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執筆者の写真池上秀志

驚異のハーフマラソン63分09秒!史上最強の国立大学帰宅部生が曝露した効率的な練習を組む5つのポイント!

 2014年谷川真理ハーフマラソン


 赤羽の橋をスタートして河川敷のサイクリングロードで開催された草レース。前年のモスクワ世界選手権で18位に入った川内優輝選手以外は有力選手も出場しておらず、実業団選手も箱根組も出ていないそのレース、当然誰もが川内優輝選手の優勝を疑いませんでした。


 それ以外の有力選手は現在駿河大学の駅伝部の監督でまだ現役時代とそう変わらぬ健脚を披露し、レースにもよく出場されていた徳本一善さん、日税ビジネスで働きながら、マラソンで2時間13分をマークしていた松本翔さんでした。


 ところが、レースでは大きな異変が起きていました。レースが始まり、いきなり川内優輝選手が飛び出し、それにどこのチーム名も入っていない坊主頭の選手が一人ついていきました。レース序盤に力のない選手が目立ちたがりな気分から、あるいは川内優輝選手と一緒に走って思い出を作りたいという思いから初めから飛ばしていくことはよくあることです。


「えっ、あいつヤバくない?」


「あいつ、絶対ドーピングやってるよ」


 そんな会話が徳本監督らの間でなされていたのは第二集団、なんと折り返し地点を越えてすれ違う際、単独で先頭を走っていたのは、その無名の坊主頭。チーム名も記されていないユニフォームで所属も不明、そんな坊主頭が淡々と自分のリズムを刻んでいました。


 そんな様子はつゆ知らずのレース会場、川内優輝選手を一目見たさに、多くの人がゴール手前の道沿いに詰めかけていました。今か今かと川内優輝選手を待ち構える沿道の人々の目に映ったのは先導の自転車。そこで、人々の顔がパーッと明るくなり、そして次の瞬間、キョトンとした顔に変わりました。


 騒然となるのでもなく、盛り上がるのでもなく、その場の雰囲気は「えっ?」「誰?」「えっこれ先頭?」という空気に変わりました。


「実業団トップ選手の出場していない市民マラソンだし、当然、川内選手が1位で帰ってくるだろうと待ち構えていたら、見たことのない選手がぶっちぎりでゴール。会場中が『あれは誰?』とキョトンとしていました(笑)」


 その時、現場にいた週刊プレイボーイの記者はそう語りました。


 トップでゴールし、ハーフマラソン63分09秒という記録をマークしたのは京都教育大学の2回生池上秀志。陸上競技部には所属せず、京都教育大学には一般入試で合格。高校時代は高校の100傑にも入らず、部員の約半数が毎年箱根組となる洛南高校陸上競技部においては稀有な陸上競技も用いた推薦入学やAO入試ではなく、一般受験での進学でした。


 大学に入ってすぐにハーフマラソンで66分27秒で走るが、正直同年代の箱根組の学生と比べても平凡なタイム。それが自己流の練習でわずか1年半で当時箱根駅伝に出場する選手の大半よりも速い63分09秒をマークしました。


 今回はそんな池上秀志選手の効率の良い練習を組むための5つのポイントを解説したいと思います。


 先ず、一番初めに理解して頂きたいのは池上選手は初めから効率よく練習していた訳ではなく、むしろ逆で物凄く練習する割には結果が出ないキャラでした。周囲の選手からも「お前はホンマにあほ」「いい加減学習しろよ」と何度となく言われるくらいのあほでした。


 中学時代の恩師には「お前には遊びがない。遊びハンドルも必要なんや」と言われ、高校の恩師には「お前は休むことを覚えたら一流選手になれる」と言われ、その両方の恩師から「ゴムひもは伸ばし続けたら切れるやろ?ゴムひもを遊ばせることも大切なんや」と言われるくらい、練習だけ頑張って試合ではイマイチというキャラでした。


 大学に入っても、そのパターンは続いていました。


 ここまでお読みになられた方の大半が「はいはい、そういうことね。休むことも練習ってそういうことが言いたいんでしょ?そんなこと分かってるよ」とか「はいはい、どうせ超回復の原理について解説するんでしょ?そんなこと言われなくてもとっくに知ってるよ」とおっしゃると思われると思います。


