短期目線と長期目線
- 池上秀志

- 7月19日
- 読了時間: 10分
皆さん、こんにちは!
前回は「ウェルビーイングオンラインスクールが理解出来ない大人たち」というテーマでブログを発行させて頂いたのですが、もうお読み頂けましたでしょうか?
本日はその続きとなりますので、まだお読み頂けていない方は先ずはこちらをクリックして、先日のブログをお読みください。
さて、本日のテーマは短期目線と長期目線の違いです。先日のメルマガでもお届けさせて頂きました通り、基本的には長期で物事を考えられる人の方が結果を出す確率は高いのですが、短期で物事を考えた方が目先での結果は出るのです。
前回のおさらいも兼ねて軽く触れさせて頂きますと、お金と長距離走、マラソンの二例をそれぞれ出させて頂きましたが、短期で考えれば、自分よりも弱い高齢者などを狙って強盗した方が手っ取り早くお金は稼げますし、長距離走、マラソンで言えば、パーソナルの走り方指導などを受ければわずか1時間の間に走り方に変化は見られるでしょう。
どちらも、それを成果と呼んで良いのかどうかは微妙なところですが、ある意味ではどちらも短期で成果が出ています。
一方で、長期目線で物事に取り組むと、短期的には何も変化が出なかったり、逆に後退しているように見えることもあります。
例えばですが、6番目の選択肢を選ぶのであれば、先ずは長距離走、マラソンの原理原則を学ばなければなりません。つまり、練習すらしていないのです。動き出してすらないのです。動き出してすらないのに、結果など出るはずがありません。
お金を稼ぐにあたっても、先ずは資本主義や経済、商売の原理原則を学んだ方が大きな結果が出ますが、この時点では1円にもなっていません。あとは元手を用意して、それを投入するのである意味ではマイナスからのスタートとなります。
このように見ていくと、長期的に成果を出したいのであれば、短期的には効率が悪い方法を選ぶ必要があるし、長期的な結果を無視して良いのであれば、短期的に結果が出るものを選んだ方が良いということになります。
そして、常に理解しておくべきは大きな成果を挙げたいのであれば、もしくは人並外れた結果を出したいのであれば、常に長期目線で物事を考える必要があるということです。
ウェルビーイングオンラインスクールの謳い文句は「プロの知識と経験をあなたにインストールし、超効率的努力を実現することで1年後、2年後、3年後に長距離走、マラソンが劇的に速くなるハイテクシステム」ですが、ここで1年後、2年後、3年後と書いているのにも私なりに理由がありまして、先ず第一は短期で物事を考えても結果は出ない、もしくは大きな結果は出ないからです。
1か月で結果を出させてくれと言われれば、そのような練習を組みますが、それでは大きな結果を出すことは出来ません。
本当は15年±5年くらいのスパンで考えるのが一番良いのですが、とは言え、中にはすでに走り始めて10年経ちましたという方もいらっしゃいますし、現在60歳でサブ3を達成するにはなるべく早い方が良いという方もいらっしゃるわけです。60歳から10年経つと70歳ですが、加齢の問題で、10年も時間をかけているとかえって可能性が落ちてしまいます。
また、長期目線で考えた方が結果が出るのは間違いありませんが、だからと言っていつまでも変化が感じられないのも困りものです。レースに出る必要はありませんし、タイムトライアルをする必要すらありません。
ですが、やはり練習において何らかの進歩は観察されるべきです。なんの進歩もみられないのに、正しいやり方と言い張るのは机上の空論というものです。
そんな訳で、だいたい1年から3年くらいのスパンで考えるのが、とりあえずは目安であり、なおかつまだ年齢が若くて、本当に良い記録を出したいのであれば、もっと長期目線で物事を考える必要があるというのが本当のところです。
しかしながら、長期目線で物事を考える上では、二つの問題点があります。
一つ目の問題は知能の問題です。ある程度の知能がないと、時間軸を過去や未来に自由自在に動かして思考することが出来ません。また、未来のことに対して強い臨場感も感じられません。
ですが、これについては過去三通のメルマガで詳しく解説させて頂いているので、本日は省略させて頂きます。
二つ目の問題は動機、やる気、モチベーションの問題です。あまりにも未来に目を向けすぎると、やる気を維持しにくいという問題が出てきます。実はこの二つ目の問題も一番目の知能の問題と関連があるのですが、二番目の問題は知能が低くても、クリア可能です。
これは中学生を指導する時にも有効なテクニックです。それは当面の目標というものを設定してあげることです。当面の目標を設定することと、短期で物事を考えることは別です。
短期目線でしか物事を考えられない人は目先の目標こそが全てなのです。練習計画も目先のレースのことだけを考えて組むことになります。
一方で、目標は5年後くらいに設定しておいて、とりあえず当面の目標は5000m20分ちょうどで走ることとかでも良い訳です。
あるいは、当面の目標はレースである必要すらありません。当面の目標は週に100㎞の練習に体を慣らすこととか、当面の目標は10㎞の中強度の持久走が1㎞4分30秒ペースでこなせるようになることとか、そんな感じで良いのです。
もっと区切れば、今日一日の目標というものがあったって良い訳です。目標を1つ1つクリアしていった先に長期的な大きな目標、夢の実現があるという考え方で構わないのです。
ただし、これは手を伸ばしたら届くところに目標を設定して、それを達成してから次のことを考えるというのとは全く別の思考方法です。
今ちょっと手を伸ばしたら、コンビニでパンを万引き出来るからとりあえずこれを目標にしようってそれはダメでしょ(笑)
でも、手を伸ばしたら届くところに目標を設定するというのはそういうことです。目先の利益に汲々としていることに変わりはないのです。
今自分はサブ4を目指すレベルのランナーだから、サブ3の為の情報を学んでも意味がないという思考の仕方は、今自分は手元に食料が無いからとりあえず盗もうという思考とあまり変わりません。
とは言え、次のレースは数か月後でしょうから、今目の前に食料が無いから盗むという思考とは違いますが、とりあえず今の自分はいくら頑張っても、月収20万円だから、とりあえずもうちょっと仕事を頑張って、月収21万円を目指そうみたいなそういう思考です。
大抵の人はこの思考法から抜け出せないので、本当は年収1億円とか思っていても、一生をサラリーマンで終える訳です。
ちなみにですが、別に私はそれで悪いとは一切思っていません。それで本人が幸せであれば、それで良いのです。
ただ、多くの人がお金持ちになる人は元々凄い人とか運が良いとか、サブ3する人は元々凄い人とか、元陸上部だから出来るとかであって、自分にはいくら頑張っても無理、素質が無いから無理と思われているのであれば、それは違います。
思考の仕方の問題として、短期目線でしか物事を考えられないので、サブ2.5が本当の目標だけれど、その為の次のステップとして当面の目標としてサブ4みたいな思考の仕方が出来ないのが大きな原因です。
お子様をお持ちの皆さま、よくよく考えてみると反省しなければならないことはないでしょうか?
