体幹を鍛えると人生が変わる?一般人が体幹トレーニングをする目から鱗の3つの理由
更新日:9月16日
本日は改めて考えて頂きたいのですが、どうして人は体幹を鍛えるのでしょうか?
どうして筋トレをするのでしょうか?
いわゆる競技者と呼ばれる長距離ランナー達が何故体幹トレーニングをするのか?ということは別記事で書かせて頂きましたので、是非こちらをクリックして、お読みください。
改めて書かせて頂きますと
1体幹を安定させることによって脚へのアンバランスな負担を減らし、故障が減る
2強い体幹を作ることで力を抜きやすくなる→走力の向上に繋がる
3強い体幹を作ることで地面からの反発をもらいやすくなる→走力の向上に繋がる
といった利点があります。これはもちろん、そのまま市民ランナーの方にも当てはまります。同じランナーですから共通するのは当たり前です。
ですが、今回はもう少し幅広い視点から考えてみたいなと思います。というのも、別に市民ランナーの方だけではなくて、というよりランナーさんの数と同じくらい走っていないけれど、体幹トレーニングをする人はこの世の中にたくさんいるからです。
今回はもう少し幅広い視点から、どうして体幹トレーニングに取り組む人が多いのか、そこには何があるのか、どんな良いことがあるのかということを体幹トレーニングのスペシャリスト小谷祥子さんに聞いてみましたので、簡単にまとめさせて頂きます。
その前に、簡単に小谷祥子さんのことを紹介させて頂きますと、小谷さんは元々は陸上競技の100mハードル、七種競技、やり投げで全国大会に出場されています。やり投げというのはモノを投げるのである程度の筋力や体重を必要としつつも、助走のスピードが必要となるので動ける体も必要となります。
従って、狭い円の中で回転して重いものを投げるハンマー投げ、円盤投げ、砲丸投げと違い、体が大きくてなおかつ走るのが速い人が有利なのですが、小谷さん曰はく「高校に入学した時は走れるデブ」だったのでやり投げを専門にされていたそうです。
そんな小谷さんですが、現在は主婦の方、会社員の方、学生の方、少年野球の子供達、少年バスケの子供達、インターハイチャンピオンを含む母校京都橘高校の短距離選手達、大阪マラソン日本人トップの私など非常に幅広い方の体幹トレーニングに携わられています。

そんな訳で、小谷さんに何故人が体幹トレーニングをやるのか聞いてみますと大きく分けると3つの目的があるようです。
先ず第一に、競技力向上です。これは長距離走だけではなく、陸上競技の全種目、野球やバスケなどありとあらゆるスポーツの競技力向上に役立つそうです。
これに関しては、正直、私は長距離走、マラソン以外はよく分からないとしか言えないのですが、どんなスポーツにおいても1体の軸となるのは体幹であり、2大きな力を発揮するには体幹からの力が必要であり、3上半身と下半身を連動させるのは体幹であるというのが大きな理由であるような気がします。
あとは体幹トレーニング=筋肉を鍛えるというイメージが強いと思いますが、それだけではなく、運動神経も鍛えられます。運動神経というのは先天的に運動が得意という意味ではなく、もっと純粋な生理学的な意味における運動神経です。
運動というのは、脳からの電気信号が運動神経を伝わり、筋肉に電気が流れ、それによってサルコメア内において筋収縮が生じることで体が動くことを指します。
そして、運動神経というのは後天的なトレーニング(訓練)によって様々な発達の仕方をします。
例えばですが、我々日本人が共通して持っている優れた運動神経の一つはお箸を使うことです。お箸を使わない文化の人は、お箸を使う運動神経が発達していないのでなかなか上手く使えませんが、日本人の大人でお箸が上手く使えない人はほぼいません。それは幼少期から繰り返し使い、その運動神経が発達しているからです。
ただし、残念ながら普通は利き手でしかご飯を食べないので、反対の腕の運動神経は発達しておらず、利き手と反対ではあまり上手く食べられないのが普通です。
体幹トレーニングも様々な種目を取り入れることで、様々な筋肉群を動かしています。筋肉一つ一つに意識を集中させることで、鍛えられるだけではなく「その筋肉を動かす」という感覚が養われます。これの積み重ねによって運動神経が鍛えられていくのです。
全然余談なのですが、私は元々野球少年でした。ちょうど阪神タイガースの18年前のアレの時は小学生でバリバリの野球少年でした。