 ですが、話はそう単純ではないので、必ず今回の記事を最後までお読みください。


 話を元に戻しますと、確かに池上選手は頭のネジが何本かぶっ飛んではいましたが、物凄く馬鹿でラクダ並みの知能しかないというほどではありませんでした。


 彼は大学入学以降良くも悪くも誰も練習内容を与えてくれないという状態になった訳ですが、それをプラスと捉えて、量を増やしたり、減らしたり、質を上げたり、落としたり、色々なパターンを試しました。レースの3か月前、2か月前、1か月前とそれぞれで練習のやり方を変えながら、一本のレースで最高の走りが出来るように準備をしたり、調整のやり方を何パターンも変えてみたり、ありとあらゆるパターンを試してみました。


 また、この際に一つの条件がありました。それはそれ以上は練習の負荷を上げてはいけないということです。池上選手の場合は、努力していないから結果が出なかったのではなく、寧ろ目一杯練習しても結果が出ないか、やり過ぎて寧ろマイナスになっていることが多かったのです。ですから、練習の負荷はそれ以上は増やせません。


 そして、練習のやり過ぎは確かに良くありませんが、厚底シューズがまだ出る前のその時代のハーフマラソン63分09秒はそんな簡単に出せるようなものではなく、練習をやり過ぎていたから結果が出ないからと言って、じゃあ練習しなかったらハーフマラソン63分09秒で走れるのかというとそんな甘いものでもありません。


 つまり、常に適切な負荷の総量を見つけながら、その中で更にその組み合わせを考えるという必要性に迫られたのです。


 重要なことをもう一度書かせて頂きます。ただ単に、余裕をもって練習すれば良い、練習の負荷を落とせば良いというのではなく、しかしながらそれ以上は練習の負荷を上げられないという条件の中で、その練習の組み合わせだけを変えて結果を出す必要があったのです。


 要は、無数に考えられる選択肢の中から、どういった単一のワークアウトをどの順番で並べるのかということです。


 そして、その試行錯誤の中から以下のことが重要であることを導き出したのです。初めから簡単に答えにたどり着いた訳ではなく、試行錯誤の中から生まれたものであるので、単純にこれが大事!と言い切れるようなものではなく、○○ではなく○○が大切という類のものです。


1つ目:ただ漠然と練習するのではなく、構造化されたシステムを持つことが重要である

 一つ目のポイントはただ漠然と練習するのではなく、構造化されたシステムを持つということです。これは物凄く単純な理屈で、その日の思い付きだけで練習するのではなく、目標とするレースから逆算して、常にレースの4か月前にはこういった練習をする、レースの3か月前にはこういった練習をする、レースの2か月前にはこういった練習をする、レースの1か月前にはこういった練習をするといったシステムを持つことが重要であるということです。


 あるいは、自分の体や直近の練習状況がこういう時にはこういう練習をするというある程度の上手くいくシステムを持つということです。システムを持つということの意味は再現性を高めるということです。試行錯誤をするのは良いことなのですが、その時に大切なのは長距離走、マラソンにおけるスパンを理解することです。


 よく、マラソンの調整においては4日前にこれをやれば良いとか、2週間前にこれをやれば良いとか言いますが、これはあまり意味のないことです。


 何故ならば、長距離走、マラソンというのは7日前にこれをやれば結果が出るとか2週間前にこれをやれば良いとか3週間前にこれをやれば良いとかそんな短期的なスパンで捉えるべきものではないからです。


 人間の体はそんなに短期間で持久力がついたりしません。その代わりと言ってはなんですが、長期にわたって適応し続ける期間は短距離と比べるとはるかに長期にわたって適応し続けます。短距離ももちろん、トレーニングによる適応はあるのですが、中学高校の多くの指導者が「長距離は努力で速くなるけど、短距離は正直初めからある程度決まっている」と言うのには、この適応し続ける期間の長さの違いがあるのでしょう。


 いずれにしても、長距離走、マラソンは最低でも3か月から半年のスパンで捉える必要があります。これは最低の話であって、この3か月から半年のスパンを何度も何度も回し続けて、長期的な進歩を図ります。


 更に言えば、試行錯誤する際も3か月から半年というスパンで物事を考えないと試行錯誤したことになりません。この3か月から半年のトレーニングをどういう風に組めば良いのかという全体構造で捉えるべきで、決して短絡的に1か月特定のインターバルをやってみたけれど、結果に繋がらなかったから自分には合わなかったというような結論に至るべきではないので、あくまでも重要なのはこの3か月から半年の構造を理解することです。


 そして、更に言えば、この3か月から半年の構造は各週の構造の組み合わせです。全体構造は部分構造から構成されるので、やはり週の構造を理解することも大切です。単純な構造としては、基本的にはトレーニングの大半は中強度以下のトレーニングであるべきです。