お子様が将来的にプロ野球選手を目指して、当面の目標、つまり今日の目標として素振り100回とかやっている横で「あんたにプロ野球選手なんかなれないんだから、勉強でもしてなさい」とか言っていないでしょうか?
もしかしたら、親御さんには勉強頑張って良い大学に入って、良い会社に就職するくらいの目標しか見えていないかもしれませんが、その子にはプロ野球選手という目標がはっきりと見えているのかもしれないので邪魔してはいけません。
長距離走、マラソンにおいても同じ現象が起こるのです。
短期でしか物事考えられない人は「今は4時間半でしか走れないけれど、長期目線でサブ3を達成できるように先ずは練習量を増やして、月に80㎞走れる体と心を作ろう、その後は少しずつ少しずつ中強度の持久走に取り組み、今は1㎞5分半ペースでしか走れないけど、最終的には日常的に4分半まで走れることを目指そう、同時並行で200m5本も取り入れよう、そのあとは5000m19分10秒を目指そう」と取り組んでいる人を馬鹿にしがちなのです。
「それでサブ3?Vo2MaxインターバルもLT走も分かってないやつが何言ってんの?」とかもっとレベルの低い人になると、「それでサブ3?何言ってんの?マラソン速くなりたいなら、マラソンのレース出なきゃ意味ないじゃん」と馬鹿にするわけです。
長期目線で正しい努力を積み重ねている人は短期目線で効率の悪い努力をしている人から見ると、逆に馬鹿に見えてしまうものなのです。
そういう意味では、より少ない練習で結果を出すのが効率が良い、とかより手っ取り早く結果を出すのが効率が良いという考え方も見直されるべきでしょう。
だいたい、そういう手っ取り早く結果を出すための方法論というのは効率が悪いですし、それは一般社会に例えると「汗水たらして働くなんて効率悪い。パンもおにぎりもスーパーとかコンビニで盗めば良いじゃん」と言っているのよりちょっと上のレベル程度の思考です。
最後に別の表現を使った方が分かりやすい方もいらっしゃるかと思いますので、別の表現も用いさせて頂きます。
例えば、戦術よりも戦略に重きを置くというのが短期目線ではなく、長期目線に重きを置くということです。戦術的誤りは戦略でカバーできるが、戦略的誤りは戦術でカバーできないと言われるのもこれが所以です。
レース戦術が拙くても、トレーニング戦略が正しければ、力はつくので力でねじ伏せることが出来ます。5000m14分台のランナーがレース戦術でミスを犯しても、5000m16分台のランナーには絶対に負けないというのがこの例です。
一方で、戦略的誤り、つまり普段のトレーニング戦略が完全に誤っており、力そのものがついていない場合は、どれだけレース戦術に優れていても勝負になりません。
他の表現をさせて頂きますと結果よりも過程に重きを置くということです。これは結果が出なくても、一所懸命やればそれで良いという話ではありません。
そうではなくて、仮にレース当日に結果が出せなかったとしても、練習において中強度の持久走のペースが速くなったり、こなせる練習量が増えたのであれば(つまり、中強度中量が向上しているのであれば)、正しい方向性に進んでいるということです。
他の例で言えば、目先のフルマラソンで結果が出せなかったとしても、こなせる1000m5本のペースが上がっているのであれば、必ず長期で見ればフルマラソンの記録向上にも有利になっているのです。
結果よりも過程に重きを置くということはそういうことです。よく「結果が全て」と言いますが、そういうことは指導能力の無い人がいうことです。
例えば、営業部員の評価は最終的には、売り上げで評価されるのでしょうけれど、だけど今はまだ売り上げは上がっていなくても、以前よりも知識が増えたり、技術が改善されたり、見込み客との信頼関係を構築してきているのであれば、やはり成長していると評価すべきなのです。
短期目線よりも長期目線に重きを置く、戦術よりも戦略に重きを置く、目先の結果よりも過程に重きを置くことの重要性お分かり頂けましたでしょうか?
ウェルビーイング株式会社代表取締役
池上秀志
追伸
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