最近はめっきり野球もやりませんが、今の方がバットを振ってもしっくりくるんです。なんか小中学生の時にはなかった体の感覚=運動神経が今はあるので、専門的にはやっていませんが、なんとなく体をこう使うというその感覚が鋭くなっています。だから、そういうことなんだろうなと思います。
様々なスポーツにおける競技力の向上、これが1つ目の理由だそうです。
そして、2つ目の理由はダイエット(減量)です。あー、やっぱりなって感じですよね。数千人の市民ランナーさんと関わらせて頂いた私の経験上も、走り始める二大理由は減量と健康のための二つです。
そして、痩せると言っても普通は強制収容所に入れられていた人達みたいにガリガリにやせ細りたい訳ではなくて、引き締まった体を作りたい訳です。別に、ボディビルダーみたいにムキムキじゃなくても良い、でもポッコリお腹は何とかしたいという人が大半です。
ではなぜ、ダイエットに体幹トレーニングが良いのかということですが、理由は二つあります。
先ず第一に、体幹トレーニングではお腹周り、腰回りお尻周りを中心に鍛える訳ですが、その辺りの筋肉をしっかりと鍛えることによってたるんでいた肉が引っ込んできます。特に、小谷さんによると下腹が出ているのを何とかしたいという人が多いそうです。
この時の一つのポイントですが、体幹トレーニングというのは基本的に自分の体を支える、自分の体をコントロールするという種目が多いです。この地球上で体をコントロールするということを考える時に、重力に抵抗して体を支える筋力をつけるということと先述の運動神経の二つが必要になります。
それを最も極限まで実現したのが体操選手なのでしょう。私の母校の洛南高校は体操部が強くて、毎年のように日本一が出ていたのですが、体操部の人たちの体は本当に彫刻のように美しかったです。
こんなこと書いたら申し訳ないですけど、並みの男前度だと肉体があまりにも美しくて首から上と首から下が不一致で、一瞬脳が混乱します。全然不細工とかじゃないんですけど、体が綺麗すぎて、普通の顔が乗ってたらなんか違和感あるんです。
話を元に戻しますが、自分の体を重力に逆らってコントロールできる体というのはお腹もお尻も垂れ下がらず、ピシっとしている状態なのです。
それから二つ目の理由は、ホルモンバランスが変わることです。体幹トレーニングにも色々なやり方がありますが、小谷さんはスロトレというゆっくり動くトレーニングと高強度インターバルトレーニングの両方を組み合わせるのですが、この高強度インターバルトレーニングを繰り返すことによって、脂肪が蓄えられにくく、脂肪が燃えやすい体へと変わっていきます。
ちなみに、全く同じ効果をもたらすのが中強度以上のランニングです。ですから、ダイエットに関して言えば、ランニングと体幹トレーニングの組み合わせが最強だと思います。
ですが「ランニングは痩せない。寧ろお腹がすいて太った」という声もたくさんあります。それも知っています。それがなぜかも知っています。
何故かというと、一言で言えば効果をすぐに求め過ぎだからです。本当に効果を求めるのであれば、30分以上の中強度走が出来るところまでいかないとなかなか効果を得られないのですが、大抵の人は好きで走っている訳ではなく、ダイエットの為だけに走っており、ゆっくりと3キロ走ることすら地獄なのですが、ゆっくり3キロ週に2回走ったところでダイエット効果はほとんどないでしょう。
そして、不健康な人が週に2回3キロほど走るとちょっと健康的になってお腹が減るのです。そんな訳で、走るのが好きじゃ無ければ、やっぱり体幹トレーニングの方が良いような気が私はします。故障のリスクもほとんどないですし。
ただ、ランニングの良さはやっぱり、気持ち良いことだと思います。人によって好き嫌いあるでしょうけれども、遺伝子的に言えば、人間は室内で体幹トレーニングをヨガマットの上でやるよりも、外を走る方が向いているはずです。
ただ、その辺り小谷さんがプロだなと思うのは、小谷さんは盛り上げ上手で楽しく体幹トレーニングが出来る環境を作っていることだと思います。音楽も使われているのですが、その選曲のセンスもお客様からは大変高評価です。
私がやると間違いなく魁男塾みたいになるので、絶対に勝てないです。

という訳で、ダイエット=減量が一般の人が体幹トレーニングをやる二つ目の理由だそうです。
そして、3つ目は将来に対する不安だそうです。これは少し説明が必要だと思うのですが、30代、40代と運動も何もせずに過ごしていると間違いなく体はたるんできます。この体のたるみは漠然と「このままやとちとヤバイな」という想いをかき立てます。