 池上選手が過去60年間の1500mからマラソンの、アフリカ人からアングロサクソン5か国の選手から、その他ヨーロッパの選手から、日本に至るまでの様々な人種と年代の選手のトレーニングを分析した結果、だいたいレースペース以上の練習とレースペースよりも遅いペースの比率は95:5でした。レースペースの練習が多めの人でもせいぜい10%程度で90%はレースペースよりも遅いペースの練習です。


 週間プログラムの単純な構造はこれに従い、高強度な練習は週に2回程度で、それ以外の練習において低強度から中強度の練習を巧妙に組み合わせていくことが大切です。ちなみにですが、高強度か休養かという練習のやり方は長距離走には適しません。


 あくまでも、中強度の練習を中心に、低強度と高強度で挟んでいくのが正しいやり方です。


 そして、この週2回の高強度な練習に関して言えば、常に基礎から実戦へと移行させていくのが正しいやり方です。実戦的な練習というのは要するに、レースに極めて近い練習です。例えば、マラソンを例に取るなら、ハーフマラソンまでをマラソンレースペースで走るとか、5000mで言えば、1000m5本を1分休息で繋いでいくなどの練習です。


 一方で、基礎練習というのはレースから遠い刺激です。長距離走、マラソンにはそれがどの種目であれ、どんな目標タイムであれ、速くと長くという二つの要素があります。例えば、800mという距離は大半の市民ランナーの方にとっては物凄く短く感じ、一瞬で終わるように感じると思いますが、それを2分ちょうどで走ることは簡単なことではありません。


 一方で、1キロ3分ペースというのは800mを1分50秒で走るランナーにとっては物凄く遅く感じられると思いますが、そのペースで42.195キロを走り通すことは簡単なことではありません。


 つまり、800mからマラソンに至るまで出場する種目をなるべく速く走るということが求められ、その基本要素としては長くゆっくり走るか短く速く走るのかの二つの要素が求められるのです。どの程度長く、どの程度速く走るかはその人が出場する種目と目標によって変わりますが、短く速くとゆっくり長くを組み合わせながら、最終的に長く速くを目指すという点については、一切変わりがありません。


 そして、3か月から半年のスパンにわたって常に基礎から実戦へと徐々に移行していくのが基本です。その意味は、常に全力で練習をするのではなく、体に余裕を持たせながら再現性の高い練習を組み合わせながら、普段の自分にはできもしないようなことを達成するのがトレーニングの構造を持つということです。


 例えばですが、池上選手がハーフマラソン63分09秒で走る前のトレーニングにおいては練習では10キロでさえもレースペースで走れませんでした。8キロでも無理でした。普通の人は8キロですら1キロ4分ペースで走れなければ、レースではハーフマラソンを1キロ4分ペースで走り切ることは出来ないと考えるでしょう。


 しかし、本当はそうではないのです。


 何故なら、練習とは単一で考えるものではなく、構造全体で考えるものだからです。それが構造を持つということの意味であり、その心は再現性を高めることです。体調が良い時だけ、調子が良い時だけ、練習会の時だけ出来る練習に依存せずに、コンスタントに自分一人でも出来る練習を上手く組み合わせる構造を持つことが大切なのです。


二つ目のポイント:常に全力で練習をするのではなく、練習の目的を明確にする

 これは一つ目のポイントの構造を持つということにも関連するのですが、練習計画全体の構造を持つ場合、それぞれの練習にはそれぞれの目的があるはずです。つまり、ゆっくり長くと短く速くを組み合わせることを基本とした場合、どの程度ゆっくり走るのか(どの程度速く走るのか)とどの程度長く(短く)走るのかということが常に考えられるべきです。


 この場合、練習は長ければ長いほど良いのでもなければ、速ければ速いほど良い訳でもありません。自分がその練習でどの程度長く走るのか、どの程度速く走るのか目的を明確にして取り組むので、常に全力で練習する必要がありません。


 こうすることによって、必要な刺激を体にかけながらも、いざという時の為に常に余力を残し、オーバートレーニングや故障のリスクを最小限に抑えることが出来るのです。


3つ目のポイント:運動生理学ではなく実践的観点を重視する

 運動生理学が発見した三大発見は、最大酸素摂取量、乳酸性閾値、ランニングエコノミーの3つです。それに加えて、心拍数なども含まれるでしょう。こういった発見がなされた時、多くの科学者たちが興奮しました。こういった指標が計測可能になれば、万人に適したトレーニングを簡単に作れるだろうと。


