意味では、壁にぶち当たるまで努力しているけれど、ある意味では長距離走をなめています。長距離走、マラソンのような高度なスポーツがただ一生懸命走っているだけで速くなる訳がありません。


 速くなるための方法論を学ばなければいけません。


 これは5キロのような短い距離の方が顕著に出ます。


 5キロを完走する程度のことは誰でも出来ます。転ばずに、脚もつらずに、おぼれずに、走り切れるでしょう。


 ですが、速く走るとなるとこれは難しいです。


 ただただ、5キロを全力で走るだけでは速くはなりません。


 マラソンが走れるから5キロが速く走れるかというと全く別物です。


 一応これでも市民ランナーというより一般の方の思考を理解しているつもりです。「今日走った」というと、多くの方が「どのくらい走った?」とは聞きますが、「どのくらい速く走った?」とは聞きません。


 レースも同じで、マラソン走ったというと凄いとなるけれど、5キロ走ったというとあまり凄いとはなりません。5キロを速く走ることが如何に大変なことであるか、理解している一般人はほとんどいないのです。


 5キロが速くなるには先ずは速く走るために必要な要素を分解して、身につけてそれを一つに組み上げる方法論を学ばなければいけません。


 逆の言い方をすれば、それが分かれば誰でも速くなるし、速くならない訳がないんです。実際に、大人になってから走り始めた人でも男性ならば、5000m15分台、14分台は出ています。


 これは和田校長も認めているところですが、ある程度のレベルになれば先天的なもの=遺伝子も多少は影響してくるはずです。


 長距離も同じで、単純に男女の競技力に差があるのは遺伝的な差がある為です。


 ただ、男性の場合、5000m15分台や16分台に突入する段階では素質は関係ありません。女性の場合は、5000m17分台や16分台に突入する段階では素質は関係ありません。


 あともう一つ関係あるのは加齢でしょう。加齢によってやはりタイムは落ちます。ただ、男性なら50代前半くらいまでは5000m17分台は全然現実的で、女性なら18分台は現実的です。


 繰り返しになりますが、正しいやり方を学び、それを反復すれば必ず出来ます。


 とりあえず、このことを頭に入れて下さい。


 そして、そこから更に具体的な方法論を学びたい方にお知らせです。


 ただし、男性で5キロ15分台、16分台、17分台を目指している方、女性で5キロ16分台、17分台、18分台を目指している方限定です。


 私のオンラインスクールでは速くなるための要素を一つ一つ分解して、もう一度組み上げ、最終的に一つにするまでの方法論をステップバイステップで体系的かつ網羅的に解説しております。


 オンラインスクールには無期限の無料メールサポートもついているのですが、ありがたいことに最近受講生様が増え、問い合わせも大変多く頂くようになり、このままでは一人一人しっかりサポートさせて頂けなくなります。


 一人一人しっかりとサポートさせて頂きたいとの想いより、現在毎月10名様限定で新規受講生様を募集し、今月の枠は残り2枠となりました。


 本日お願いしたいのは、枠がいっぱいになる前にご予算に応じて下記のリンクをクリックし、オンラインスクールの詳細をご確認いただき、あなたにピッタリのオンラインスクールかどうかをご確認いただくことだけなのですが、いかがですか?

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それでは素敵な週末をお過ごしください。

ウェルビーイング株式会社代表取締役

池上秀志

追伸

 私がマラソンをやりたいと言った高校生の時、先ずは5000m、10000mのタイムを伸ばすようにと多くの方に言われました。ただ、具体的なやり方に関しては、もっとスピードに重点をおいた練習をするようにとしか言われませんでした。

 ただ、やっていくうちに分かったのは5000mも10000mもバランスよくスピードと持久を組み合わせないとタイムが出ない種目で、これは市民ランナーの方も多くが見落としがちなことなのですが、5000mや10000mのレースペースよりもやや速いペースのトレーニングと同じくらい5000mや10000mのレースペースよりもやや遅いペースのトレーニングは重要なのです。

 例えば、5キロで20分ちょうどの方にとっては、400m92-90秒のインターバルやレペティショントレーニングと同じくらい、8-10キロを1キロ4分15秒で走るトレーニングは重要です。

 同様に、1キロ5本を3分55秒前後でやるトレーニングと同じくらい、3キロ3本を4分5-10秒でやるトレーニングは重要です。もっと詳しくはオンラインスクールを参照にして下さい。

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筆者紹介

​ウェルビーイング株式会社代表取締役

池上秀志

経歴

中学 京都府亀岡市立亀岡中学校

都道府県対抗男子駅伝6区区間賞 自己ベスト3km 8分51秒

 

高校 洛南高校

京都府駅伝3年連続区間賞 チームも優勝

全国高校駅伝3年連続出場 19位 11位 18位

 

大学 京都教育大学

京都インカレ10000m優勝

関西インカレ10000m優勝 ハーフマラソン優勝

西日本インカレ 5000m 2位 10000m 2位

京都選手権 10000m優勝

近畿選手権 10000m優勝

谷川真理ハーフマラソン優勝

グアムハーフマラソン優勝

上尾ハーフマラソン一般の部優勝

 

大学卒業後

実業団4社からの誘いを断り、ドイツ人コーチDieter Hogenの下でトレーニングを続ける。所属は1990年にCoach Hogen、イギリス人マネージャーのキム・マクドナルドらで立ち上げたKimbia Athletics。

 

大阪ロードレース優勝

ハイテクハーフマラソン二連覇

ももクロマニアハーフマラソン2位

グアムマラソン優勝

大阪マラソン2位

 

自己ベスト

ハーフマラソン 63分09秒

30km 1時間31分53秒

マラソン 2時間13分41秒

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