この「ちとヤバイ」というのは「さすがに、このままだらしない体になり続けるのは嫌だな」「このままいくとさすがに健康に問題が出るんじゃないか」「このままいくと老後に転倒したり、自分の体を支えられなくなったりしないだろうか」「このままいくと健康で元気で楽しい老後の生活が送れなくなるのではないだろうか」といったような様々な身体面の不安です。
これは私は盲点でした。60代、70代、80代の老人の方の為のリハビリ施設というか、筋トレ施設で一度講演をさせて頂いたことがあるので、歳を重ねると今まで出来ていたことが出来なくなっていくようになり、その予防の為にも体を鍛える(動かす)ことが重要であることは認識していましたが、30代、40代、50代くらいでも「このままいくと将来は・・・」と将来に思いをめぐらせることがあるのかとちょっと意外でした。
しかし、考えてみると当たり前かもしれません。20代の体からいきなり80代の体になる訳ですから、30代、40代で学生時代の自分の写真と今の自分の写真を見くらべながら、このままあと5年、10年と時が過ぎると自分はどうなってしまうことやらと思うのも無理はありません。
あと、あまり皆が書かないけれど、大きな真実であることをあえて書かせて頂きますと、20代って特に努力していなくても性的な魅力がある年代だと思うんです。特に女性はそうです。
「男は30歳から始まり、女は18歳から始まる」なんて言葉もありますが、まあまあ20代は男女ともに性的な魅力がまだまだある年齢だと思います。
ところが、30代後半、40代、50代となってくると体を鍛えている人とそうではない人の違いが如実に大きくなっていきます。オシャレとかお金とかでごまかせる部分も大きくありますし、精神的な豊かさや頭が良くなったりして魅力が増すこともたくさんあります。
ただ、最後やることやる時は一糸まとわぬ状態になる訳ですから、人間の本能的な不安として自分の性的魅力が失われることへの不安は誰しも多かれ少なかれあるような気はします。まあ、29歳のくせに生意気書いて申し訳ないのですが、やっぱりあるような気はするのですが、いかがでしょうか?
という訳で、3つ目はそういった健康面から性的魅力にまつわるまでの本当に幅広い、漠然とした意味での「このままでは自分はヤバいんじゃないか」という不安が体幹トレーニングへと駆り立てるそうです。
ここまで1競技力の向上、2ダイエット、3漠然とした将来への不安という3つの要素を挙げさせて頂きましたが、逆の言い方をすればこの3つの悩みが解消されたり、願望が実現されるからこそ人は体幹トレーニングをするということだと思います。
そして、更に追加で加えるならば、ストレス発散も挙げておられました。小谷さんのレッスンは非常に人気で、やはりその大きな理由に小谷さんの盛り上げ上手と選曲のセンスがあると思います。私が体幹トレーニングを担当するのとは全然違うでしょう。
しかしながら、どんなやり方でやっても一汗かいたらストレス発散になるというのは間違いないと思います。
また、これは走っていた思うことですが、走り終わった後に食べるご飯は走らずに食べるご飯よりもおいしいし、走って夜寝るのと走らずに夜寝るのとだと走って寝る方が気持ち良いです。
私はお酒はあまり好きではないのですが「走り終わった後の一杯が楽しみで走っている」人の気持ちはよく分かります。お酒が好きなら走りに行かずに、酒だけ飲んでいれば良いじゃないかと思われるかもしれませんが、一汗かいた後のお酒はまた美味しいんでしょう。
ただ、これに対して「運動は体に悪い」「運動は酸化ストレスを生じさせるから老化の原因になる」という人もいるのですが、これはプラスマイナスで考えずにマイナス面だけに目を向けている人の意見です。
確かに、運動は体に負荷を与えます。それ自体はマイナスなのかもしれません。しかしながら、運動に対する正の反応=トレーニング刺激に対する適応と適度なストレスによって古い細胞が早めに死んでくれる=新陳代謝が活発になり新鮮な体の状態を維持できるという二つのメリットがあるので、適度な運動は万人にとって有益なのです。
これはランナーの皆さんはよくよくご存知だと思います。鏡を見て走る前の自分と走り出してからの自分とどちらの方が良い顔をしているか、正直に考えてみると良いと思います。
ちなみに、うちの会社の副社長は弊社に来る前はあの阪神阪急ホテルズで働いており、運動を今ほどはせず、飲酒、喫煙をしていた時期もあったようなのですが、3年前から走り出して見違えるほど若い顔になりました。