 市民ランナーの方も『ジャック・ダニエルズ博士のランニングフォーミュラ』をお読みの方はそう思われている方も多いです。実際に、こういった考え方は間違ってはいません。しかしながら、最大酸素摂取量よりも、乳酸性閾値よりもランニングエコノミーよりも大切なことがあります。それは実際に自分の目標を達成するために理に適った練習になっているかどうかです。


 実際に、マラソンでサブ3を達成するかどうかにおいて重要なことは、最大酸素摂取量を向上させることでも、乳酸性閾値に到達する瞬間の走行速度を後ろにずらすことでもありません。実際に、1キロ4分15秒ペースで42.195キロを走り続けることが可能になるだけの身体能力を持つことです。


 もちろん、その過程において様々な運動生理学的な向上は起こります。しかしながら、それはその過程において勝手に起こることであって、それが最終ゴールではありません。


 ですから、1キロ8本を4分ちょうど2分休息で行う練習が最大酸素摂取量の向上に非常に有効な練習だからと言って、それがハーフマラソンやマラソンにとってのベストな練習であるとは限りません。


4つ目のポイント:肉体的な素質ではなく頭で闘う

 4つ目のポイントは肉体的な素質ではなく、頭で闘うということです。もしも、どういった練習が理に適っているかを考えずに、修行のようにやみくもに体をいじめ、負荷をかけ、鍛えることを目指すなら、おそらく先天的な素質が大きくものをいうでしょう。


 人間には誰しも生まれ持った遺伝子というものがあります。そして、どういった遺伝的形質を両親から受け継ぐかは私には選べません。そもそも、両親を選ぶことは出来ません。だからこそ、「親ガチャ」という言葉も生まれたのでしょう。


 そして、もしも自分に合った適切な最高の練習方法を見つけようと努力せずに、ただただランダムに鍛えるだけ鍛えるのであれば、それはやはり運を天に任せることになります。運を天に任せる場合、持って生まれた遺伝子と同じで、あなたの成功は運任せになるでしょう。


 ここで重要なのは、どのような遺伝子を持って生まれるかは選べないけれど、どのような遺伝子を発現させるかは自分で選べるということです。人間はおよそ99%の遺伝子が眠った状態にあると言われています。この眠っている遺伝子を発現させる、つまり実際に能力や身体的特徴として現れるかどうかは、トレーニング次第です。


 トレーニングというのは自分の体内に眠っている持久力に関係する遺伝子を発現させることです。自分に合った練習計画、効率の良い練習の組み合わせとは自分が持っている持久力に関係する遺伝子を最大限に発現させることなのです。


 このように書くと、少なからぬ人が「それならやっぱり素質のある人しか出来ないんじゃないか」と思われると思います。しかし、そんなことはないのでご安心ください。池上選手も含めて99.9999%の人間は所詮は平均的な人間です。


 その訳をお話ししましょう。


 漫画やアニメのようにある特定の、単一の「持久力の遺伝子」というものがある訳ではなく、体に関係する数十から数百はあると言われている遺伝子の総合で決まります。そして、それらは二択であることもあれば、三択であることもあれば、四択であることもあります。


 例えば、よく知られているのはアルコールの分解酵素に関する遺伝子で、これが二つある人はめちゃくちゃお酒に強い、一つしかない人は中くらい、全くない人は下戸と呼ばれる人でアルコール度数3%のほろ酔いを飲んで本当にほろ酔いになる、もしくはしっかりと酔っぱらう人です。


 持久力に関係する遺伝子はそもそも数十から数百あると言われており、それぞれがあるかないかの二択であるものもあれば、複数の段階に分かれているものもあります。


 ここでは簡単な概算をしてみましょう。仮に、持久力に関係する遺伝子が100個あるとしましょう。そして、それぞれが持久系競技に向いているか向いていないかの2択であるとしましょう。


 そうすると、その全てにおいて持久力に優れている遺伝子を持つ可能性は2分の1の100乗です。つまり、1267650600228229401496703205376になります。私も単位というか読み方が分かりませんが、桁で言えば31桁です。10億のオーダーが7桁ですから、とりあえず地球の人口の70億なんてゼロに等しいくらいのちっぽけな数字になります。


 つまり、この地球上には持久系スポーツにおいて完璧な遺伝子を持っている人がいる確率は天文学的に小さいということです。考えてみれば、エリュ―ド・キプチョゲ選手も2番目に速い選手や3番目に速い選手とそう大きくは変わらないので、まあそんなもんなんでしょう。いくら素質があるとはいえ、この全宇宙に存在する可能性と比べればちっぽけなものなんだと思います。


 そして、大抵はある遺伝子に関しては持久系競技に向いているけれど、ある遺伝子に関しては持久系競技に向いていないということで、相殺され続け、結局私を含む大半の人間が平均的な人間です。だいたい皆エリュ―ド・キプチョゲ選手よりは遅いけれど、犬よりは速いどこかに位置付けられます(短距離じゃなくて長距離ですよ)。


 ちなみに、遺伝子の中で一番競技力に大きな影響力を与えるのは23番目の染色体に関する遺伝子です。つまり、男性として生まれるか、女性として生まれるかです。やはり、男性として生まれると圧倒的に有利です。しかしながら、それは誰もが知っていることであり、男性と女性を比べようとは思わないでしょうから、実質あまり関係がないでしょう(ちょっと微妙なご時世になってきましたが)。


 あとは年齢でしょう。遺伝子的に人間というのはだいたいの寿命が決まっており(それでも個人差はありますが)、その遺伝子的な寿命の限界に基づいて体は退化していくので、そういった年齢によって目指せるタイムもある程度は決まってきます。


 ただ、これも20代と70代を比べようという人もいないので、あまり問題にはならないように思います。


 従って、あなたがチンパンジーでもない限り、トレーニングの原理原則は同じです。ただし、やはりは世界に1人しかいません。ですから、試行錯誤を繰り返しながら、あなたにとって最適な練習計画を見つけていく必要があり、その時に頭を使ってしっかりと考える必要があるということです。


5つ目のポイント:ランダムではなく直線的にトレーニングを進めていく

 人間が持っているコスト(時間、労力、お金)は誰しも有限です。その自分が持っているコストをかける時、現状から自分の目標までと最短距離をたどるのが最も効率の良い努力となります。つまり、現状から自分のゴールへと一直線に進むというのは、常に今考えうる限り最適な練習をするということです。


 練習にお金は関係ないと考えると(実際にはやや関係がありますが)、自分の体力と時間がかけられるコストになります。そのコストを必要なことだけにかけ、時間軸の中で現状から目標へと一直線に繋いでいく必要があるのです。では、適切な練習とはどのような練習でしょうか?


 実はこれはその時々によって変わります。これは一つ目のポイントで解説した通りです。大きく分けると、どのような練習が適切であるかは1適切な負荷の設定、2質と量のバランス、3一般性と特異性のバランス(基礎練習と実戦的練習のバランス)によって決まるのですが、この5つ目のポイントはそれらを時間軸で捉える必要があるということです。


 理想は最初から最後までずっと直線上を進んでいくことです。つまり、あるレースに向けて準備を始めたその瞬間から、そのレースを迎えるその日まで、常に上記の3つのポイントにおいて完璧な練習を行うことです。


 しかし人間である以上、普通はそれはあり得ません。大抵は全てが完璧に行くことはありません。その時に重要になってくる考え方の第一は、そもそも完璧な練習とはだいたいどのようなものかという青写真が描けているかどうかです。どうせ人間は完璧じゃないから何でも良いではなくて、そもそも完璧な練習とはどういうものかが描けていれば少なくともそこを目指して歩いていくことが出来ます。


 旅人が北極星を目指して歩いたところで決して北極星にたどり着くことは出来ないけれど、北極星を目指して歩くことで目的地に到達することが出来るというのと同じ理屈です。


 ランダムに、つまり行き当たりばったりにその場の気分で練習するのとは全く違うんです。何が違うかというと上手く行く確率が違うんです。適当に、風来坊のように風の吹く方向に歩いていくのと、北極星を目指して歩いていくのとでは目的地に到達する確率が全然違うのです。


 ですから、先ずは半年から3か月くらいのスパンの中で、おおよそ完璧な練習とはどういうものなのかということを1適切な負荷、2適切な質と量のバランス、3適切な一般性と特異性の3つの観点から思い描くことが大切なのです。


 池上選手の場合もこの5つのポイントを踏まえることで、完ぺきとは言わないまでもそれなりに良い練習が出来て、一回一回の練習はそれほど大したことをやっていないのに、いやむしろ、レースでさえもピークを持ってきていないレースではハーフマラソンのレースペースくらいでしか5000mや10000mを走れていなかったのに、ピークを合わせたハーフマラソンでは4倍から2倍の距離を同じペースで走り切ったのです。


 それはシステマチックに、効率よく練習を組み合わせたからであり、それは決して偶然ではないのです。100発100中ではないことはお伝えしておきましょう。100発100中ではありません。


 しかしながら、本当に運を天に任せて風の吹く方向に進みながら偶然京都から東京へとたどり着くのと、明確に東京タワーを見ながら京都から東京へと歩いていくのと同じくらいの確率の違いはあります。


 あなたも、池上選手と同じような効率の良い、換言すれば確率の高い練習のやり方が出来れば素晴らしいと思いませんか?


 そう思われる方に朗報です。


 実は池上選手自身の口で自分に合った練習計画を解説しているオンラインスクール、トレーニングプログラムビルダーというものがあるのです。トレーニングプログラムビルダーは3本合わせて、合計約3時間の講義動画から構成されており、先ずは1本ずつこの講義動画を視聴して、自分に合った練習計画の立て方を観た上で、付属のワークシート(PDFファイル)を埋めていけば、自分にピッタリの理想の練習計画が立てられるようになるのです。


 そして、自分に合った練習計画を立てられるようになると言っても、実際には人間のやることなので、脚を痛めたり、疲労を抱え込んでしまったり、体調を崩したりといったこともありえます。そういった場合の練習計画の修正の仕方についても解説をしています。


 本当に私でも出来るのか?


 そう思われるお気持ちもとても分かります。ですが、ご安心ください。何故なら、トレーニングプログラムビルダーでは池上選手の練習のやり方について解説しているのではなく、あなたにピッタリの練習計画を立てる方法について解説をしているからです。


 また、池上選手は現在は市民ランナーのコーチとしてもご活躍されていますが、過去3年間で数百人の市民ランナーさんをコーチングしてきた経験からも、よりアマチュアランナーの為の練習計画の立て方というものがブラッシュアップされています。


 こちらのトレーニングプログラムビルダーは以下のよう方におススメです。


・長距離走、マラソンにおいて特定の大会における順位やタイムに関する目標、あるいは夢がある。


・上記の目標や夢に到達するために頭を使って効率的努力を実現し、最短最速で目標や夢を叶えたい。あるいは現在の自分からは想像も出来ないようなとんでもないところにたどり着きたい


・基本的に一人で練習している(たまに練習会に参加している人も含む)


・コーチがおらず、自分で練習計画を立てている


 上記のような方にはトレーニングプログラムビルダーが絶対にピッタリです。


 逆に、下記のような方にはトレーニングプログラムビルダーは合いません。


・特に目標とするタイムや記録はなく、ただただ楽しくて走っている


・特に目標とするタイムや記録はなく、健康や減量の為に走っている


・構造化されたシステムを持つのは嫌で、毎日明日には明日の風が吹くといった刹那的気分で走りたい


・頭を使うのは嫌で、自分の素質をもってすれば、とりあえず鍛えておけば速くなれると信じている


 こちらのトレーニングプログラムビルダーは決して机上の空論ではなく、たった一年間でマラソンが3時間16分から2時間32分まで伸びたりと過去三年間で101人の方に受講して頂き、多くの方が劇的にタイムを伸ばされています。


 このような講義がたった19800円の投資で受講して頂けます。


 では、この19800円、安いのか高いのかということですが、はっきり言って安いです。その理由は3つあります。


 先ず一つ目に、他の人と比べてどうかということですが、例えばユーチューブのチャンネル登録者数8万人、市民ランナーのパーソナルコーチングをして、様々な方の目標達成をサポートされている高山敦史さんのパーソナルコーチング代は1時間1万円です。トレーニングプログラムビルダーが3本合わせて3時間の講義動画、PDF15ページ分のワークシート、池上秀志への無期限での無料メールサポートがついてたった19800円ですから、安いと言えるでしょう。


 次に、池上秀志の実績を考慮に入れるとどうかということですが、池上選手は中学時代は都道府県対抗男子駅伝で京都府代表として出場し6区で区間賞、高校時代は京都府高校駅伝で3年連続区間賞でチームも優勝、全国高校駅伝3年連続出場、都道府県対抗男子駅伝と合わせて計20人抜き、大学では関西インカレ二冠、京都府選手権、近畿選手権、グアムハーフ、谷川真理ハーフ、上尾ハーフ、亀岡ハーフで優勝、そして、プロになってからは大阪ロードレース、ハイテクハーフ二連覇、ケアンズマラソンで優勝、大阪マラソンでも日本人トップの2位に入るなどの実績を残しています。


 そして、指導者としての指導実績としては10代から70代まで、800mからマラソンまで、ケニア人も日本人も、男女問わず、マラソンで世界のトップを狙うレベルからサブ4を狙うレベルまで、幅広く指導し、過去3年間で数百人のランナーさんの自己ベスト達成をサポートしている圧倒的な実績、自分でも世界中を渡り歩き、延べ20か国以上100人以上の一流指導者、一流選手に直接話を聞いて渡り、日独英語で書かれた運動生理学、医学、トレーニングの本、一流選手や指導者の伝記、栄養学、睡眠、医学に関する書籍をのべ数百冊読み込んで勉強しています。


 つまり、実績という観点からも安いと言えるでしょう。


 そして、何よりも池上選手は腰から下で故障したことがない箇所はなく、疲労骨折は4回も経験し、オーバートレーニングで5000mが1分半以上遅くなったりと、挫折経験が多いことからもランナーの気持ちを分かってくれるでしょう。


 そして、最後に3つ目の理由ですが、実は8月15日までにトレーニングプログラムビルダーに申し込まれた方には18000円で販売されている「日の丸を背負った京大生、消えた天才平井健太郎のトレーニング戦略」という4本合わせて合計約3時間半の講義動画が無料でついていくるからです。


 平井健太郎さんは京都大学時代にセルフコーチングで5000m14分ちょうど、10000m28分36秒、ハーフマラソン62分30秒をマークし、日本インカレで10000m日本人トップの2位、日本学生個人選手権で2位、全日本学生ハーフマラソンで13位という成績を残されています。


 勉強や家庭教師の仕事と並行しながら、月間400キロ程度の練習で結果を残されており、全てのアマチュアランナーに役立つ内容です。


 講義の端々に「戦略」「意識」「目的」「集中」「究極的には」「コツ」と言ったキーワードが出てきており、頭を使って効率的努力を実現したいあなたには絶対にピッタリです。


 そして、こちらのトレーニングプログラムビルダーには全額返金保証がついており、万が一全ての講義をご覧になられた上でご満足できなかった場合には全額返金してもらえます。ですので、完全にノーリスクで受講して頂けるのですが、今のところ返金請求をされたのは101人受講されて1人だけです。


 もちろん、きちんと返金されていますので、ご安心ください。


 ですが、返金請求をするようなことにはならないでしょう。過去3年間の101人の受講生様同様、いや、その半分程度の成果でも絶対にご満足されます。今すぐに下記のリンクをクリックして、申し込まれることをオススメするのですが、いかがですか?



受講生様のお声

「動画視聴しました!すごく分かりやすかったですし、自分の現役は高校までなんですけど、振り返りながら「うわぁ〜」ってなりました。まさに与えられたものを全力でやる姿勢でしたので、もちろん指導者は色々と考えてくださっていたと思いますが、きちんと意味目的を理解しながら練習してたら効果が違ったんじゃないかな〜と思いました。


 本当に良いタイミングに貴重な内容を学べたと思います。今冬のレースの予定はまだないんですが、1月or2月にレースもしくはTTをする予定なので、それに向けた半年サイクルでの自分のトレーニングプログラムを組み立ててみようと思います。その経験で色々気づくことがあると思うので、修正して、現時点の最大の目標である2021年11月のマラソンレースに向けて取り組めたら、かなり狙えると思います」 川島はるか様



よくある質問

Q:支払いは一度限りですか?

A:はい、お支払いは一度きりで、死ぬまでご利用頂けます。仮に2年ご利用いただくとしても年額約1万円、月額たったの約800円でご利用いただけます。

Q:受講登録手続きは難しいですか?

A:簡単な基本情報を入力するだけで5分ほどで完了します。

Q:支払い方法はどのようなものがありますか?

A:ペイパル、もしくはクレジットカードでお支払いただいた場合には自動返信メールにてすぐに講義がお手元に届きます。他に銀行振込がお選びいただけます。

Q:講義はどのように受講できますか?

A:オンラインで公開しており、いつでもお好きな時に学んだいただけます。

Q:ユーチューブ上などで配信されている無料のコンテンツと何が違うのでしょうか?

A:他のユーチューバーなどとの違いは、圧倒的な知識と経験です。これに関してはブログをお読みいただければ、お分かりいただけるかと思います。池上秀志が無料配信している情報との違いは、お金を頂くからには受講者目線で結果が出るようにデザインし、知識だけではなく、知識の使い方をお伝えしている点です。

Q:なんでこんなに高いのですか?

A:お気持ちはわかりますが、学生の方も受講してくださるのにはそれだけの結果が出るからです。レースシューズは1万円から3万円程度ですが、良いシューズを履いても速くなるのはせいぜい1キロ数秒です。もし学んで、実践し、根本的に自分を変えれば、タイムは飛躍的に伸びます。しかもシューズは消耗品なのに対し、本コンテンツは一生ものです。

Q:講義者の池上秀志って誰ですか?

A:池上秀志の経歴はウェルビーイング株式会社のホームページにも簡単にまとめております。www.ikegamihideyuki.comからご覧ください。また、それだけでは信頼できないという方はグーグルで「池上秀志」、「池上秀志 川内優輝」、「池上秀志 大阪マラソン」、「池上秀志 無名の国立大生」などで検索して下さい。

Q:販売元のウェルビーイング株式会社なんて聞いたことありません。

A:講義者の池上秀志が2020年1月に創設したばかりのまだ新しい会社です。池上秀志が2017年から書き始めたブログを母体としながら、ブログやオンライン講義でランナーのための情報発信を続け、現在はチャンネル登録者数28000人の「ティラノのランラボチャンネル」を運営し、自身も京都府高校駅伝5区区間賞の実績を持つ深澤哲也、1500mで東海インカレ2位に入り、名城大学の大学駅伝2連覇をマネージャーとして陰から支えた斎藤晴香(旧姓早乙女)さん、インターハイチャンピオンから主婦や学生まで幅広く体幹トレーニングを担当する小谷祥子さん、高校時代に3000m9分30秒をマークした長谷壬生菜さん(旧姓高田)らと日本一の学び場運営を続けています。

A:アミノサルスのアプリで見られるものと同じですか?

Q:いいえ、違います。こちらはウェルビーイング株式会社からしかご覧いただけません。

その他、質問や受講前に一度電話で話したいという方は下記の問い合わせフォームよりご連絡ください。



池上秀志経歴


中学 京都府亀岡市立亀岡中学校

都道府県対抗男子駅伝6区区間賞 自己ベスト3km 8分51秒

高校 洛南高校

京都府駅伝3年連続区間賞 チームも優勝

全国高校駅伝3年連続出場 19位 11位 18位

大学 京都教育大学

京都インカレ10000m優勝

関西インカレ10000m優勝 ハーフマラソン優勝

西日本インカレ 5000m 2位 10000m 2位

京都選手権 10000m優勝

近畿選手権 10000m優勝

谷川真理ハーフマラソン優勝

グアムハーフマラソン優勝

上尾ハーフマラソン一般の部優勝

大学卒業後

実業団4社からの誘いを断り、ドイツ人コーチDieter Hogenの下でトレーニングを続ける。所属は1990年にCoach Hogen、イギリス人マネージャーのキム・マクドナルドらで立ち上げたKimbia Athletics。

大阪ロードレース優勝

ハイテクハーフマラソン二連覇

ももクロマニアハーフマラソン2位

グアムマラソン優勝

大阪マラソン2位

自己ベスト

ハーフマラソン 63分09秒

30km 1時間31分53秒

マラソン 2時間13分41秒



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筆者紹介

​ウェルビーイング株式会社代表取締役

池上秀志

経歴

中学 京都府亀岡市立亀岡中学校

都道府県対抗男子駅伝6区区間賞 自己ベスト3km 8分51秒

 

高校 洛南高校

京都府駅伝3年連続区間賞 チームも優勝

全国高校駅伝3年連続出場 19位 11位 18位

 

大学 京都教育大学

京都インカレ10000m優勝

関西インカレ10000m優勝 ハーフマラソン優勝

西日本インカレ 5000m 2位 10000m 2位

京都選手権 10000m優勝

近畿選手権 10000m優勝

谷川真理ハーフマラソン優勝

グアムハーフマラソン優勝

上尾ハーフマラソン一般の部優勝

 

大学卒業後

実業団4社からの誘いを断り、ドイツ人コーチDieter Hogenの下でトレーニングを続ける。所属は1990年にCoach Hogen、イギリス人マネージャーのキム・マクドナルドらで立ち上げたKimbia Athletics。

 

大阪ロードレース優勝

ハイテクハーフマラソン二連覇

ももクロマニアハーフマラソン2位

グアムマラソン優勝

大阪マラソン2位

 

自己ベスト

ハーフマラソン 63分09秒

30km 1時間31分53秒

マラソン 2時間13分41秒

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